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ペン牛
ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年09月16日

二百六十一話 お題:酷似(非常によく似ていること) 縛り:ひ弱い(いかにも弱々しい)

 子供の頃の話である。

当時私は周囲からひ弱い、ひ弱いと馬鹿にされ、いじめられていた。このままいじめられ続けるのならいっそ死んでしまおうと、家の近所の橋に行ってみたがどうしても飛び降りることができず、自分には自殺をする勇気すらないのか、と情けなさで泣いていると、
「君、どうしたんだい」
 声のした方を見るとたくましい青年が立っていた。気がつくと私は自分の置かれている状況を彼に話していた。彼は黙ってそれを聞いてくれた。私が話し終わると、彼は、
「君は僕に似ているよ」
 と言った。私が馬鹿にしているのか、と言うと、
「いいや、違う。僕も昔は体が弱くていじめられていたんだ。僕はいじめたやつらに復讐するために体を鍛え上げた。そしていじめたやつらとその家族の骨という骨を片っ端からへし折ってやったんだ。どうしても折っている途中で死んでしまうんだけど、それでも苦痛が少しでも長引くよう、丁寧に折っていったよ。君は僕に似ている。きっと君は、僕と同じような人間になるよ」
 今の私は、彼の言葉通りの人間である。

posted by ペン牛 at 12:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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