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可愛い友

 読書には友が存在すると少し嬉しくなるものだ。とは言っても、実際に友人と肩を並べて本を読むというのはなかなかに奇妙な行為になってしまう。相手が異性であればともかく、同性だとしたら目も当てられまい。
 ここで言う友とは、口寂しさを紛らわせてくれるものである。探偵小説を読む際にはバーボンの満たされたグラスなどを傾けたいものだが、生憎と私のような下戸ではそうもいかない。
 しかし、下戸であることで生まれる友もまたある。アルコールを口に含みながらでは、このようなスイーツはどうにも舌に馴染んではくれない。
 つまり、この点において私は勝ち組である。ノンアルコールドリンクが欠かせない私にとって、紅茶との相性も良い前述のようなスイーツは寂しい夜長の読書を静かに、だが確かに飾り立ててくれる良き友だ。
 ついついのめり込んでしまい、字の洪水に翻弄されすっかり疲労した目でも、このようなかわいい見た目で楽しむことが出来るので、続きが気になって仕方のない小説に立ち向かうための頼もしい味方になりうるスイーツはうってつけである。








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