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2019年12月04日

読解力低下、OECD学習到達度調査、大学入学共通テストで対応できるの?

昨日(12月3日)経済協力開発機構(OECD)が2018年に実施した「生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果」が公表されました。

これについて、荻生田文科大臣がコメントを発表しました。(文部科学省HPより引用)
本日、経済協力開発機構(OECD)が2018年に実施した「生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果」が公表されました。

 今回の調査結果によると、数学的リテラシー及び科学的リテラシーは、引き続き世界トップレベルですが、読解力については、OECD平均より高いグループに位置しているものの、前回2015年調査よりも平均得点及び順位が低下しています。

 今回の中心分野として詳細な調査が行われた読解力については、低得点層が増加しており、学習指導要領の検討過程において指摘された、判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べることなどについて、引き続き、課題が見られることも分かりました。

 さらに、学習活動におけるデジタル機器の利用が他のOECD加盟国と比較して低調であることも明らかになりました。

 文部科学省としては、これらの課題に対応し、児童生徒の学力向上を図るため、

来年度からの新学習指導要領の着実な実施により、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善や、言語能力、情報活用能力育成のための指導の充実
学校における一人一台のコンピュータの実現等のICT環境の整備と効果的な活用
幼児期から高等教育段階までの教育の無償化・負担軽減等による格差縮小に向けた質の高い教育機会の提供
等の取組を学校、教育委員会等の関係者と連携・協力して推進してまいります。

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■読解力低下の原因について
 文科省では、2つあげています。
1. 学習指導要領の検討過程において指摘された、判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べることなどについて課題がある
2. 学習活動におけるデジタル機器の利用が他のOECD加盟国と比較して低調である

パソコンを思考の道具として使う日常経験は足りないのは言うまでもありません。
スマホは持っていても、ほとんどLINEやSNS中心で、YouTubeを見ることなどが主で、
思考の道具に使うなんてないですからね。

201912-4oecd.jpg
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■「情報格差」の問題もあるのでは!
 私が思うに、文科省があげた2つの他に、情報格差という問題があると思います。
すなわち、家庭の経済力や文化的環境の差が家庭での学習状況に反映しているのではないでしょうか。
OECD生徒の学習到達度調査(PISA2018)に、こんなデータが載っております。
20191204oecd3.jpg
「学校の勉強のために、インターネット上のサイトを見る」とい質問に対し、
なんと日本はOECD平均の3倍である38.1%もの「まったくかほとんどない」
という回答をしているのです。

この状況では、今回新たに導入された問題には対応出来ないのは当然でしょう!
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■読解力低下が顕著な問題とは
今回騒がれているとされた読解力低下の問題はというと、
20191204oecd2.jpg
この赤い線の部分です。

まさに前述の経験が無ければ対応出来なかったのも当然と言えるでしょう。
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■私が思うに最も懸念されることとは
 それは、現在の大学入試制度です。
最近このブログでも何度も取り上げてきた「大学入学共通」のテストです。

私の経験上、たとえば、センター試験の国語で現代文の読解問題を指導する場合、
まず最初に生徒に言っていたことは、
●すべての根拠は文中にあり
 どんな問題の前にも「次の文章を読んで、後の問いに答えなさい」とあるはずです。そうである限り、必ず文章の中に答えもしくはその根拠があるはずです。それを捜し出して設問の要求に答えなさいということなのです。ゆえに、「すべての根拠は文中にあり」という大原則が成り立ってくるのです。


そして、次に、
●筆者の主張は、形を変えて繰り返される
 筆者は自分の主張を読者に分かってもらうため、形を変えて繰り返します。例えば、自分の主張の証拠として挙げられる具体例や、自分の体験やエピソードを紹介したり、自分と同じ意見を持った人が、同じことを言った箇所を引用するなど、これらはすべて筆者の主張の形を変えた繰り返しです。また、筆者の主張は、抽象的・普遍的で形のないことが多いので、形のないものをもっと身近なものに置き換えて同じことを繰り返すことがあります。これが比喩ということで、比喩もやはり形を変えた繰り返しと言うことが出来るでしょう。


そして、大原則として、
●問題文(引用文)の筆者と出題者は違う
 ある大学で出題された問題を筆者が解けなかったというエピソードがあるくらいです。受験生の皆さんは、問題文を鑑賞する必要はありません。出題者の考えた正解を捜し当てれば良いだけです!


というような指導をしておりました。

予備校や学習塾はもちろん、高等学校の先生方もそれぞれ違いはあるにしても、
生徒の第一目標であるセンター試験突破を第一に考えていることは確かでしょう。
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■共通テストを無くし個別試験にすべき!
 英語民間試験の問題と同様に問題視されている国語と数学の記述式問題導入ですが、
数問だけ取り入れたとしても、この読解力低下の問題が解決するとは思いません。
 やはり、根本的に共通テストではなく、それぞれ大学独自の個別試験にすべきと思います。
そして、それに向けて日頃の学習に人間としての思考を必要とする問題を取り入れる受験勉強となることを切に願うものであります。
posted by seminar1 at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題

2019年12月03日

オール3である必要はない、ナンバーワンよりオンリーワン?

今年4月に、新元号「令和」が発表された時、安倍首相は、こう語ったそうです。
平成の時代のヒット曲に『世界に一つだけの花』という歌があるが、次の時代を担う若者たちが、明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そのような若者たちにとって希望に満ち溢れた日本を国民の皆さまと一緒に作りたい


桜を見る会で窮地に立たされている安倍首相だが、ひょんなことからこの言葉を知ることがあり、当時の流行語にもなった「ナンバーワンよりオンリーワン」ということに言及したいと思います。
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■SMAPの『世界に一つだけの花』
2003年度オリコン年間1位と大ヒットした歌、世界に一つだけの花。
「小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから No.1にならなくてもいい もともと特別なOnly1」と歌われています。作詞・作曲は槇原敬之さん。
当時教壇に立っていた私らの周りでは、子どもたちがこの言葉で救われたと言われたものです。
その歌詞は、「天上天下唯我独尊」という仏教の教えが念頭にあったらしいですね。
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■天上天下唯我独尊とは?
「唯我独尊」とは、「唯、我、独り尊い」だから、俺一人が偉いのだという意味だと思ってしまいますよね。いろいろ調べてみても、そのように説明されているのがほとんどです。
だとしたら、槇原さんの歌詞はチョット違うのかなとも思っております。
実は仏教では「唯我独尊」の「我」は、お釈迦さまだけのことではなく、
我々、すべての人間のことだそうです。

すなわち、どんな人も尊い目的を果たす為に人間に生まれてきたのだと、すべての人は平等であると仰ったのが「天上天下 唯我独尊」というお釈迦様のお言葉だということです。
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■オール3である必要はない
さて、私が昔から生徒に言ってきたことがあります。
ナンバーワンよりオンリーワン?
いえいえ、
それは、オール3である必要はない
入試が5教科であれば、すべて平均点の60点でなくとも、
得意な科目が1つあれば、それを頑張れば80点90点にして、
苦手なものは40点でもいいじゃないの
ということでした。

実際、苦手科目の40点を平均点までプラス20点を目指すより、
得意科目の70点を90点にするほうがその子にとっては簡単でした。

試験科目だけではありません。
30年程前の教え子に「虫博士」と呼ばれていた子がいました。
算数はとっても苦手だったけど、昆虫のことになると私が全く知らないことまで詳しく教えてくれるほどでした。
スゴイね〜! ってほめると、得意そうな笑顔が今でも忘れられません。

彼は頑張って希望する高校に入学出来たことは言うまでもありません。
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■好きなことは絶対やめないで
ナンバーワンを目指すことを否定するものではありません。
もちろんオンリーワンになることも。
私が一番言いたいのは、どんなことでもいいです、
自分の好きなことは絶対やめてはいけない

1つだけ跳び抜けて得意なものを持つということは、その人の拠り所になります。
自信になります。
これだけは他人に負けないというものを持つことはその人の人生を変えます。

まさに自信をもって頑張ってほしいと思います。

posted by seminar1 at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題
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長いこと教育界に住んでいる爺です。 還暦を過ぎ、ここらでちょいとゆっくりしたいと思ってます。
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