a.昨晩は蒸し暑くて寝苦しかったなあ、
b.完全に寝不足です、
a.ああ、それでもこの炎天下に自転車を転がしたいってか、根っからの自転車好きやな、
b.いや、誰もそんなこと、言うてませんが、
a.そうか、それほど行きたいならもう何も言わん、とりあえず最寄り駅のJR嵯峨嵐山駅から出陣いたせ、寝不足ゆえ、いつにもまして熱中症対策のアルカリイオン飲料を忘れるでないぞ、
b.2リットルで足りっかなあ、
a.あと1リットルのお茶と塩分を効かせたお弁当があれば、まずだいじょうぶ、
b.ほんじゃ、いずこへ参りやしょう、
a.JR嵯峨野線の下りで4駅目、並河駅からスタートじゃ、
b.して、カメラと自転車は、
a.キヤノンのパワーショットG7と、ミヤタの名作マウンテンバイク、リッジランナー1996年モデル、
b.日付は?
a.2008年8月3日、
b.しかし、いきなり何すか、ドアップな(=メチャ近くで写してる)この石碑、
a.並河駅の南に位置するここは亀岡運動公園、この一角にかつて南桑(ナンソウ)中学があった、その証(あかし=証拠)や、
b.石碑には「昭和24年、地域住民の血のにじむような勤労奉仕の末に校舎が完成した」とある、自分らで建てたんか、
a.さっき道の横に見えてたあの中学かあ、元はここに校舎があったと、
b.戦争が終わって、人々の気持ちが前向きになってる、そんな明るい勢いを感じますね、
「終戦の 村に手作り 校舎かな」、
a.犬飼(イヌカイ)川を渡ってさてどこに行こうかなあ、
b.行き先、決まってないんすか、
a.一応ルートは決めてるけど、けっこうきつい登りもあるから、もうちょっと体調を見てから決めよう、
b.青い田の向こうに立派な屋根と立派な樹木が、
a.「原田邸のセンダン」といって亀岡の名木らしい、
b.ありやした、記事と画像がウェブに詳(クワ)しく、それによると京都府で最大のセンダンやそうです、
http://www.tree-flower.jp/26/harada_sendan_561/haradatei_sendan.html
a.でかいセンダンは育つし、西国三十三所の穴太寺(アノウデラ)はあるし、出口王仁三郎(オニサブロウ)は生まれるし、この土地パワー有るんやなあ、
b.3か7で三つそろえばフィーバースタートですし、
a.なんの話をしとん、
b.で、犬飼川にそって林道へ向かうと、
a.それも涼しげで良いけど、今回は反対側、京都学園大学の方から桜峠を越えていこう、
b.そんな峠、地図にありませんけど、
a.与能(ヨノ)神社から細い道が山んなかへ、あると思うけどなあ、
b.ああ、これかなあ、峠の名前はないけど、
a.名前が載ってたり載ってなかったりなんで、そんでええ、
b.これがその与能(ヨノ)神社か、こじんまりしてるけど、風格ありますねえ、
a.「与能(ヨノ)」の「能」にかけてんのか、芸能関係の参拝も多いとか、
「芸能の 能はおそらく 与能(ヨノ)の能」、
b.舌噛みそうですが、亀岡盆地にひっそりたたずむ芸能ゆかりの神社、ミヤネさん、こちらからは以上です、
a.なんの話をしとん、
b.しかし、この桜峠、意外と快適ですね、木陰と小川でじゅうぶん涼しいし、坂もわりと穏やかで、
a.iPadの無料地図アプリ、マピオンで調べてみよう、神社が標高148m、桜峠が332m、ココから下って府道46号線に出た地点は273mか、下りはちょっとやな、
b.しかし、なんか歴史を感じさせる小道ですね、今じゃ誰(ダーレ)も来ないで苔生(コケム)してるけど、
a.霊感は無いけど、長い年月、何度も人が往来して、道に型が付いてるようや、
b.型(かた)ってどういうことすか、
a.たとえば、東海道や中山道はもっとハッキリしてて、道にスムーズな流れのようなもの染みついてるんや、
b.しみついた流れのようなもの、なんか不思議な感じがしますね、
a.言われてみればそうやなあ、いい具合にすり減って握りやすくなった木のグリップみたいな、そんなスムーズな感触を道に感じるんやもんなあ、
「涼やかに しっくりのぼろ 夏古道」、