TBSウェザーセンター片山由紀子 気象予報士 の説明によると黄砂は、黄砂自体はそんなに悪い砂ではないという。
もともとは“ただの砂”が舞い上がって汚染物質が付着しているのだ。
中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの“細かい砂”です。これが偏西風にのって飛んできたものを「黄砂」といい、ただ、舞い上がって飛来する過程で、汚染物質などが付着していくため、健康被害などの面で近年話題になっている。
日本に飛んでくる黄砂の大きさは、かなり小さく花粉の大きさは30マイクロメートルほどだが、黄砂はその3分の1ほどで、だいたい10マイクロメートル、ただ、小さいものだと2,3マイクロメートルくらいのものもあるそうだ。
“春の風物詩”と言われていて、毎年3〜5月に飛来する。
特に多いのが4月で黄砂がジェット気流(偏西風)にのってくるようだが、それが日本列島の真上を通るのが3〜5月の時期。
実は、秋にも飛来するようだが、そのころには中国の砂漠地帯で雪が積り始めるので、砂が舞い上がりにくくなり量はわずかだという。
環境省によると影響は大きく分けて3つあり、一つが「呼吸器疾患」、黄砂が飛来すると、ぜんそくや肺炎などで子供では「病院などへの受診が増加」、大人では「救急搬送の増加」がみられて、肺炎による死亡との関連も報告されている。
また、「循環器疾患」というのもあり黄砂が来ると「脳梗塞」や「心筋梗塞」で入院したり、発症したりする人も増えるという報告もあるという。
「なんで、黄砂で脳梗塞や心筋梗塞が?」と思うが、環境省の資料でも、なぜ増えるのか、どのように関与しているかということは、今のところわかっていないとようで、いずれにしろ、基礎疾患のある人などは注意が必要だ。
最も多くの人に影響しそうなのがアレルギー症状だろう。
黄砂が飛来すると「目のかゆみ」や「鼻水」、「くしゃみ」、「皮膚などのアレルギー症状」を引き起こす人がいる。
さらにこの季節に心配なのが、「花粉症と黄砂のダブルパンチ」だ。
神奈川県立循環器呼吸器病センター・呼吸器内科の小松茂医師によると、黄砂は大陸から飛んでくる間に大気汚染やカビの一部、そして細菌などをくっつけてくるという。
そのため、すでに花粉症で炎症が起きているような人が黄砂を吸い込んでしまうと、より症状が強くなってしまう可能性があるそうだ。
また環境省は、黄砂の飛来中は「不要不急の外出は控える」「屋外での長時間の激しい運動を避ける」「窓の開閉を減らす」といった防御策を促している。
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