このところ各地で頻繫に大きな地震が起こっている。
東京も23区内を震源とする直下型地震は、いつ発生してもおかしくない。
都内にはまだ大地震の震源地になりうる場所が複数あるからだ。
その震源となる可能性があるのが、大都市の地下にひっそりと眠る「隠れ断層」で、土木・建築工事などのボーリング調査のデータをもとに、また現地調査も行なった結果、地下の地盤にずれが存在すると考えられる場所がいくつも見つかっている。
東京都心直下の地震リスクが明らかになってきているのだ。
1995年の阪神・淡路大震災では阪神高速道路が倒壊しており、もし都内の首都高速道路が倒壊すれば地獄絵図となるだろう。
日本に迫っていると予測されている巨大災害なのが「南海トラフ地震」だが、政府の地震調査委員会は南海トラフ巨大地震の発生確率を「30年以内に70〜80%」と発表している。
京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏(火山学)はより具体的に「2035±5年で必ず起こる。南海トラフ巨大地震の震源域となり得るのは東海、東南海、南海の3エリアですが、その3エリアで巨大地震が連動する可能性があります。それは1707年の宝永地震以来の大災害です」と語っている。
それが本当ならば地震の規模は最大でM9.1、関東から九州までの広範囲で震度5弱以上の大揺れになるだろう。
さらに被害は地震と津波だけに留まらず、鎌田氏は「南海トラフ巨大地震が富士山噴火の引き金になる可能性がある。1707年、宝永地震の49日後に富士山は大噴火を起こしており、以来300年以上マグマが溜まり続けています。富士山直下のマグマ溜まりは東日本大震災で揺すられ、さらに南海トラフ巨大地震で強い揺れが加われば、泡立ったマグマが勢いよく噴出して大噴火に至ります。富士山は50〜100年間隔で噴火を繰り返してきた活火山です。前回の1707年の宝永噴火からすでに300年以上が経過しており、いまはいつ噴火してもおかしくない“スタンバイ状態”にある」と指摘した。
仮に南海トラフ地震の直後に富士山が噴火したら、日本はいったいどうなるのか。
研究者は南海トラフ地震の直後に富士山が噴火したシミューレーションを発表していた。
静岡県沖の南海トラフを震源とする、マグニチュード9.1の巨大地震が発生。
沿岸部では警報が鳴り響き、緊急放送が津波の接近を放送したが、地震発生からわずか4分後に津波が到着し、徐々に高さを増していく。
東日本大震災では最大で高さ16.7mの津波が発生し、甚大な被害をもたらすが、南海トラフ地震では、その2倍を超える34m級の巨大津波が予想されている。
静岡県では浜松市、静岡市、焼津市など、沿岸部の都市はほぼ全域が水没、県内だけで約32万棟が被害を受け、7万人以上の死者が出ると想定。
南海トラフ地震発生の数時間後、今度は首都圏が突き上げるような激しい揺れに襲われた。
南海トラフ地震と連動して、相模湾を震源とする相模トラフ地震が発動。
津波も発生して、東京湾に侵入、神奈川県の横浜市や川崎市、千葉県の海沿いにある工業地帯をのみ込み、沿岸にある石油タンクが激しい炎を上げて燃え上がり、その火が“津波火災”となって、沿岸部にある都市に引火、さらに水につかった車の電気系がショートして、ガソリンにも引火。
津波火災が連鎖して、街を破壊しながら奥へ奥へと“進撃”を続けることとなる。
南海トラフ地震によって、東京、名古屋、大阪をはじめとする都市機能は完全に麻痺、津波は太平洋側の西日本を襲い、新幹線や鉄道、高速道路などの交通網も寸断され、流通が完全にストップ。
電気や水道、ガスも復旧せず、災害援助物資さえなかなか届かない状態が続くこととなる。
数か月後、ようやく復興への動きが始まった矢先、追い打ちをかける大災害が発生、300年間マグマをため込んだ富士山の大噴火。
噴火と同時に火砕流が発生し、高温の火山灰が時速100kmの速さで周囲の街を襲う。
その後、900℃を超える真っ赤な溶岩流が、復旧作業中の山麓の街をのみ込み、一部は東名高速道路のルートをなぞるように流れ、神奈川県に向かう。
そして、火山灰が火力発電所のタービンに入り込んで、タービンを止め、それにより電力供給が完全にストップして、停電が発生。
精密機器に入れば誤作動を引き起こし、通信網などが使えなくなり上水道を汚して水が飲めなくなるうえ、下水道も詰まって使えなくなる。
交通網への影響も深刻で、仮に鉄道が復旧していても、レールの上に火山灰が1mm積もるだけで、鉄道は運行できない。
東京や千葉でも、2cm程度の火山灰が積もると予測されている。
火山灰がエンジンに入るとジェット機も飛ぶことができず、東海道新幹線や東名高速道路が寸断されていることに加え、飛行機も飛べなくなるので、物流と人の流れが完全にストップ。
火山灰は大量に降ると1か月くらい舞い上がっているので、火山灰を除去する作業が1か月以上も続くことになる予想だ。
火山灰が舞うなかで自衛隊のヘリも飛ぶことができず、復旧作業は一向に進まない。
そうこうしている間に、地震の揺れにも耐えた建物が、次々に倒壊するという問題が各地で発生し始め、隅田川が津波で氾濫し、東京の下町エリアも完全に水に沈んでしまった。
名城大学特任教授で海岸工学が専門の川崎浩司氏の話によると「静岡県では浜松市、静岡市、焼津市など、沿岸部の都市はほぼ全域が水没するとされています。県内だけで約32万棟が被害を受け、7万人以上の死者が出ると想定されています」という。
『日本沈没』で描かれたような惨劇が日本を襲う日は、すぐそこまで来ているのだろうか。
2021年12月10日
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