2020年02月05日
グローバルにエコナセイカツ、ベトナムで急ピッチな開発が進むフーコック島(Phú Quốc)美しいサンゴの生息環境はギリギリ。オーバーツーリズムが心配だ
フーコック島のサンゴの状態を比較観察してきました
ベトナムとカンボジアの国境を挟むフーコック島のサンゴの状態を観察してきました。5年ほど前にも行って、その時と比べてみました。当時はベトナム最後の秘境と言われていました。まだまだ素朴な景観が残っていました。もちろん今もそうは書いてありますが、秘境感はかなり薄れました。
実感としては、景観はきれいなのですが、海の中はサンゴにとって危険な状態でした。
空港が新しくなり、少し南部に移動
大きく違ったのは、空港が以前は島の中心に小さな飛行場があったのが、今は島の南部に大きな新空港ができて、空港施設も新しくなりました。大きなジェットが来れるようになり、観光客も格段に多くなっていました。旧空港は道兼広場となり、市場が開かれたり、車やバイクが通行できるようになっています。幅広い滑走路を走るのは気持ちがいいですよ。
ロシア語圏の人たちが大勢来ています
一番驚いたのは、ロシア語を話すロシア系の観光客が一番多く6割から8割ぐらいいるように感じました。確かにベトナム戦争当時は、ベトナムを支援したのはロシア(ソ連)でともに社会主義ですから、ロシア人はベトナムには思い入れがあるのだと思います。
レストランのメニューもロシア語のメニューが英語より多いほどです。前回来たときは、ヨーロッパ系が多かったのですが、ロシアは経済制裁を受けていても、エネルギー資源でロシアの経済状況が格段に良くなっていることがわかります。
ロシア系観光客が増えたのは、タイのプーケットでも感じましたが、ベトナムの場合はとりわけ多い感じがします。
レンタルバイクを借りてビーチの調査
島内では、レンタルバイクを借りて、スノーケリングの3点セットと、ウェットスーツ、ブーツ、ウェイトをもっていろいろビーチを探しました。島内の周回道路は舗装されていますが、ビーチに向かう道はどこも赤土の道で凸凹で注意して走ります。
ビーチは○○bayと書いてあります。mangobayとかGreenbayとかパブリックビーチがところどころにあります。
天然の海ブドウがありました
この西側のビーチも生態系に変化が見られます。海藻が異常に増えています。本来、サンゴ礁の海ですから、海藻は少ないはずですが、開発による土砂の流入などで、サンゴが弱り、さらに、人間の排水の富栄養化が進み、海藻の生きやすい環境に代わり、海藻が増えてきていると考えられます。また、サンゴの種類が減ってきていると感じます。特に弱い枝サンゴ系が少なくなっています。
ただ、今回はグリーンキャビアといわれる海ブドウの天然の群生を発見しました。皆さんは海ブドウがどのように生息しているか見たことがありますか?
マグネシウムや鉄分、カルシウム、ヨウ素、ヒアルロン酸、フコイダンも含まれていて、女性にはシミやそばかすを防ぐことで、もってこいの美容成分満載の食べ物で、プチプチとした触感も好まれます。
沖縄で食べた方も多いと思います。ただ、これも、サンゴ礁の動物性の海から、海藻の植物性の海への環境遷移が起こっているのかもしれません。とりあえず天然ものを食べました。
ロングビーチは南部までほとんどすべてのエリアが開発が進んでいます
ロングビーチは島の西側の長いビーチで白砂で夕日がとてもきれいです。しかし、今やロングビーチのほとんどの場所には巨大ホテル施設が立ち並び、大きな集合住宅の建設ラッシュで、そこら中に工事現場が存在します。
東側ビーチは漁師の生活のビーチが多い
一方東側にもビーチがありますが、漁師が集まっているところが多く、ビーチというより生活の場という感じで、見た目きれいとは言えないところが多いです。ボートが多く止めてあり、砂も白ではなく黒で海も生活の海というところが多いです。
北側には人気のヒトデビーチができていました。「starfishbeach」です
北側はカンボジアとの国境が海上にあり、すぐそばにカンボジアが見えます。北側には、ヒトデが多く生息している「starfishbeach」ヒトデビーチがあります。これは学名Protoreaster nodosusといういわゆるコブヒトデの仲間ではないかと思いますが、詳しくはわかりません。
このヒトデの異常繁殖は観光客に人気のようで、この場所に行くには国立公園エリアのジャングルに囲まれた赤土の道を走らなければならないのですが、ツアーの車やバスが凸凹の道を土煙を上げてたくさん来ます。
「オーバーツーリズム」が心配
「オーバーツーリズム」が心配です。こうやって、環境が破壊されていくのが手に取るようにわかります。生態系からいうと、ヒトデの異常繁殖はバランスが崩れている証拠です。ヒトデは肉食で貝を食べてしまいます。異常に増えている海は、生態系がバランスを崩しているわけで、観光資源としてヒトデ観光をさせていること自体、漁師たちは、枯れ果てた海を作り出しているといえると思います。
「starfishbeach」ヒトデビーチは、海外の観光客だけでなく、ベトナム人にとっても人気で、昔日本の湘南で海の家が乱立していた時のように、ビーチの前に海の家的な場所を作り、そこで、ベトナム人の大好きな鍋などを提供していて、浜辺には、有料ビーチチェアーを並べ、競って商売しています。これも、すぐに環境破壊が進むと思います。海だけでなく、途中のジャングルを切り開いた赤土の道も、観光による交通量が多いため、森が弱っていくでしょう。久しぶりのフーコックでしたが、いつまで自然が続くのかとても心配になりました。
オリンパスの水中デジカメ、タフ「TG-6」はスノーケリングにピッタリ
さて、今回はオリンパスの水中カメラ(OLYMPUS DIGITAL CAMERA)、タフを紹介します。現在シリーズはTG-6です。いろいろ水中カメラは試してきましたが、今のところ、これが一番おすすめです。おそらく小型防水デジカメで、いい写真を撮ろうとすると、皆さんこれに行き着くのではないかと思います。価格コムでもオリンパス Tough TG-6はランキング一番です。ほかのニコンや富士フイルムの機種が2万円台なのに、オリンパスは4万円台それでも人気一番です。
理由はレンズの明るさ高性能なF2.0レンズがついています。海中はともかく暗いので、レンズが明るいことが重要です。フラッシュをたけばいいじゃないかという人がいますが、水中に浮遊する、プランクトン類は多く、よほど透明度の良い海でないと、フラッシュをたくと浮遊物に反射してきれいに取れないのです。
また、マクロシステムが優れています。ご存じのように、水中では小さな生物を近くで写すことが多いのです。小さな生物やマクロの世界は撮ってみるとわかるのですが、とてもきれいで病みつきになります。これは、水中だけでなく、陸上でも昆虫などに使えますし、観察や研究用に使っても遜色ありません。私は、サンゴが好きなので、サンゴの状態を見るために、マクロ顕微鏡撮影で活用しています。サンゴのポリープも写ります。今回はヒトデの表面もマクロ顕微鏡でとってみました。結構きれいですよね。このカメラいいですよ、ぜひご購入ください。
スノーケリングの道具はこれらをそろえてください
さて、スノーケリングの勧めですが、私もダイブマスターなので、いままでスクーバではたくさん潜りましたが、最近はスクーバー潜水はほとんどやりません。スクーバは重機材が必要で、機材を運ぶボートや、車がないとポイントに行けません。環境負荷が大きく、自然環境を楽しみに行っているのに、環境に過剰な負荷を与えているのであまりお勧めしません。本当のナチュラルな海を楽しむためには、最低限の機材で、まだ汚されていないビーチの磯場を探すことに徹しています。
ウエットスーツはシーガルタイプ
スノーケリングのためには、ウェットスーツは必須だと思います。ビーチの左右にある磯場からのエントリーとなるので、寒さ対策ではなく、体を守るためと日焼け防止のため、ウエットスーツは必須です。WETのタイプは半袖で足は全部隠れる「シーガル」タイプが一番便利です。磯場で岩でケガをするのは足の部分が多く、ここを完全に守ったほうが安全です。
重たいがマイウェイトを持っていくのが便利
3ミリや2ミリのウェットスーツでも浮力は発生しますので、ウェイトは持参しなければなりません。ウェットを着ると薄くても浮力が発生します。私の場合は、体重にもよりますが、2キロのウェイトはもっていきます。現地ではウェイトだけ借りるわけにもいかないので、持っていくのが一番です。
フィンはAQAのショートフイン
そのためその分、フィンの重さを抑えることと、荷物を小さくするためAQAのショートフィンを持っていきます。これはとても便利です。小さくそれでいて粘りがあり、しっかり力を出せます。さすが、老舗のAQAの製品です。またこれは、沈みます。浮くフィンはなくさず便利そうですが、使えません。足が浮いてしまいます。
マスクは高いがやっぱり「マンティス」がいい
マスクはマンティスが一番日本人の顔に合っています。近視のかたは、レンズを入れ替えることができます。最近はトレーニングばやりで呼吸筋を鍛えるツールも出ています。肺活量を増やし、長く潜っていられるように体を鍛えましょう。
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