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2017年05月26日

第2回 埼玉CSinバトロコ柏 決勝トーナメント第1回戦 無題VSラフロイグ イメン全盛期に行われた「イメンループ」と「青黒ハンデス」の試合が、いまここに蘇る!

 240人を超える参加者の中から選ばれた、26人の決勝トーナメント進出者。まずは彼らの予選突破を祝福したい……ところだが、26人の中にはこんなことで満足している者はいないだろう。勝ってなんぼのデュエルマスターズ。優勝してこそ意味あるチャンピオンシップ。ここで終わってしまっては何の意味もない。



 本選の対戦組み合わせは予選の順位によって決められる。シードの上位6人を除き、順位が半分より下のプレイヤーは、自分より上位のプレイヤーと対戦することになる。となれば、やはり気になるのはお互いの順位に開きのある7位vs26位、「イメンループ」を操る無題と「青黒ハンデス」使いのラフロイグの試合だろう。



 「イメンループ」……なんと懐かしい響きだろうか。3年前のDS期で猛威を振るい、《鎧亜戦隊 ディスマジシャン》のプレミアム殿堂で多きな痛手を負いながらも、リペアを繰り返して環境を引っ張ってきたデッキタイプだ。



 対する「青黒ハンデス」も、サイキッククリーチャーの登場と同時に生まれ、形を変えながら現在まで残り続けている長い歴史を持つデッキ。



 「イメンループ」vs「青黒ハンデス」。過去に何度も行われた歴史ある試合が、いまここに蘇る。


本1 握手.JPG



 序盤に目立った動きはなく、先手のラフロイグは《ブレイン・タッチ》でハンデス。後手の無題は《霞み妖精 ジャスミン》でマナを増やす。



 試合のポイントとなるのは、無題の《龍覇 イメン・ブーゴ》が着地する前に、ラフロイグが相手のハンドを枯らしきれるかどうかだろう。「青黒ハンデス」で先手を取ってしまったラフロイグは、この差をどう埋めていくのか。



 早く無題を息切れさせたいラフロイグは、続けて《解体人形ジェニー》でハンデスを行う。無題のハンドは《パクリオ》《龍覇 イメン・ブーゴ》《拡散する斧 プロメテウス》。ここはひとまずアドバンテージ源の《拡散する斧 プロメテウス》を墓地に落とす。



 だが、次のターン早くも無題のトップが光る。5マナでプレイしたのは、先ほどハンデスしたはずの《拡散する斧 プロメテウス》! ハンドを枯らすことなくマナを伸ばし、次のターンには《龍覇 イメン・ブーゴ》を召喚する準備が整った。



 ピンポイントの回答を引かれてしまったラフロイグだが《ブレインタッチ》と《特攻人形ジェニー》を使い、なんとか3枚の手札から《龍覇イメン ・ブーゴ》を落とそうとする。



 1回目のハンデス……ハズレ。ひとまず安心の無題。



 だが、2回目は………当たった! 手札から《龍覇 イメン・ブーゴ》が墓地へ落とされる。


 このハンデスによって一気に苦しい展開となった無題。《ドンドン吸い込むナウ》《トレジャー・マップ》とサーチ呪文を唱え続けるが、一向に《龍覇イメン ・ブーゴ》の姿が見えない。


どっちか.JPG





 この隙を狙って、コントロールが得意とする場を制圧した状態に運びたいラフロイグ。《超次元リバイヴ・ホール 》から《勝利のリュウセイ・カイザー》を出しつつ、ドロー呪文を唱えて続く超次元呪文を探す。だが、こちらも手札が増える一方で、超次元呪文を引き込むことができない。



 お互いの引きが振るわないこともあり、硬直する盤面。無題が引いたクリーチャーを場に出し、ラフロイグが除去する流れが続く。



 しかし、流れは無題に傾き始める。ラフロイグが手札を増やし続ける中、そのとき偶然引いた《パクリオ》を場に出す。すると、ラフロイグの手札にはゲームエンドカード《魔天降臨》が! 危ない危ないと言わんばかりにそれをシールドへと封印する。ラフロイグは超次元呪文が引けないだけでなく、さらに勝ち筋の1つの《魔天降臨》まで失ってしまった。



 《S級原始 サンマッド》2枚を使った除去も成功し、ハンド0枚の絶望的な状況を凌ぎ続ける無題。だが、彼のデッキの主役はやはり《龍覇 イメン・ブーゴ》。小型のクリーチャーは《デモンズ・ライト》によってあらかた処理されてしまい、ループせずに殴ることもできないこの状況を打開するには、やはりあのカードの力が必要だ。



 一方、なかなか決定打を引けていないラフロイグだったが、ここでようやく超次元呪文を引くことに成功。どのサイキックを呼び出すか考えるが、ブーストとサーチによって薄くなった無題の山札を確認すると《ヴォルグ・サンダー》を呼び出す。この試合のプランは、ジリ貧にさせてからのデッキアウト狙いに決定したようだ。



 デッキアウトの時が迫る無題。苦し紛れにクリーチャーを場に送るも、勝利に繋がる行為にはならなず、ドローによって段々とデッキが削れていく。



 長い間粘られたが、ようやく勝利の芽が見えてきたラフロイグ。しかし、そこに新たな障害が現れる。試合の制限時間だ。無題の必死の抵抗も影響し、フィニッシュまでの時間が掛かりすぎてしまっていた。早く終わらせようにも、超次元呪文切れで《ヴォルグ・サンダー》を投げることができない。


あっちか.JPG



 そしてラフロイグにも、無題のデッキが無くなるより先に試合時間の終了が訪れる。ラストターンを迎えたラフロイグは、デッキアウトによる確実な勝利を得る予定だったが、仕方なく場に並ぶ打点で殴り倒すことに。



 場に並ぶ打点は7点。Sトリガー次第だが、2回のWブレイクが成功すればギリギリ殴り切れる打点数だ。最初のブレイクは……何もなし! だが、続く2回目のブレイクを宣言すると………



 キャッチ!《光牙忍ハヤブサマル 》! このブロックにより、このターンに決着をつけることができなくなってしまうラフロイグ。こうなってはどうすることもできず、この試合最後のターンエンドを宣言する。



 ラストターンを渡された無題。だが、耐えたとはいえ不利な状況が好転したわけではない。このターンのみで勝つのは無理とわかっている無題もターンエンドを宣言し、試合の結果はSPゲームに持ち越された。




Time UP!




 もう少し時間があれば勝つことができたラフロイグからは「チキってしまった……」「もうちょい早く殴ってれば…」と反省と後悔の言葉が溢れ出る。



 こんなところで、しかもSPゲームで負けてしまっては、今までの努力が全て水の泡だ。運命をかけてサイコロを振るラフロイグ。無題も最後の希望をサイコロに込める。



 だが、神はまるでこの試合を見ていたかのような審判を下す。




 運命をかけたダイスロールの結果、勝利したのはラフロイグだった。



 これには無題も「2枚も《龍覇イメン ・ブーゴ》が盾に埋まってしまったので、続けていたら負けてましたね…。時間をかけてしまったのは僕も同じなのでしょうがないです」と結果を受け入れた。



winner:ラフロイグ



 共に歴史のある「イメンループ」VS「青黒ハンデス」の試合。ハンデス側の運命をかけたランダムハンデスと、イメン側の祈りを込めたドロー。あの環境を体験したプレイヤーにとっては、当時を思い出させる内容だったに違いない。



 今のデュエルマスターズの環境の足元には、今まで使われてきたデッキによって紡がれた歴史が眠っている。そして、過去に使われたデッキの中には、「モルトNEXT」のように新カードの力を借りて再び最前線へ復帰するデッキもある。既に衰退してしまったデッキでも、この激動の環境変化によってもう一度光を浴びることができるデッキが、まだどこか眠っているかもしれない。



 あなたがあのとき使っていたあのデッキは、今はどうだろうか? たまには思い出を振り返ってみるのも悪くないだろう。

【文/写真 はら】





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