このヒラズゲンセイは本州の近畿から南の地域や四国、九州、西南諸島の島々などに分布しており、以前は本州にはいないとされていたが1990年ごろから近畿や中国地方でも多く確認されるようになったという。
海外においてはタイなどの東南アジアで確認されているようだ。
6〜8月の夏の暖かい時期、一般的には7月中旬ごろまで活動している事が多いようで、平地から丘陵にかけてが生息地域。
広葉樹の生えた林の周辺で見られるが、街中や民家などでも生息が確認されているらしい。
木材に住み着いていたという情報もある。
ヒラズゲンセイは一見すると赤いクワガタムシのような印象を受けるが実際にはクワガタ科ではなくツチハンミョウ科の昆虫だという。
ツチハンミョウ科の昆虫の体や脚の関節から分泌する黄色い体液にはカンタリジンという有毒物質が含まれ、皮膚に付くと炎症を起こす事があるので触れないように注意する必要がある。
万が一、触ってしまった時の対応は、皮膚の表面に毒の体液がついているので、水でちゃんとしっかり洗うのが基本のようだ。
なぜ、「幻」という異名が付いているかというと、ヒラズゲンセイは生息数の少ない貴重な昆虫でもあるので県の準絶滅危惧種に指定され保護されている地域もあるからだ。
このような理由から現状では駆除したりせずにできるだけただ見守るという対応が推奨されている。
幸い、ヒラズゲンセイは毒を飛ばしたり人に向かってくるような事もないとされているので発見しても必要以上に警戒する必要はない。
私から見ると、毒々しい赤色なので知らなくても警戒してきっと触らないだろう。
昆虫図鑑より
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image