2013年06月17日
リート(REIT)の問題点
投稿者 株式トレーダーM
8959 野村不動産オフィスファンド投資法人が6月14日(金)に新投資口発行を発表しました
今回の募集投資口数は 62,730 口で現在の発行済投資口総数 305,123 口ですから20%を
超える大幅な希薄化です。
平成25年10月期の1口あたりの分配金も同時に発表して11300円→10000円に11.5%
の下方修正をしています。
1 口当たり純資産が約62万円なのにそれ以下で増資するディスカウント増資でもあります。
普通の上場会社でも20%の希薄化増資をすることはあるんですが、問題点が別にあります。
REIT(リート)はただの不動産の入れ物に過ぎません。
実際REITを運営しているのは、資産運用会社です。
REITの問題点は、資産運用会社と投資主(一般会社でいう株主)の利害が必ずしも一致
しない点です。
この資産運用会社と投資主との利益相反はREIT(リート)の根本的な欠陥です。
以前はもっと酷く、REIT(リート)は不動産の最終処分場といわれた時期もありました。
REIT(リート)に高値で不動産を買わせていると思われても仕方がないような値段で
REITに不動産を購入させている資産運用会社もありました。
最近は、REITの再編もすすんで、それほど醜い価格で不動産を購入させられること
はないのですが、このディスカウント増資だけはどうにも止められません。
長くなるので今回はこれ以上掘り下げませんが、REIT(リート)は構造的欠陥を抱
えています。
ところで数日前、法律の改正が成立しました。
リートの資金調達手段を多様化するため、自己投資口(企業の自社株に相当)の
取得やライツ・イシューと呼ぶ投資主割当増資を解禁するようです。
投資主割当増資は今のREITには朗報だと思います。
どんどん法律を変えて、改革しないと投資主は長期的には報われないこと
になりますのであえて今回この問題に触れてみました。
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