イギリス・ブリストル大学の研究者であるSetor Kunutsor氏らによると、片足で立つ姿勢を10秒間続けられない人は、その後の10年以内に死亡するリスクが非常に高いことが、最近の研究により判明したという。
筋力や柔軟性とは異なり、バランスを取る力は60歳ごろまでかなり良好なまま保たれるものの、その後急速に衰え始めるようなのだ。
Kunutsor氏らの研究チームは、体力や運動機能と死亡リスクとの関係を調べるためにデータを解析する研究を行った。
解析の対象となったのは、2009年2月〜2020年12月までの間に検査を受けた51〜75歳、平均年齢61歳の参加者1702人で、参加者の68%は男性、検査では、片足で10秒立つテストが実施された。
検査の結果、ほぼ5人に1人に当たる348人が、片足で10秒間立っていることができず、不合格者の割合は5年ごとにほぼ倍増しており、51〜55歳では約5%、56〜60歳では約8%、61〜65歳では約18%、66〜70歳では約37%、71〜75歳では約54%だった。
そして、検査から平均7年間の追跡期間中に亡くなった人は、対象者の7%に当たる123人で、主な死因の内訳は、がん32%、心血管疾患30%、呼吸器疾患9%、新型コロナウイルス感染症の合併症7%だという。
研究チームが、死亡者と片足立ちテストの結果を分析したところ、片足立ちが10秒間できた人の死亡率は4.5%だったのに対し、不合格だった人では17.5%と、13ポイントもの差がうまれた。
不合格だった人は全体的に健康状態が悪く、肥満・心臓病・高血圧・高脂血症の傾向があり、特に、不合格だった人が2型糖尿病だった割合は、合格だった人の3倍もあったという。
研究チームは、年齢・性別・基礎疾患を考慮して解析した結果から、「片足で10秒間立っていられないことは、それ以降の10年間に何らかの原因で死亡するリスクを84%高める」と結論付けた。
私は10秒以上片足で立っていられるが、右足の方に負荷がかかる。
これを読んでいる方は一度片足で10秒立っていられるか、やってみた方がいいだろう。
10秒以内なら84%の高確率で死亡する可能性がある。
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