2016年09月10日
吉田 都 ロイヤル・バレエを卒業
忘れられない1日
『ロミオとジュリエット』は、何よりもまず「踊れてうれしい!」という気持ちが先に来る特別な作品です。リハーサルでちょっとメロディーを聴いただけでも、気持ちが盛り上がります。ジュリエットは昔から踊っていますが、今の自分だからこそ表現できる、演じることを気負いなく楽しめるという面もあり、昔以上に面白く感じています。ジュリエットという役の中に、いまの自分にはもうないものを客観的に見出し、それらを表現できるようになったと感じてからは、その面白さは増すばかりです。
今回のツアーに、いつも指導していただいているレスリー(・コリア)が同行してくださったのは、本当に心強かったです。本番前日の舞台稽古まで演技指導を熱心にしてくださいました。とくに第3幕はかなり時間をかけてリハーサルをしました。
最初の登場の無邪気さとの落差、人間的な成長や心境の変化をしっかりと見せたいと考えていたので、彼女のアドバイスは大きな助けとなりました。
本番は2回あったのですが、初回である6月27日ほうが、気持ちとしては思い切り踊ることができた気がします。29日は最後の舞台に対しての緊張感もあり、周囲も普段とはかなり違う雰囲気に包まれていました。そのうえ、ここ数ヶ月テレビのドキュメンタリー番組の密着取材を受けていて、この日もずっとカメラが回っていたため、なかなか普段のように静かに集中することが難しい状況でもありました。ただ、こういう特別な機会のバックステージを映像に収めていただくことはまれなことであり、番組をご覧になる方に喜んでいただけるのではないかと期待しております。本番前、舞台の上でウォームアップしていると、仲間のダンサーたちから、「舞台を楽しんでね!」と声をかけられ、それだけでも本当に最後さのだという実感がじわじわと沸いてきました。本番の舞台の上でも、客席から観客の方たちの温かい気持ちがひしひしと伝わってきて、感動することしきりでした。
次のステップに向けて
こうして、最後の日は、ロンドンでのさよなら公演と同様、私の人生のなかでも忘れられない1日となりました。怪我もなく、よいコンディションで舞台に臨み、無事に終えることができて、ほっと胸をなでおろしています。それもつかの間、翌々日からは「バレエの神髄」公演に向けてのリハーサルを始めました。ところが、パートナーのロバート(・テューズリー)が怪我をして降板することになり、彼も楽しみにしていただけに、とても気の毒でしたし、私も残念でした。本番直前の出来事で、一時はどうなることかと思いましたが、急遽代役に立ってくれたキエフ・バレエのセルギイ・シドルスキーが、一度だけのリハーサルにもかかわらず、きちんと踊りを合わせてくれ、とても協力的だったので助かりました。また、ソロのお稽古は、名教師であるキエフ・バレエのアラ・ラゴーダ先生の指導を受けることができました。優しいお人柄ながら、指導は厳しく、非常に得るものがありました。彼女のような先生と出会えたのもうれしいことでした。
7月末にはスターダンサーズ・バレエ団でのチャリティー公演があり、再びスティーヴン(・マクレイ)と『パキータ』を踊ります。小林ひかるちゃんやフェデリコ(・ポネッリ)、セルゲイ・ポルーニンといったロイヤル・バレエの仲間たちも一緒なので楽しみにしつつ、それに備えて多忙な日々を送っています。
みなさんに感謝の言葉を
本当にありがとうございました。
これからも舞台やさまざまな活動をがんばっていく予定ですので、
今後ともどうぞよろしくお願いします。
また、みなさんとお目にかかれることを楽しみにしています!
ダンスマガジン 2010 SEPTEMBER
レオノール・ボラックがエトワールに昇進!【パリ・オペラ座バレエ団】
https://www.youtube.com/watch?v=0USlqk_zijc
ニュージーランド・スクール・オブ・ダンス (New Zealand School of Dance)
https://www.youtube.com/watch?v=5FqlStGI-eM
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