a.さて、今回から西の岡というか向日丘陵っていうか、向日市(ムコウシ)の西のへりに広がる小高い丘をたずねてみよう、
b.さっそく道順ですが、
a.どう走っても同じ向日丘陵(ムコウキュウリョウ)やけど、より面白くするためには、まずこの古墳の裏手にあたる「はりこ池」から、
b.これって古墳なんか、ただの小山に見えるけど、
a.「五塚原(イツカハラ)古墳」って前方後円墳、そういえば、さっきおとずれた向日(ムコウ)神社となりの勝山公園にも古墳があったな、
五塚原古墳 http://www.city.muko.kyoto.jp/gaiyo/shi-isan-itsukahara.html
勝山公園の古墳 http://www.city.muko.kyoto.jp/gaiyo/shi-isan-inari.html
b.向日丘陵は古墳の丘なんやなあ、
a.プラス、これでもかと竹林が生(オ)いしげってる、
「竹林と古墳がつづく西の岡」、
b.しかし、この丘も過密ですね、地図でみると、ここから東に向かって道なりに住宅街、墓地、住宅街、市役所、図書館、文化資料館、すきまなく続いてる、
a.そんな中、知る人ぞ知る地域住民いこいの場が「はりこ池」や、
b.常連らしきオジサンたちが釣りしてますね、各人の場所まで決まってそうな感じや、なんかホッとすんなあ、古墳の森に囲まれて静かやし、高台にあるせいか、ため池特有の暗い感じがないし、
a.車止めを抜けて池のふちにそって小道を行こう、
b.ひさしぶりに舗装されてない土の道か、なんか新鮮やな、タイヤが小石を踏みしめていい音がする、
「土の道、都会のなかじゃ貴重品」、
a.住宅街からこの急坂をくだると府道207号線、通称、大原野(オオハラノ)道っていうクルマだらけの坂道なんで、少し下って慶昌寺(ケイショウイン)前のこの小道を北へ進もう、
b.コチラもさっき以上に住宅密集地やな、それにクルマとかすれちがえんのかなあ、こんな道幅で、
a.なんとか、ギリギリやってるようやなあ、
b.まっすぐゆるい下り坂になってるけど、このままっすか、
a.このままっす、で、突き当たりは、そこもお寺さん、
b.願成寺、ここも歴史のありそうな立派なお寺ですね、「がんせいじ」って読むんかなあ、
a.このお寺から西の岡へ登るこの小道を行こう、
b.おお、ここにも道があるんかい、縦横(ジュウオウ)無尽(ムジン)やな、
「向日町、縦横無尽の小道かな」、
a.はるか昔から人が住んでたからやなあ、まっすぐに見える道も長い歴史で微妙にカーブしてる、
b.と、いきなりスゴい坂とまるで近代的なマンションが目の前に現れやしたぜ、
a.ここからが新しい住宅街、山をくずして一気に作られたエリアや、
b.道もじゅうぶん広いし見通しもさっきとまるでちがうなあ、これが平成の新町か、
a.竹林があっという間につぶされて、一気に家が建ち始める、そのスピードに驚いた、
b.竹林が無くなるのは寂しいけど、これはこれで素晴らしい見晴らしですね、高台から嵯峨野の方がバッチリや、
a.でも、丘の上にも次々に家が建ってくから、この見晴らしも期間限定かもなあ、
b.ところで、だいぶ丘を登ってきましたが、竹林はまだなんすか、
a.家ばかりやったけど、もうそろそろや、その証拠になんか高級そうな竹が集まってるやろ、農家の倉庫に、
b.ホンマですねえ、お金持ちの家や料亭なんかで使うんやろなあ、
a.このすぐ先は御陵(ゴリョウ)で、平城京からここ長岡京へ都を移した桓武(カンム)天皇の奥さんが眠ってるらしい、
b.その先には広い墓地と小学校、例によって具だくさんやねえ、
a.だから毎日走っても飽きない、次々と色んな味がして、
b.この墓地からの眺めもいいっすねえ、南が一望できて、もしかしてあの遠くに見える山は、
a.空気の澄(ス)んだ日は、つまようじみたいな電波塔が印象的な生駒山(イコマヤマ・イコマサン)、
b.しかし、小学校と墓地ってなんか対照的な取り合わせやなあ、将来ある人々の箱と、生涯を終えた人々の箱・・・
a.うまいこと言うなあ、じゃあ墓地と小学校の間で見晴らしてるオレらはその中間にいてるわけか、
b.いや自転車は左側通行なんで、どっちかって言うとお墓寄りっす、
a.そうか、どうでもええけど、あんまうれしゅう(=あまりうれしく)ないなあ、
「50過ぎ、どっちか言うと、お墓寄り」、