2023年04月28日
出生数が80万人を切っても問題ない。日本の人口は6,000万人でいい。
出生数が80万人を切ったんで、もう日本はなくなるとか、高齢者は集団自決しろとか、ほとんどあまり考えておられないんじゃないかなと思うような極端な議論だけが、今の日本では話題になって、まともな議論がほとんどないんですよね。
それでも政府は山ほど金を出すとなっちゃうんでね。それから高齢化の障害だとか少子化どうしろとか。それをもとに、山ほど議論するんでみんな間違っちゃうんですね。
きちっと目標を置いて考えよう。
私は理想的な着地点から考えるタイプなんですね。
で、今どういうふうにに考えるか。
今のままの人口でいい、1億2,000万、これでいいという考え方と、ちょっと多すぎるな、せめて諸外国並みがいいんじゃないか。ってなると、諸外国っていうのは、大きく2種類あるんですね。
フィンランドとかスウェーデンとかいった北欧の諸国。これいい、いいっていう人が多いもんですから。これは現在の20分の1。だいたい日本の人口で言えば600万とか700万とかの人口ですね。ちょっと少ないんじゃないかと思いますが、フィンランドとかスウェーデンなんかと同じようにしようと思ったら、それが理想形になりますね。
それから、ドイツとかイギリスぐらいでいいだろうってことになりますと、これは居住面積、可住面積あたりの人口になりますので、そのままですと山とか川とか湖なんか入りますもんですから、うまく理想形にならないんですね。だから可住面積あたりですと、だいたい6分の1ぐらいですから、日本の人口が2,000万人ぐらいということになりますね。
ですから1つはスウェーデン、フィンランド並みだったら500万人とか600万人、イギリス、ドイツぐらいだったらだいたい2,000万人。
それから明治の初め、明治少し経った頃の日本の人口は4,000万人ですので、まあそこら辺なるんでしょうね。
4,000万人にするか、それとも2,000万人にするか、6〜500万人にするかっていう3つの場合が、人口数としてはあるように思います。そうなると、今1億2,500万人もいるんで、一気に500万人というわけにも行かないから、第一目標としては、ヨーロッパ並っていうことで2,000万人。それもちょっと大げさだから、まあ明治の初めぐらいでいいやとなると4,000万人。ここら辺が第一目標になるでしょうね。
中間目標を置くとしたら、ちょうど今の半分、6,000万人。このくらいを中間目標にして、徐々に4,000万人に近づいていくっていうのがいいかもしれませんね。これはどういう日本に子供たち、孫たちが住めばいいかということを決めなきゃいけないんですね。
もう一つの意見は、イエール大学の先生(注、成田悠輔)が言われてる。経済学者は金のことだけなんでね。特にアメリカに住んでおられる経済学者ってほとんど金のことだけなんですが、高齢者は集団自決してもらうってやつがあってですね。これは実は私のところにかなり長い間、老人は死ねって言ってきた日本の普通の男性がおられるんですよ。ですからイエール大学の経済学者ばかりじゃなくて、そういう人も日本人にはいるんですね。
働かない人に対して腹が立つっていうか、そういう方がおられるようなんですが、果たして人間ってのは働くことがいいことなんですかね。
老人は死んでもらうとは、僕は少し言い過ぎじゃないかというふうに思うんですよ。やっぱり長寿で、それはまあ100歳がいいでしょうね。
今もうすでに50歳を超えた人の平均余命が50年を超えてますので、100歳人生になってるんですね、もうすでに。ですから、これから100歳人生を目指すんじゃなくて、もうすでに100歳人生になってるんで、それは認めようかというふうに思いますと、いわゆる通常の、今までっていうか平均年齢が50歳とかそういう時代のピラミッド式の人口分布、それから現在のようにだいたい台形になってますね。今年は80万人、幼稚園は100万人、それからお年寄りも100万人って長方形ですね。
私なんかは自分がどうだっていうんじゃなくて、そのまま生きて元気で100歳まで行くと。悪いことじゃないような気がするんですよね。
だって人間は、もう本当に体も動かない、頭もボケちゃったっていうんでしたらちょっと別ですけども、大半の人はご老人になってもはっきりしておられますしね。生きる楽しみっていうのもありますしね。若い頃は僕みたいに体が弱かったって人もいるし、忙しくてちょっとゆっくりする時間もなかったから、自分は人生で少しはゆっくりしたいって人もいますよね。
誰でも彼でもが馬車馬のように働かなきゃいけないってわけでもありませんからね。
その意味ではやはり100歳まで長方形というのがいいでしょうね。人口ピラミッドが、三角形の方がいいって方おられますけども、これは自分だけが生き残ると思ってるからなんですよ。実にこういう人と話してると面白くてね。「三角形が正常だ、老人が少ないのがいい」って言うからね、「そうですか。だけどこの三角形っていうのは、100歳までに半分死んじゃうんですけど、あなたは死ぬ方ですか、生きてる方ですか?」って言うと、ぎょっとしてね、もう答えなくなっちゃうんですね。
自分が生きてる方だって思ってるんですよ。そうすると年取って人数が少なくなった方がいい。ですから、ピラミッドがいいって言うんですけど、ピラミッドっていうのは、生きてる人にとっても、それほどいいことじゃないですよね。小学校の友達が、50歳の時にはちょうど半分になってますからね。三角形ですから、半分の高さのところの幅は1/2ですからね。友達は半分が死んで、半分になっちゃってるということですね。
ですから人生としては、少し侘しいかなっていう感じがしますよね。
その点ではもちろん今まで医療費をかけて、老人医療なんかも一所懸命やってきて、それでいろいろな老人の特有の健康障害なんかも克服してね、現在に至ってますから。
それから人間は、完全にピンピンコロリがまあ理想ですけど、ピンピンコロリってわけにもいかないんで、95歳ぐらいになったらね、少し足腰も弱くなり、頭も少しボケてきて、お亡くなりになるというのがいいんですね。これが人間に苦痛を与えないということですね。認知症とか、それから体力が弱ってくるっていうのは、人間が死ぬ時に大きな苦痛を味わわないためだというような研究者もいっぱいいますんでね。
したがって私は標準的に、0歳児で生まれて、ほとんどの方が100歳まで長寿を全うされる。できれば100歳でピンピンコロリ。一応そういうのをね、長い将来は別ですけども、今は一応目標はこういう目標じゃないかなと思うんで、三角形のピラミッドはちょっとね。
今から100年前の1920年にはですね、日本の平均寿命は男女ともに43歳でした。ですからこういう三角形で、一番上が60ぐらいでしたからね。それから見れば、やっぱり今の社会の方が私はいいような気がします。
平均寿命が43歳ってことはどういうことかっていうと、それでピラミッド型でしたから、二十歳ぐらいで半分死んでるんですよ。結核とかね。あの時戦争はなかったんで、病気ですけどね。ですからちょっと今の常識には反しますね。
したがって私はこれから少子高齢化を話すときは、人口は6,000万人ぐらい。それから寿命は100歳ぐらいまで生きる。平均寿命は90歳でもいいですけど、100歳ぐらいまで大多数の人が生きる。健康で生きる。そういう社会が日本としてはいいんじゃないか。私たちが子供たちとか孫たちに贈る社会としてはね。まさか老人は死んでもらう社会に住んでくれというのも、ちょっといけないので、この図では右側の長方形の方を念頭に置いて、日本の総人口が欧米の3倍。それでも3倍ですけどね。欧米の3倍、明治維新の中間ぐらいのところの1.5倍くらいが適当じゃないか。っていうのは日本の人口が増えた一つの原因は、戦争で産めや増やせやということだったので、女の人が一所懸命子供を産んだと。国のために子供を産んだということもありますんでね。
そういうことがない時代って言うと4,000万から6,000万ぐらいを念頭に、少子高齢化で今後どうしたらいいのかということを考えていきたいと思ってます。
武田邦彦 ヒバリクラブ
これも当たり前「少子高齢化はどうする?(2)日本の理想形」 令和5年3月15日
https://youtu.be/a4alOg9mEwk
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