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ペン牛
ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2015年12月31日

一話 お題:転ぶ(バランスを崩して倒れる) 縛り:なし

 知人から聞いた話である。


 知人の家の玄関の三和土(たたき)には、そこを踏むと絶対に転んでしまう箇所があったそうだ。男も女も、大人でも子供でも転んだ。試しに犬や猫を通らせてみたらやはり転んでしまった。流石に気味が悪いなぁ、ということで様々な伝手を頼り、ようやく信用できる、いわゆる霊能者という類の人を見つけたそうである。
「うわ」
 意外なほど若かったその男性は、知人の玄関の三和土を見るなり声を上げた。
「どうしたんですか」
 知人が尋ねると、男性は驚いたような、得心したような声で、
「これのせいかぁ、いやね、穴があいてるんですよ。みんなこの穴に足が入って転ぶんですよ」
 知人には当然穴など見えない。しかし、この人が言っているのだから本当にあいているのだろう、と思ったそうだ。
「ううん、どうしようかなぁ、どうやって塞いだものかなぁ……」
 男性がしゃがんで、穴があいているという場所を覗き込んだ時に、
「あっ」
「あっ」
 男性は体勢を崩して、そこに顔から突っ込んだ。
 男性がどうなったのか聞こうとしたけれども、知人が見たこともないほど顔をクシャクシャにしていたので、とても聞くことはできなかった。



タグ:怖い話
posted by ペン牛 at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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