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口の構造を紹介

口は「口線画」（口の輪郭の線画）のグループの下に、「口影」のクリップグループが重なっています。「口影」内のオブジェクトやパスは「Clip」グループ内の「口塗り」パスで切り抜かれます。

オブジェクトの重なり順の都合で、「口影」グループ内にも線画の一部（歯線画、口内線画）があります。「歯線画」は楕円形のオブジェクトを変換してノードツールで変形させたクローズパスです。口内線画は口の奥側と舌の部分との境目です。

歯の部分を着色します。クローズパスなのでフィルの色を設定するだけで塗れます。

線画と塗り部分のパスは分けて使いたいので後で線画と塗りに分割しますが今はこの状態で保留しておきます。

口に2影をつける

口の奥側（2影）を塗ります。［バケツツール］に切り替えて線で囲まれた範囲を塗りつぶします。

ノードツールで調整したら、重なり順をグループ内で歯や線画よりも背面に来るように変更します。

口に1影をつける

舌の部分に1影を追加します。［円/弧を作成］で楕円を作成します。

重なり順を「口影」グループ内の最背面に変更したら、［オブジェクトをパスへ］でパスに変換してノードツールで形状を調整します。

これで顔のパーツが塗り終わりました。

顔の影とハイライト

顔につける影は、「前髪」の複製をずらして利用するのと、耳の部分に入れるだけでよさそうな感じです。

顔のハイライトについては好みにもよりますが、今回は入れない方がすっきりしている感じがするので入れないことにします。

この二枚、線画は全く同じですが目と口の部分の塗り方が少し違うのと、影の入れ方でこれだけ印象が変わります。

最近は目や髪の毛の描き込みが繊細になっている反面、顔の立体感はあまり出さない方向に変化しています。（画風によりけりですが、そういう傾向にあります。）

顔の部分に立体感を出すタイプの影やハイライトのつけ方にすると、グッとレトロ風の絵柄になります。

顔の部分の影やハイライトについては髪・体・服と同じ要領で付けて行けばできますので、手順についての説明は割愛させていただきます。

イラストにおける「鼻」の形

動画では塗る工程がなかったので説明していないのですが、イラストにおける鼻って皆さんどんな感じで描いていますか？

私が手癖で描くとカタカナの「ノ」みたいな形になる（一番沢山絵を描いていた頃にその描き方が流行っていたため）ので、 実はペン入れの段階では「ノ」みたいな形の鼻になっています。

ただ、色をつけた時しっくりこなかったので、目や口との相性を考えて「ヽ」（同じという意味の記号）みたいな形に変更しています。

目は形を調整していたら結構大きくなっていますね。最初の想定より子供っぽい顔になっています。口はそんなにサイズは変わっていないのですが、最近の流行りだと開けた時の口から歯が見えてるイラストが多いので歯の部分を追加してます。

鼻の形が「ノ」の場合は、鼻筋（鼻背）のデフォルメ表現なのはすぐ分かると思うんですが、「ヽ」というのはどこのデフォルメ表現かというと、鼻を横から見た時の下半分である鼻先（鼻尖）から鼻柱までの部分ですね。

鼻をひらがなの「く」のような形で表現する場合もありますが、その場合の下半分が「ヽ」で表現されている感じです。

鼻筋が目立たない鼻先が上向いた子供っぽい形の鼻の表現です。

逆に大人っぽさを出したい場合は鼻筋もしっかり描いてあげた方が雰囲気が出ますね。

「目」が顔を描く時の主役で気合を入れて描くパーツだとしたら、ついつい後回し・適当な感じで済ませてしまう鼻ですが、描き方や位置の違いで描く人の個性やキャラクターの年齢・性格の違いを表現できる名脇役です。

自分の絵柄が古いな、今風にアップデートしたいなと感じたらまず見直すのが「目」の描き方だと思うのですが、案外、鼻の描き方、目・口・鼻の位置関係が重要だったりします。

（ちなみに私の絵もまだ古い感じだなと自分で思っています。でもまぁ、現代においては色々な絵柄が群雄割拠状態なので、多少古いのも自分の個性だと思って割り切っています。自分が可愛いと感じる配置で描けばそれが正解です。）