2017年05月28日
第2回 埼玉CSinバトロコ柏 決勝トーナメント第3回戦 ユーリVSエクス(御隠居) ブン回を見せるユーリの「緑単ゴエモンキー」だが、9コストのアイツが登場すると……
※大会進行の都合により、通常卓でのフィーチャーとなります。
トップ8に残ったエクス(御隠居)はポロリとこんなことを呟く。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだろう…」
どうやらここまで来れると思ってはおらず、まだこの状況が信じられないようだ。しかし、彼がここまで来る間に強敵を倒し続けてきた事実は変わらない。本人に自信はなくとも、実力は確かにある。
向かいの席に着席するのは、チーム「AQUAWAVE(AW)」のユーリ。CS優勝経験も複数ある彼は、トップ8まで来ても落ち着いた様子。
TCGは努力すれば必ず勝てるというものではない。その日の勢い、周りの様子など、様々な要素が絡み合ってその日の優勝者が生まれる。実力だけでも運だけでも勝てない。プレイヤーに求められるのは、運が良い日を無駄にしない実力があるかどうかだ。
ユーリも恐らく“そういう日”をしっかりと取りこぼさずにしてきたからこそ、何度も優勝できたのだろう。そして、ここまで来る予定は無かったというエクス(御隠居)にとっても、今日が“そういう日”というわけだ。
心境が大きく異なる2人による対決。トップ4へ進むのは、経験豊富なユーリか? それとも無自覚ながらもその実力を発揮してきたエクス(御隠居)か?
先手はユーリ。マナに《アラゴト・ムスビ》をセットしつつ、1ターン目から《トレジャー・マップ》でループパーツを集めていく。
後手のエクス(御隠居)も《戦略のD・H アツト》で墓地を肥やしてコンボの準備を進めるが、攻めるにはまだまだ時間がかかる様子。
ここでユーリのデッキがこれでもかというブン回りを見せる。2ターン目に《桜風妖精ステップル》と《ベイBジャック》を同時展開。次のターンには早くも《龍覇 マリニャン》が着地。ループの要となる《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出す。さらに《龍覇 マリニャン》でマナを生み出し《トレジャーマップ》を唱え、後続を確保する。
最良とも言える動きを見せつけられ、流石にこれには渋い顔をするエクス(御隠居)。だが、新たに召喚した《死神術士 デスマーチ》と、先ほどの《戦略のD・H アツト》で、マナを生み出すためにタップされた《龍覇 マリニャン》と《桜風妖精ステップル》を破壊する。
これでユーリの場のクリーチャーは《ベイBジャック》のみ。次のターンに《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を龍解させる思惑は失敗に終わってしまう。
だが、「緑単ゴエモンキー」はこの程度で息切れするヤワなデッキではない。殴り返しによって失ったクリーチャーを《雪精 ジャーベル》で補うユーリ。効果で手札に加えた《桜風妖精ステップル》も合わせて場に出し、再度龍解を狙う。
先ほどはクリーチャーがタップされていたおかげてなんとか窮地を免れたエクス(御隠居)。しかし、出てきたクリーチャーがアンタップ状態の今回はそうもいかない。ひとまずは《死神術士 デスマーチ》を再び召喚する。
本来であれば《世紀末へヴィ・デス・メタル》を呼び出して一気に勝負をつけたいところだが、今回の《死神術士 デスマーチ》の下にいるのは《奈落の葬儀人デス・シュテロン 》。エクス(御隠居)は、手札にある1枚の《龍脈術 落城の計》を除去として使うか、コンボパーツとして使うのかを考え続ける。
直後、エクス(御隠居)の口から「よし」という言葉が出る。意を決して《龍脈術 落城の計》を唱えると、《死神術士 デスマーチ》が手札に戻り《奈落の葬儀人デス・シュテロン》へと変身する!!
そのままターンを終了するが、《奈落の葬儀人デス・シュテロン 》の効果でターン終了時にお互いの手札が全て墓地へ送られる。お互いに手札を失ってしまったが、場に触れられることに無かったユーリの《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》は《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》へと龍解する。
こうなってしまっては、勝負の行方は誰にもわからない。《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》を暴れさせているエクス(御隠居)が有利にも見えるが、ユーリも《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》のコスト軽減の状態に加えて、マナには《アラゴト・ムスビ》もある。どちらも勝利まであと一歩の状態だ。
ターンを渡されたユーリは、トップで引いた《龍覇 マリニャン》を盤面に追加。新たな《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出し、3コスト軽減の場を作る。さらにマナの《アラゴト・ムスビ》を起動して、《雪精 ジャーベル》をリサイクル。
しかし、エンド時に全て手札が破壊されるこの状況では、手札に加えて有効なカードは少ない。《雪精 ジャーベル》の効果で加えたのは、2枚目の《ベイBジャック》。既に1体が場に出ているこの場面では、あまり嬉しいカードではない。場に2匹の《ベイBジャック》を並べターン終了。
エクス(御隠居)のターン。このターンでようやく《奈落の葬儀人デス・シュテロン》の召喚良いが解け、Tブレイクとハンデスによる強力なアクションが取れるようになる。一般的な「緑単ゴエモンキー」であれば、Sトリガーを採用している可能性は低いため、絶好の攻撃の機会だ。
新たに引いた《鬼面妖蟲 ワームゴワルスキー》を追加し、ユーリのシールドへ襲い掛かる。一気に全てのシールドがブレイクされ、さらにそのブレイクされたシールドは全てエンド時に墓地へ送られる。
後がなくなったユーリ。次のドローで何か有効牌を引かなければならないが……引けない。ここまで盤面でお膳立てしたにも関わらずループに入ることができなかった。仕方なく《ベイBジャック》の効果を起動し、場にある打点で殴り勝つことを選択する。
まずは《ベイBジャック》のWブレイクを行うが……
守りの硬さに定評のある「墓地退化」デッキ。そんな甘えた攻撃は許さないとばかりに《終末の時計 クロック》がユーリからターンをもぎ取っていった。
手札、シールドが0枚のユーリは成す術もなく、エクス(御隠居)のダイレクトアタックを受けるのだった。
winner:エクス(御隠居)
3ターン目のユーリの動きを見ていて、試合を見ていた全員が「これは勝負あったか?」と思っていた。
だが、その勢いは続くことはなかった。最終的には、ゲームを諦めず最善を尽くしてきたエクス(御隠居)が勝利を掴んだ。当の本人のユーリも「いや……流石に勝ったと思ってました」と驚きを隠せない様子。
《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》をうまく利用したコントロールで勝利を掴んだエクス(御隠居)。セミファイナルへ進出!
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
http://dm.takaratomy.co.jp/card/
トップ8に残ったエクス(御隠居)はポロリとこんなことを呟く。「なんでこんなとこまで来ちゃったんだろう…」
どうやらここまで来れると思ってはおらず、まだこの状況が信じられないようだ。しかし、彼がここまで来る間に強敵を倒し続けてきた事実は変わらない。本人に自信はなくとも、実力は確かにある。
向かいの席に着席するのは、チーム「AQUAWAVE(AW)」のユーリ。CS優勝経験も複数ある彼は、トップ8まで来ても落ち着いた様子。
TCGは努力すれば必ず勝てるというものではない。その日の勢い、周りの様子など、様々な要素が絡み合ってその日の優勝者が生まれる。実力だけでも運だけでも勝てない。プレイヤーに求められるのは、運が良い日を無駄にしない実力があるかどうかだ。
ユーリも恐らく“そういう日”をしっかりと取りこぼさずにしてきたからこそ、何度も優勝できたのだろう。そして、ここまで来る予定は無かったというエクス(御隠居)にとっても、今日が“そういう日”というわけだ。
心境が大きく異なる2人による対決。トップ4へ進むのは、経験豊富なユーリか? それとも無自覚ながらもその実力を発揮してきたエクス(御隠居)か?
先手はユーリ。マナに《アラゴト・ムスビ》をセットしつつ、1ターン目から《トレジャー・マップ》でループパーツを集めていく。
後手のエクス(御隠居)も《戦略のD・H アツト》で墓地を肥やしてコンボの準備を進めるが、攻めるにはまだまだ時間がかかる様子。
ここでユーリのデッキがこれでもかというブン回りを見せる。2ターン目に《桜風妖精ステップル》と《ベイBジャック》を同時展開。次のターンには早くも《龍覇 マリニャン》が着地。ループの要となる《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出す。さらに《龍覇 マリニャン》でマナを生み出し《トレジャーマップ》を唱え、後続を確保する。
最良とも言える動きを見せつけられ、流石にこれには渋い顔をするエクス(御隠居)。だが、新たに召喚した《死神術士 デスマーチ》と、先ほどの《戦略のD・H アツト》で、マナを生み出すためにタップされた《龍覇 マリニャン》と《桜風妖精ステップル》を破壊する。
これでユーリの場のクリーチャーは《ベイBジャック》のみ。次のターンに《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を龍解させる思惑は失敗に終わってしまう。
だが、「緑単ゴエモンキー」はこの程度で息切れするヤワなデッキではない。殴り返しによって失ったクリーチャーを《雪精 ジャーベル》で補うユーリ。効果で手札に加えた《桜風妖精ステップル》も合わせて場に出し、再度龍解を狙う。
先ほどはクリーチャーがタップされていたおかげてなんとか窮地を免れたエクス(御隠居)。しかし、出てきたクリーチャーがアンタップ状態の今回はそうもいかない。ひとまずは《死神術士 デスマーチ》を再び召喚する。
本来であれば《世紀末へヴィ・デス・メタル》を呼び出して一気に勝負をつけたいところだが、今回の《死神術士 デスマーチ》の下にいるのは《奈落の葬儀人デス・シュテロン 》。エクス(御隠居)は、手札にある1枚の《龍脈術 落城の計》を除去として使うか、コンボパーツとして使うのかを考え続ける。
直後、エクス(御隠居)の口から「よし」という言葉が出る。意を決して《龍脈術 落城の計》を唱えると、《死神術士 デスマーチ》が手札に戻り《奈落の葬儀人デス・シュテロン》へと変身する!!
そのままターンを終了するが、《奈落の葬儀人デス・シュテロン 》の効果でターン終了時にお互いの手札が全て墓地へ送られる。お互いに手札を失ってしまったが、場に触れられることに無かったユーリの《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》は《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》へと龍解する。
こうなってしまっては、勝負の行方は誰にもわからない。《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》を暴れさせているエクス(御隠居)が有利にも見えるが、ユーリも《遺跡類神秘目 レジル=エウル=ブッカ》のコスト軽減の状態に加えて、マナには《アラゴト・ムスビ》もある。どちらも勝利まであと一歩の状態だ。
ターンを渡されたユーリは、トップで引いた《龍覇 マリニャン》を盤面に追加。新たな《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》を呼び出し、3コスト軽減の場を作る。さらにマナの《アラゴト・ムスビ》を起動して、《雪精 ジャーベル》をリサイクル。
しかし、エンド時に全て手札が破壊されるこの状況では、手札に加えて有効なカードは少ない。《雪精 ジャーベル》の効果で加えたのは、2枚目の《ベイBジャック》。既に1体が場に出ているこの場面では、あまり嬉しいカードではない。場に2匹の《ベイBジャック》を並べターン終了。
エクス(御隠居)のターン。このターンでようやく《奈落の葬儀人デス・シュテロン》の召喚良いが解け、Tブレイクとハンデスによる強力なアクションが取れるようになる。一般的な「緑単ゴエモンキー」であれば、Sトリガーを採用している可能性は低いため、絶好の攻撃の機会だ。
新たに引いた《鬼面妖蟲 ワームゴワルスキー》を追加し、ユーリのシールドへ襲い掛かる。一気に全てのシールドがブレイクされ、さらにそのブレイクされたシールドは全てエンド時に墓地へ送られる。
後がなくなったユーリ。次のドローで何か有効牌を引かなければならないが……引けない。ここまで盤面でお膳立てしたにも関わらずループに入ることができなかった。仕方なく《ベイBジャック》の効果を起動し、場にある打点で殴り勝つことを選択する。
まずは《ベイBジャック》のWブレイクを行うが……
守りの硬さに定評のある「墓地退化」デッキ。そんな甘えた攻撃は許さないとばかりに《終末の時計 クロック》がユーリからターンをもぎ取っていった。
手札、シールドが0枚のユーリは成す術もなく、エクス(御隠居)のダイレクトアタックを受けるのだった。
winner:エクス(御隠居)
3ターン目のユーリの動きを見ていて、試合を見ていた全員が「これは勝負あったか?」と思っていた。
だが、その勢いは続くことはなかった。最終的には、ゲームを諦めず最善を尽くしてきたエクス(御隠居)が勝利を掴んだ。当の本人のユーリも「いや……流石に勝ったと思ってました」と驚きを隠せない様子。
《奈落の葬儀人 デス・シュテロン》をうまく利用したコントロールで勝利を掴んだエクス(御隠居)。セミファイナルへ進出!
【写真/文 はら】
画像は公式からお借りしました。
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