茂の「最近調子どう？」

　先日、電車での出来事。

　70代ぐらいの品の良いご年配の夫婦が乗り込んできた。車内はそれほど混んではいなかったが、席は程よく埋まっていいて、座れる感じではない。

　つり革や窓際も人がいて、体を支えられる感じでもない。私は掴まるところがなく、車内の中央あたりに立っていると、私の隣にその年配のご夫婦が立った。

　これ、電車が走り出すとよろめいたりして、危険じゃないか、誰か席を譲ってあげないかい、ななどと思っていた。　

　そのうち、発車のアナウンス。発車ベルが鳴り、ドアが閉まる。ガタンて電車が走り出す。

　どうよと思った瞬間、品の良いご夫婦、二人して程よく足を開きながら、しっかりと踏ん張り仁王立ち。電車の揺れにはビクともしない。

　この揺れを予想したいたかのような、素晴らしい安定感。隣で私がよろめきながら、心の中で「御見逸れいたしました」とつぶやいたのは言うまでもない。

　私の場合、足腰のためや、隣の人との距離が縮まるのが苦手で、よほど空いている時以外は、席に座ることがない。駅でもなるべく階段を登ることにしている。また、駅までの30分間、歩くようにしている。

　見習いますよ、このご夫婦。足腰が悪くなったら出かけることもできない。ワクワク人生には絶対欠かせないことだね。
　　


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