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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年09月29日

二百七十四話 お題:逓増(数量が次第に増えること) 縛り:投じる(ある環境の中に自分から進んで身を置く)、噛み分ける(物事の細かな違いを分別して考え理解する)、光芒(尾を引くように見える光の筋)、厄介払い(厄介者や厄介なことを追い払うこと)、防空壕(空襲の時に避難するため、地中に造る穴や構築物)

 祖母から聞いた話である。

「お前には黙ってたけど、お祖母ちゃん、実は人の魂が見えるんだよ」
 祖母はそう言って、空を見上げた。
「人が死ぬと、魂は光芒になって空を走るんだよ。今は落ち着いてるけど、戦争の時は本当にひどかった。日を追うごとに光芒の数が増えていって、しまいには空一面が光芒で埋め尽くされてねぇ。光芒の輝きがあんまりにも眩しくて、空を見たら目がつぶれるんじゃないかと思ったくらいさ」
 やっぱり戦争って怖いんだね、と私が言うと、
「そうだよ。戦争は怖い。何もかも壊れるし、人も数えきれないほど死ぬ。それに、人の心がどんどん鬼に近くなるんだよ」
 鬼に近くなるってどういうことなの、と私が聞くと、
「空襲の時に防空壕に入ってると、周りから声が聞こえてくるんだよ。病人を厄介払いできてよかった。年寄りを厄介払いできてよかった。嫌いなやつは焼け死んだだろうか。憎いやつは焼け死んだだろうか。他の誰が死んでもいいから自分だけは生きていたい――あの頃は、そこら中に鬼がいたんだよ」
 私が何も言えずに黙っていると、
「お前、色んなことを勉強しなきゃ駄目だよ。色んなことをやってみなきゃ駄目だよ。人間は簡単に死ぬんだから。酸いも甘いも嚙み分けるじゃないけど、色んなことを知ってればそれだけ生きやすくなるんだよ。自分から死地に身を投じるようなことは絶対にするんじゃないよ。自分の命も、人の命も大事にして生きるんだ。絶対に、鬼になるんじゃないよ」
 祖母はそう言って、私の頭を優しく撫でた。

posted by ペン牛 at 18:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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