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働きすぎな日本人 世界の労働時間

あなたは毎日何時間働いていますか?

経済協力開発機構(OECD)が世界29カ国に対し行った調査を元にした各国の平均労働時間のグラフです↓
HR Environmental Scan—Work hours around the world [infographic]

これは、世界29カ国での1日あたりの平均労働時間をランキング形式で表したもので、灰色のグラフが有償労働時間、青色のグラフが無償労働時間(家事や育児など)で、黄色のグラフは2つを合計したものです。

最下位はベルギーで、7.1時間。下位は、南アフリカ共和国以外ヨーロッパの国で占められています。
ヨーロッパでは、労働時間内に仕事を終わらせようとする意識の高さや有給休暇の多さが労働時間を低くしている要因でしょう。最近よく耳にするワークシェアリングも影響しているでしょうか。

一方、日本はというと、9時間で惜しくも?2位でした。
ただ、有償労働時間では断トツで1位で、無償労働時間は韓国に次いで、中国と同時間の2位。
日本では、夫婦共働きで共にフルタイム、もしくはどちらか一方がフルタイムで、もう一方がパートタイムで働いているというのが有償労働が長く無償労働が短いという結果になっていると思います。(韓国や中国についても同じだと思います。)


では、なぜ日本人は労働時間が長いのでしょうか。
素人ながらに考察したいと思います。

■日本人の時間当たりの生産能力が先進国で最低レベル

労働生産性(労働者1人1時間あたりの生産性)は、国内総生産(GDP)/就業者数×労働時間で求められます。
日本の労働生産性は、主要先進7カ国では最下位、経済協力開発機構(OECD)加盟33カ国中第22位で、アメリカの7割弱しかありません。

労働生産性の国際比較2010年版(公共財団法人 日本生産性本部)

仕事量を増やして時間をかけて生産するしかないという考え方の結果、仕事の効率が悪く、いつまでも同じ仕事をしているという現状があると思います。
でもこれは、個人の問題ではなく会社の問題だと思います。
効率よく仕事をこなして早く仕事を終わらせても次の仕事を与えられる。サービス残業をさせられるのが前提にあるから効率が悪くなり労働時間が増えるのではないでしょうか。
そして、残業しなければ白い目で見られる、クビにされるという恐怖もあり仕方なく働いているというのがあると思います。

■転職することの難しさ

今の仕事に苦痛を感じているなら転職するという選択肢もあると思います。
でもこれには問題があって、一つは、日本の転職市場は諸外国に比べかなり劣っていること。
一度リタイアしてしまったら他の企業に中途採用されるのは難しくなります。
欧米諸国ではリファレンス(前に勤めていた会社の上司や同僚に面接者の評判などを聞くことです。)が頻繁に行われていますが、日本ではあまり行われていません(外資系企業を除く)。
リファラレンスを積極的に行えば、もう少し転職しやすい環境になるような気がします。転職できないような環境を企業が作り出し、会社への拘束時間を無理やり増やしているのではないでしょうか。

もうひとつは、個人側の問題だと思います。
転職はしないまでも、アルバイトやパート勤務という選択肢もあると思います。
でも、親戚や近隣の住人からの体裁を気にしたり、収入が下がるという懸念から文句も言わず、会社の奴隷として働くことを選択してしまっていると思います。
 

結論としては、戦後なにもない時代は必死に働いて多くの物を生み出し、それに見合った報酬を受け取る。そこから経済が発展していき人々が安定志向になり、ある程度の収入があるなら労働時間が長くても仕方ないと思う人が増え、会社もそれをいいように使っているからではないでしょうか。

仕事すればするほど成果が出た時代から、効率よくいかに質のいいものを生み出すかという時代にシフトしたということを団塊世代の人たちは認識してほしいものです。
   
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