円覚寺(えんかくじ、琉球語:ウフティラ)は、沖縄県那覇市首里当蔵町(首里城北面)にかつて存在した臨済宗妙心寺派の仏教寺院。山号は天徳山。本尊は釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩の釈迦三尊。琉球王国における臨済宗の総本山であり、第二尚氏の香華院(菩提寺)とされた。
弘治5年(1492年)、尚真王が父尚円王の追福のため建立し、弘治7年(1494年)、京都の臨済宗僧芥隠禅師(かいんぜんじ)が開山した。鎌倉円覚寺にならって禅宗七堂伽藍を備え、戦前には総門、三門、仏殿など9件が旧国宝に指定されていたが、沖縄戦ですべて失われた。
歴史
第二尚氏の菩提寺として弘治7年(1494年)、第二尚氏王統の尚真王が亡父尚円王の冥福を祈って創建した。開基は京都の南禅寺から初めて琉球に臨済宗を伝えた芥隠承琥。鎌倉の円覚寺を模して造られ、同時に宗廟「御照堂」を建立したといわれ、山門外に放生池と放生橋を築造、寺前には円鑑池と経堂(のちの弁財天堂)が造られた。梵鐘は周防国(現代の防府市)で鋳造された。1495年製作で「鍛冶大工大和相秀」と刻印されており、当時は周防を支配していた大内氏と交流があった。
第二尚氏の支援を受けて繁栄し、寺前にある円鑑池では、中国からの冊封使を招いて宴が開かれるなど、琉球王朝史の中で極めて重要な位置を占めていた。毎年旧暦12月20日には、王国の安寧と国王の健康長寿を願い若水を奉納する儀式「美御水(ヌービー)の奉納祭」が行われ、国王が使者を辺戸(辺戸大川)に派遣して取水し、辺戸ノロが祈願をして同28日に円覚寺に保管。元日未明、王府に献上されていた。現在は、円覚寺総門前にて当時の儀式が再現されている。
弁財天堂と円鑑池
文化財
重要文化財
放生橋 - 室町時代、中国の石工の作になる石造桁橋。高欄に弘治戊午歳(弘治11年・1498年)の銘がある。沖縄返還後の昭和47年(1972年)、国の重要文化財に指定された。前後の参道、池周囲の石積・石畳が附(つけたり)指定となっている。現在は沖縄県の所有。
天女橋 - 円鑑池の弁財天堂に架けられた石橋。日本百名橋の一つで、国の重要文化財に指定されている。
梵鐘(旧円覚寺楼鐘)・梵鐘(旧円覚寺殿前鐘)・梵鐘(旧円覚寺殿中鐘) - 沖縄県立博物館・美術館に所在
アクセス
モノレール
沖縄都市モノレール線(ゆいレール)首里駅徒歩15分
路線バス
各路線の概要、経由地、運行本数等は、系統名の右のバス会社を参照。
県立芸大前バス停
8番(首里城下町線) 沖縄バス
首里城公園入口バス停
1番(首里識名線) 那覇バス
8番(首里城下町線) 沖縄バス
17番(石嶺線) 那覇バス
46番(糸満西原(鳥堀)線) 那覇バス
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11865103
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック