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うさぎさん
小さな貸農園で無農薬の野菜を栽培しています。 畑にいるときはいつも、ルンルンです。
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2014年08月22日
戦闘機が落ちた
安倍川に戦闘機が墜ちた。

どこで、誰から情報を得たか覚えていない。


安倍川の河川敷に行った。

そこには何人かの人たちがアメリカの若い軍人を囲んでいた。


恐る恐るのぞくと、色の白いきれいな若者だった。

私の眼には生きているように見えた。


下駄で、蹴っている人たちがいた。かわいそうだと思った。


そのあとの事は覚えていない。



誰と行ったのか?

まだ戦時中だったあの時怖いとも思わず、出かけたのはなぜか?

まったく覚えていない。


ただ、安西橋の近くの河原の飛行機の残骸と、そのそばに倒れて

いた兵士の姿だけが映画でも見たかのように脳裏に焼き付いている。


あれは、夢だったのだろうか?


そうではなかった。



親切な男性がその青年を葬ったのだと戦後になって聞いた。


敵であっても人間に変わりはない。

この青年にも、親も兄弟もいるはずだといって葬ったのだと。



戦後進駐軍が上陸してきた。

私たちの街にも何人かの軍人が家々を一軒ずつ見に来た。


殺されるかもしれない、危害を加えられるかもしれない。

おとなも、こどもも恐れていた。


しかし危害を加えられることはなかった。


家に来たとき何かあげられるものはないか、考えた末母は

花瓶を差し出した。

一度は受け取りまた隣の家に入っていった。

そしてまた、隣りえと。


しばらくして、花瓶を返しに来た。


子供たちはぞろぞろと後についてまわった。


戦死した兵士を葬ったひとは、とても感謝されたと聞いた。


戦争は、罪のない一般の人々大人も子供も苦しみ、悲しみを味わう。

あの悲しみ、苦しみ、恐怖感を再び経験することがないように願う。





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