ヤフーニュースの記事によると、飼いネコや野良ネコの数を管理すべく、安全で新しい遺伝子技術による不妊処置法を米国の研究チームが開発し、2023年6月に学術誌「nature communications」に発表したとある。
ちょうど私が記事を書いた時期と重なる。
日本では野良猫のことを「地域ネコ」や「さくらネコ」などと呼ばれているようだ。
その野良ネコを捕まえて不妊手術や去勢手術をした後また野生に戻す「TNR(トラップ・ニューター・リターン)」という方法があるという。
これは、個体数の抑制に効果があるものの、獣医師の協力をはじめ、手術代をどのように捻出するかや、手術を受けるネコの体への負担が比較的大きいなどの問題がある。
米国の研究チームシンシナティ動物園の動物研究ディレクターであるウィリアム・スワンソン氏は「高い技能を持つ獣医師を必要とせず、普通の人が誰でもネコに注射を打てるようにする必要がありました」と話している。
また、米ハーバード大学の生殖生物学者デビッド・ペピン氏も研究を率いた一人で、ペピン氏がネコの不妊の世界に足を踏み入れたきっかけは、「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」を使ったヒト卵巣がんの治療法の研究だったようで「これを不妊に応用できるのでは」と考えたという。
研究の結果、処置を受けたメスと繁殖力のあるオスを引き合わせたところ、6匹のメスのうちオスと交尾したのは2匹で、結果はどちらも妊娠に至らなかった。
つまり、AMHは排卵を抑え、不妊化治療は成功したという。
すなわち、注射1本で永続的に不妊にできて、手術は不要となる。
今回の研究結果は、6匹のネコで試しただけの予備的なものであり、実用化にはさらなる検証が必要との事だが、過去7年間このプロジェクトに取り組んできたスワンソン氏は、比較的簡単にできるこの方法は、「望み通り機能させられれば、本当に状況を一変させる可能性があります」と、野生生物の脅威となるネコ対策を強力に推し進める手段になると期待しているという。
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