アメリカではすでに政府の債務が上限に達していて、財務省が臨時の資金繰り策を行うことで、国債の利子や元本が返せなくなるデフォルトを防いでいるのだが、早ければ6月1日にも財務省の資金が枯渇し、国債がデフォルトに陥るおそれがあるとの見通しを明らかにした。
バイデン政権が無条件での債務の上限引き上げを求めているのに対し、野党・共和党は上限引き上げを認める条件として大幅な政府の支出削減を求めている。
議会が債務の上限引き上げで合意できなければ、「アメリカの家庭に深刻な困難をもたらし、世界の指導者としてのアメリカの立場を傷つける」と警告し、バイデン政権は合意を急ぐように求めた。
ホワイトハウスによるとバイデン大統領は、事態打開に向けて、明日9日に協議を行うことを提案している。
米国はこれまでに一度も債務不履行に陥ったことがなく、その高い信頼性は世界の金融システムを支える柱となっている。
米国債は一般に「リスクフリー」の資産とみなされ、世界中で資本コストを決定づける要素になっているのだが、それでも現在のウォール街では、過去数年に幾度となく同じ危機を乗り越えたにもかかわらず、不安が頭をもたげ始めているのは事実だ。
今後の展開を見守りたい。
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