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2018年01月06日

中野信子 貴乃花親方がいじめられ、小泉進次郎氏がいじめられない理由

NEWSポストセブン より

中野信子 貴乃花親方がいじめられ、小泉進次郎氏がいじめられない理由

いじめは大人の世界でも頻発している。 『ヒトは「いじめ」をやめられない』 を上梓した脳科学者の中野信子氏が 脳科学の観点から対策を説く。

猛獣と比べて 脆弱な肉体しかもたない人間が 地球上で生き残ってこられたのは、 集団を作って 高度な社会性を持ってきたからである。   この集団が存続するうえで もっとも脅威となるのは、 自分だけ楽をしたり、 集団に協力しなかったりする 「フリーライダー(タダ乗りする人)」だ。 放置すると集団が崩壊するので、 人間の脳には、 フリーライダーに制裁を加えて排除しようとする 「裏切り者検出モジュール」 という機能が備わっている。   人間の脳内では安心感を抱かせ、 やる気を出させるセロトニンという 神経伝達物質が分泌されているが、 日本人はセロトニンを再利用する セロトニントランスポーターの量が 少ない人が極めて多く、 世界一不安になりやすい民族といえる。 そのため、 「裏切り者検出モジュール」 の感度が高く、 フリーライダーとはいえない人までも 「将来的な不安の種」 と認識し、 過剰に排除してしまう。 これが「いじめ」のメカニズムだ。   いじめは 脳の機能で起きるものだから仕方ない などというつもりは毛頭ない。 メカニズムを知り、 それを対策に活かすことが重要だ。   いじめは大人の世界でも起きる。 昨年末、 世間を騒がせたあの“事件”はまさに いじめの構図だった。   横綱・日馬富士が平幕・貴ノ岩を 殴りケガを負わせた件で、 貴乃花親方が警察に被害届を出した際、 「横綱に対して失礼な態度をとった貴ノ岩も悪い」 「貴乃花は警察に届ける前に協会に報告すべきだった」 といった声が出て、 メディアも大きく取り上げた。 相撲フリークと呼ばれる人ほど、 貴乃花親方や貴ノ岩を批判していたのは象徴的だ。 角界を守るため、 秩序を乱す者を排除するという 「利他的懲罰」の面が強く出ていた。 しかし、 「暴力は良くないが、貴乃花のやり方も良くないよね」 というのは、 「いじめられる側にも問題がある」 というのと同じだ。 これを認めてしまうといじめはなくならない。 角界という特殊な世界だから そのような状況になったのではなく、 会社組織でも当たり前のようにいじめは起きる。   仲間意識の強い集団ほどいじめは起きやすく、 目立って、 集団から浮いた人が標的になりやすい。 よくあるのは、 「なんであいつだけ昇進できたのか」 「あいつだけ楽をしている」 「親が金持ちのお坊ちゃんだ」 などと周囲から思われる状況で、 集団の秩序を守るために 制裁を加えて排除すべきだというスイッチが入る。   こうしたいじめを回避する方法としては、 一つは、 誰にも手の届かないほどの存在になることだ。 青色LEDを開発した中村修二氏は 社内で研究に没頭できる環境を与えられ、 ある意味“特別扱い”だったのだろうが、 ノーベル賞を受賞し、 誰も批判できなくなった。   もう一つは、 致命的にならない程度に 自分の格好悪い姿や弱点をさらすことだ。 それにより、 相手の妬みを抑え、 秩序を乱す人間ではないという認識を誘導できる。 代議士の小泉進次郎氏は、 政治家一族の名門に生まれ、 容姿にも恵まれて 妬まれやすい立場にあるが、 自らを「客寄せパンダ」と敢えて認めてみせるなど、 周囲からの妬みを抑える努力をしている。 職場で活躍しようと思うならば、 同時に妬み対策も必要だ。 【PROFILE】なかの・のぶこ/1975年東京都生まれ。脳科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にてニューロスピン博士研究員として勤務後、帰国。現在、東日本国際大学特任教授。近著に『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書)。
日本人一人当たりの 生産性の低さには この セロトニントランスポーターの量が 少ない人が多いことが 関係しているのではないかと思うことが しばしばある。 会社などの 業務や人事の管理の仕組みや 監督官庁の管理の仕組みは 本当にそれ自体の機能が 安定的に働くためと言うより 安定的に働かなくなる不安を 回避することを 優先しているように 思えることが結構ある。 例えば 報告、連絡、相談も 本当に必要だと思い込んでいるが 実務上の必要と言うよりは 上司なり同僚が 安心するためであったりする場合が結構ある。 管理するためだと思っているが その管理は安心するためで 仕事そのもの管理とは ちょっと違ってしまっている場合がある。 もちろん全てがそうだとは言わない。 しかし本当に必要な管理は 普通考えられているよりははるかに少ない。 欧米の企業では それほどは 不安に立脚していないから 日本だったら 数人のチームで行うようなことでも 一人に任せられ 裁量の範囲も広い。 日本だったら 任せる本人の能力や 信頼度とは関係なく 安心するために 複数の人員のチームが作られる。 そして 不安は不安を呼ぶところがあって 不安を避けるために 入念な作業や 確認のための細やかな検証が 効率や生産性より大きく優先する。 確かに 海外では日本では考えられないような いい加減な仕組みが普通であったり 場合によっては 日本人は不愉快な思いをすることもある。 しかしそれでも 社会全体としては 十分に成り立って 機能していて 日本人よりもはるかに 楽しそうで充実した生活を送っていたりする。 脳の仕組みがそうなっているのだから しょうがないと言えば もちろん確かにそうなのだが 知らず知らずに 不安感を出発点とした極端なことに 陥ることには 冷静に客観的にブレーキをかけたい。 安心は日本人が考えるほどは 価値が高くはないのだろう。 いじめも安心への欲求から起こると言うことだから。 しかしその場合 考えに含めておかなくてはならない 重要なことは いじめをする人間は 必ずしは悪意ではないかもしれないと言うことだ。 むしろ 集団を思う善意だったり 英雄的なナルシシズムだったり 悪を行うと言うよりは 本人側では 善を行なっている意識が強いかもしれない。 だとすれば それは確かにいじめは なくならない。 なくならないどころか そもそも人は 善意で行なったことには 反省はないから 黙っていれば どんどん増えてゆく。 そしてもっと言えば いじめが強く禁止される場では 不安になる人が多くなることだって 十分あり得る。 そこまで考えると どうしたらいいかわからなくなってくるが 必要なことは 特に日本人は 不安であることに 無防備ではいけないと言うことだ。 不安な時に その感情に押し流されるのではなく 不安に思う必要がないことを 客観的に しっかり証明することを 考えるべきなのだろう。 認知行動療法のようなやり方も 有効かもしれない。


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2018年01月03日

きょうから始めるメンタル強化 脳を書き換える3つの思考法

Forbes より

きょうから始めるメンタル強化 脳を書き換える3つの思考法

自分自身に言い聞かせる言葉が、 厳しい批判や自己疑念、 悲観的な予想ばかりであれば、 目標の達成は難しくなってしまう。 だが、 そんな風に少し悲観的だったり、 自分に対して常に厳しかったりする人でも、 心の声に尻込みする必要はない。 健全な考え方をさせるよう、 自分の脳を鍛えることができる。 複数の研究によれば、 思考方法を変えることで、 脳の仕組みを 恒久的に書き換えることができることが 分かっている。 思考を切り替えることで、 感じ方が変わり、 行動も変わる。 自分のポテンシャルを最大限に引き出すには、 思考の変化が鍵となるのだ。

脳の仕組みを恒久的に書き換える方法

思考方法を変えれば生き方が改善できることは、 これまで研究によって一貫して示されてきた。 多くのセラピストが、 変化を長期的に持続させる目的で 認知行動療法(CBT)を採用しているのも これが理由だ。 認知行動療法士は、 有益でない思考や、 行き詰りの原因となっている 行動パターンを特定し、 切り替える方法を患者に指導する。 CBTは、 潜在的な問題を一時的に隠して 即座に気分を改善させるような治療とは異なる。 どの研究でも、 CBTにより 脳を物理的に変化させられるという結果が出ている。 この脳の変化は、 ニューロイメージング研究によって 確認されてきた。 以下に、そういった研究の例を幾つか紹介する。 ・2017年、 医学誌トランスレーショナル・サイカイエトリーに 発表された研究では、 統合失調症患者に対するCBTの効果を、 MRIを使用して確認した。 CBTを6か月間続けた結果、 患者の脳における扁桃体(情動反応をつかさどる部位)と 前頭前野(高度な思考をつかさどる部位)との間の 神経接続が強化されたことが判明している。 ・2016年、 同じくトランスレーショナル・サイカイエトリー誌に 発表された研究では、 社会不安障害のある人が 9週間のオンラインCBTを受けたところ、 扁桃体の灰白質容積と活動が 減少したと報告されている。 脳の変化を長期に持続させることは、 不安を抑える重要な要素だ。 ・2017年、 ニューロイメージ:クリニカル誌に発表された研究では、 認知機能を制御する脳の各部位と 扁桃体との神経接続が CBTによって強化されることが判明した。 CBTは、 うつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)により 調整不全に陥った情動プロセスを 改善する効果があると、 研究チームは結論づけている。 ほとんどの研究は、 精神疾患を抱えた人に対するCBTの効果を調べたものだが、 メンタルヘルスの問題が起きる前でも、 自分の思考を変えることで恩恵を得られる。 CBTでは、 思考を切り替えるためのさまざまな方法を指導する。 以下は、 思考を切り替えるよう 脳を鍛える3つの一般的な方法だ。

1. ポジティブな言葉を唱える

自分自身に悪態をつきたくなったり、 リスクを冒すことに 腰が引けてしまったりしても、 前向きな気持ちにさせるフレーズを 繰り返し唱えることで、 ネガティブな気持ちを 消し去ってくれる効果がある。 まず、 やる気を下げて尻込みさせてしまうような ネガティブな思考パターンを、 いろいろ挙げてみる。 そこからポジティブ思考にシフトするような 短いフレーズを考え出す。 例えば 「ベストを尽くせ」や「自信を持て」などと繰り返すと、 自分の気持ちを高め、 より積極的に行動できるようになる。 ポジティブなフレーズを繰り返すことで、 それまで自分に投げかけていた ネガティブなメッセージが消えていき、 次第に、言葉にしたことが 現実になると信じるようになる。

2. 有益でない思考を組み直す

「誰も自分とは話したがらない」とか 「自分が選ばれることなんてない」といった考えは、 役に立たないものだ。 実際、 ネガティブな予測は すぐに自己成就する予言になってしまう。 悲観的なできごとを予想したり、 新しいことへのチャレンジをしないように 自分自身を仕向けてしまったりする時は、 頭の中に浮かんだ考えを、 より有益な言葉で置き換えるとよい。 例えば、 「誰も自分を雇ってくれない」 などという考えが浮かんだら、 「一所懸命に職を探し続ければ、雇われるチャンスも広がる」 といった思考に切り替える。 あるいは、 「これは大失敗しそうだ」 と思ったら、 それを否定する証拠を探す。 すると、 「努力すれば成功のチャンスが広がる。とにかくベストを尽くせばよい」 というバランスの取れた考えに切り替えられる。

3. 脳は間違っていると証明する

人間は、脳がつくうそにだまされやすい。 「自分は昇進できないだろう」とか 「体重を5kg落とすなんて無理」と思ったら、 脳が間違っていることを証明してやろう。 「その挑戦、受けて立った」と自分に言い聞かせ、 自分の目標へ向かって努力しよう。 ネガティブな予想は正しいものではないと証明し、 思考を変えていくことで、 脳に違った思考をするよう鍛えられる。 時間が経つにつれ、 脳は自分自身のポテンシャルを 認識するようになるだろう。

「心の筋肉」をつける

ジムへ通って体を鍛えるように、 精神を鍛えることで脳を物理的に 変化させることができる。 しかし、 脳に違う考え方をさせるよう鍛えるには、 時間と努力が必要だ。 それでも次第に、 現実的思考は第二の天性となり得る。 思考の切り替えで 脳が鍛えられるにつれ、 気分も高まり、 最高のパフォーマンスを発揮できるようになるだろう。
認知行動療法と 自己啓発本などに書かれていることを 一緒にはしない方が良い。 また メンタルを強くすると言っても 強い意志とか努力とか根性とか そういう諸々の 感情から発する 「ねばならない」とか 「こうあるべき」とも あまり一緒にしない方が良い。 強いメンタルになろうとすると 頑張ることや 我慢することに結びつけやすいが それこそが改善すべき 感情の癖のようなものだ。 幸福の定義は 人それぞれで良い。 暖かな家族への愛に幸福を見出しても お金を儲けて 物欲に走るのも その人の自由だが 認知の偏りなどの 様々なバイアスや 精神のバランスがうまくいっていないと どんなに幸福な状況が生まれても それを幸福と受け取ることは 想像以上に難しい。 (それも経験してみないとわからない人も多いのだが) そして安定したメンタルが保たれると 何かにつけうまく行くことが 多くなって どんな状況(たとえ辛い状況でも)でも 幸福感を感じやすくなる人が多い。 つまり健全な状態だ。 そういったことが ほぼ「考え方の修正」でできるということ。 そしてその考え方の修正の継続で 脳を物理的に変化させていることだ。 マインドフルネスなどでも 脳そのものに 物理的な変化が起きていることが 報告されているが マインドフルネスに比べても 比較的論理性の強い 知的な方法をとる 認知行動療法で 脳の物理的変化が起こることは とても意外に感じる。 ソフトがハードを変化させるということなのだから。 しかしそれは 脳のことはわからないことが多い ということの一例なのだろう。 そもそも脳のことの全てを 脳が理解できるというのも変な話だ。 上の文章は 要点をよくかいつまんでいるものの 翻訳文であることと 要約しすぎなところがあって 実践にはもう数ステップが必要かもしれない。 ちなみにウィキペディアの「認知行動療法」の記載では 反対に丁寧すぎてわかりにくいと思われる方が 多いかもしれない。 しかしそのほかのサイトには わかりやすいものもある。 多少それぞれのサイトの目的に沿った形の記述ではあるが 参考になさっていただきたい。 この認知行動療法は、 うつ病、パニック障害、強迫性障害、 不眠症、薬物依存症、摂食障害、統合失調症など 様々な問題に対して しっかりとした科学的な根拠の上に 有効性が語られている。 それもすごいのだが もっとすごいことは 自分には問題が無いと感じている人にも 結構効果があることだ。 冷静に考えれば 不思議なことでは無い。 簡単に言えば 自分の脳に騙されない人はいない ということだ。 勘違いや思い込みの類は誰にでもあるし それを発端とした 意味不明な情動や不快感を 感じて非合理な行いに走ることは ことの大小を問わなければ 誰にでもある。 人は自分の脳に騙されやすいのだ。 騙されたことによる損害の大小は それぞれ大きく違うだろうが それにも一定の良い効果はある。


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2017年11月08日

キレる人を落ち着かせる"アドラー心理学"

PRESIDENT Online  より

キレる人を落ち着かせる"アドラー心理学"

いかに「二次感情」をおさえるか

「このハゲーッ!」。 テレビで繰り返し流された豊田真由子氏の罵声。 なぜここまで激しくキレてしまうのか。 アドラー心理学に詳しい岩井俊憲氏は 「劣等感が感情を爆発させてしまう」 と指摘する。 突然キレる人への対処法を解説しよう――。

職場で、家庭で、街中で、怒りが止まらない

「週刊新潮」の記事で報じられた 豊田真由子氏の「このハゲーッ!」 「ちーがーうーだーろーッ!!」 という元秘書への罵声。 その音声はテレビでも繰り返し流された。 豊田氏は一連の騒動により自民党を離党し、 今回の衆院選には無所属で出馬している。 あの罵声をはじめて聞いたときには、 異常な心理状態だと思えた。 だが、この状況、 意外とあるのではないか。 筆者の家庭では、 パソコンや電気機器の配線や操作を、 妻の私がほとんどやっている。 夫は機械とITが苦手な文系人間だ。 つい先日、 夫は大好きな歴史番組を録画するために、 DVDにHDDのデータをダビングして 空き容量をつくろうと、 リモコンを操作しては何度も失敗した。 教えるこちらはとにかくイラつく。 「まずDVDを初期化しなさいよっ」 「そのボタンは違う!」 「前もやったのに、何度言えばわかるんだよ〜ッ!」 ……豊田氏の気持ちが痛いほどわかる。 次に、 前に勤めていた職場の風景を思い出す。 数少ない女性営業マネジャーに抜擢された同僚は 優秀で、大手のクライアントを抱えていた。 連携する他部署に頼んだ仕事がうまくいかず、 相手がのらりくらりとかわしたとき、 オフィス中に響きわたる声で急に怒りを爆発させた。 「信じられないッ、 2回も同じミスをするなんてあり得ない!  お客さまになんて説明すればいいの!!」 職場が凍りついた。 キャリア女性だけではない。 部下のミスを怒鳴り散らす 切れ者男性上司は、 枚挙にいとまがない。 満員電車の中、 優先席で席を譲らない若者にキレ、 騒ぎ出す子供に怒り、 商品やサービスの欠陥を見つけては お客さま相談センターにクレームの電話を入れる。 キレる人は男女限らずいる。 家庭で、職場で、公共の場で、 怒りを爆発させるのは、 どんな心理メカニズムなのだろうか。

劣等感が災いして完璧主義と支配欲を生む

アドラー心理学を使った 研修やカウンセリングで 定評のある岩井俊憲氏 (ヒューマン・ギルド代表)は、 豊田氏の一連の心理状態をこう分析する。 「怒りというのは普通、 瞬発的に終わるものです。 しかし彼女の場合怒りは執拗(しつよう)に 続いています。 これが特徴その1。 2つ目の特徴は、 彼女は挫折知らずで 自分を追い込むタイプ。 その執拗さは劣等感の裏返しです」 桜蔭中高から東京大学法学部、 厚生労働省、 米ハーバード大学留学という エリートコースをたどった豊田氏だが、 記者会見では “完璧主義”“劣等感”を 匂わせるキーワードがあった。 「振り返れば、 自分はなんでも 完璧にやらなきゃいけないと ずっと思ってきて。 仕事も、 国会でも地元でも たぶんすごい抱えちゃっていて」 「私はもともと 自分にものすごく自信がなくて。 自己肯定感がめちゃめちゃ低くて、 なんでもすごくがんばらないと 自分はここにいちゃいけないという思いを 小さいころからずっと持っていて」 秘書への執拗な追及は、 何でも完璧にやらねばならないのに、 未達成な自分の劣等感の表れからくる、 というのだ。 はた目から見ると 劣等感なんか持つ必要がないキャリアだが、 「他者との比較ではなく 自分の掲げた、 あるいは親から期待されて 自分の中に勝手に内在化した劣等感」 というのが岩井氏の見立てだ。 さらに、 怒りの元には、別の感情がある。 その元は一次感情といい、 悲しみ、心配、落胆、寂しさなどが ベースに潜んでいる。 次にくる怒りは二次感情となり、 対人関係の中で発動する。 アドラー心理学によれば、 感情は、ある状況で、 特定の人(相手役)に、 ある目的(意図)をもって発動されるとする。 そして、 怒りの目的にあるのは、 大きく次の4つだ。 (1)支配 (2)主導権争いで優位に立つこと (3)権利擁護 (4)正義感の発揮 いずれの要素にも、 根底には 「〜しなければならない」 「〜べき」という信念がある。 キレながら お説教やクレームをまくし立てる 暴走老人に多いのは(4)のタイプである。 豊田氏の場合は 「予定通り業務をこなせず、 自分が傷つけられたと思い、 秘書の失敗に落胆しているのです。 それに対して怒りで表すと、 秘書としては なぜこんなにキレられるのかがわからない」 (岩井氏) 上司が支配や主導権を目的に、 理不尽な怒りを発動すれば、 傷つけられたと感じる部下は 「だったら私も反撃します」 というモードで復讐に至る。 豊田氏と秘書、 両者とも対人関係のトレーニングが できていなかったわけだ。

「このハゲーッ!」は相手へのリスペクト不足から出た言葉

また、 秘書への怒りはアドラー心理学の言葉で言うと 「リスペクト(尊敬)不足」 が招いたことだと岩井氏は指摘する。 エリートやワンマンな上司の中には、 「自分は上の立場だから、 秘書や部下は使用人、 上役に奉仕して当然」 という考え方をする人がいる。 リスペクト不足はいろんな局面に表れ、 組織では パワハラ、セクハラ、モラハラにつながる。 夫婦間のドメスティックバイオレンスや 子供に対する虐待もその一種。 リスペクトの対象なら 「このハゲーッ!」 は出なかったわけだ。 さらに、 支配的で利害感覚がものすごく強く、 カネ・モノ・人の注目を 徹底的に追求するタイプは “ゴー・ゲッター(go-getter)パーソナリティ” と言い、 やり手ではあるが 周りも傷つける 両刃の剣の持ち主である。 さらに岩井氏によると、 豊田氏は、 「タイプA」パーソナリティの典型だという。 AはAggressive(攻撃的)の意味があり、 性格面ではAccountable(責任感が強い)、 Ascending attack(上昇志向が強い)、 Ambitious(野心的)、 行動面では、Awful(せきたてられる)、 Active(行動的)、 Annoying(いらだちやすい)傾向だ。 こういう性質のタイプは、 循環器系の疾患になりやすいという 医師の研究がある。 心臓病にかかった 著名政治家や経営者の顔が思い浮かぶ。 それに対して温和なのんびり屋は タイプB(Being)といわれる。 忙しい議員やビジネスマンともなると、 スケジュールは分刻みになり、 前の予定が狂うと全てに影響してしまう。 絶えずせきたてられるように行動するが、 そういう状況は本人の気質が招いている部分もある。 「豊田氏の記者会見を見ると、 このスクープを最初に報じた週刊誌記者の質問を、 いきなり遮ってにらみながら バーッとしゃべり出しました。 本人も周りもくつろげない性格の人なんですよ。 急げ急げ病です」(岩井氏) 豊田氏のような上司は、 政治家だけでなく、 特にエリートに多い。 このような気質の人は、 失敗を非常に恐れる。 完璧主義者だから、 想定から外れる事態を恐れ、 自分を評価する相手を恐れ、 自分自身を恐れる。 恐れがせきたてる行動の原動力でもあり、 攻撃的になり、それが致命傷にもなる。

「秘書」はどんな行動を取るべきだったか

このようなタイプは、どうやって自分を律すればよかったのだろうか。 まず、 怒りそうだと感じとき、 二次感情の発動をいったん抑え、 「あなたにはがっかりしたわ」 「あなたのことを心配しているよ」 という、 一次感情の問題にフォーカスしながら、 やわらかく相手の立場から諭すことである。 こういう伝え方なら、 激しい感情を出さなくても、 部下に自省を促すことができる。 豊田氏の場合は 秘書のたび重なるミスで完全にわれを失い、 怒りが増幅して高揚し、 火に油を注ぐ状態だった。 こうなると、 「周囲が羽交い締めにするしか止める方法はない」(岩井氏)という。 そこで重要なのが、 部下、 この場合では「秘書」のとる行動だ。 例えば、 道を間違えたときは、 「車を止めてしまえばよかったんですよ。 そうすることで豊田氏が 目的地に行けなくなるわけですからね」と、 岩井氏は意外な策を提示する。 ミスが続いて相手が 怒りまくる非常事態だから、 秘書の立場もかなり危ない。 ここはなんとかしようと焦るよりも、 クビ覚悟で車を止め、 「これ以上怒ると、私にとって運転不可能です」 と思いきって言うことで、 その場の空気が変わる。 車を止められると豊田氏もさらに困るわけだが、 怒りが問題解決にならないことに気づき、 クールダウンするきっかけにもなる。 あるいは、 内部告発という最終手段に出る前に、 同僚と共闘することで、 事態を打開できることがある。 暴言に悩まされている同じ仲間3人くらいで囲み、 「先生、ちょっとお話があります。 これは先生のためを思って申し上げるのですが……」 と、問題を話し合う。 心理学ではコンフロンテーション(直面化)と言い、 ときには部下もそれをやらなくてはいけない。 部下ひとりでやらなくてはいけないときは、 かなりの覚悟の上で向き合うことが求められる。 岩井氏のもとを訪れる相談者の中に、 ある企業のミドルがいた。 その企業のトップは、 中興の祖と言われたやり手だったが、 怒りっぽく支配的で、 公私混同や違法行為を繰り返していた。 そのミドルが勇気を出して直言し、 さらに他の役員に根回ししても、 トップは改心せず、 最終的にそのミドルは コンプライアンス委員会に 違法行為を報告した。 結果そのトップは、 株主からの突き上げで 解任されたというから、 経営者が部下からの声に 真摯に耳を傾けることがいかに大事かわかる。 「基本は人のフィードバックを受けること。 友人でもいいし、 部下でもいい。 あるいは自分の尊敬する師匠や メンターを持つのも効果的。 偉くなっても謙虚でいるためには、 意見を言ってくれる存在を持つことです」 と岩井氏。 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」 ということわざがある。 上に立つ人ほど謙虚に聞けるようになること、 どんな立場の相手も、 一人の人間として尊敬の念を持つこと。 怒りの感情を抑え、 対人関係を円滑にして 良い結果を出すためのコツは、 仕事でも家庭でも ぜひ心しておきたいものだ。 岩井俊憲(いわい・としのり) ヒューマン・ギルド代表。1947年、栃木県生まれ。早稲田大学商学部卒。外資系企業に就職。85年ヒューマン・ギルド設立。中小企業診断士、上級教育カウンセラー、アドラー心理学カウンセリング指導者。カウンセリング、カウンセラー養成や公開講座を行うほか、企業・自治体・教育委員会・学校から招かれ、カウンセリング・マインド研修、勇気づけ研修、リーダーシップ研修や講演を行っている。主な著書に『人を育てるアドラー心理学』『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』などがある 。
「過ぎたるは及ばざるが如し」 は 意外なほど どんな分野にも 通用する。 頑張ることは 悪いことではないが 頑張りすぎることは 良いことではない。 思わぬトラブルに見舞われたり 対人関係で失敗したり 意外な苦しみが待っている。 また 何事であれ 我慢することが 必要な場面は 人生の至る所であるから 我慢が全くできなければ 社会生活に支障をきたす。 だから我慢することは 良いことで それが人にとって 必要な社会性だなどと 思ってしまい 我慢しすぎると どこかで爆発して 人生を破壊する。 学問的な明確な根拠はないが 頑張り過ぎと 我慢のし過ぎは うつ状態の人に 共通していると 感じられることが多い。 「がんばり」も 「がまん」も 適度に使って 必要がなくなれば やめればよいが それが 自分を守る道具になってしまうと 自分を傷つけ始める。 守る道具になると 傷つけるというのは皮肉だ。 豊田さんの場合 どうして劣等感を持つに至ったのか 親の期待なのか 兄弟の中での関係性から来るのか または 全く別の 本人の記憶にも残らないような 出来事があったのか とにかく 本人の かなり深い 私的な部分に属することだ。 ただ言えることは 客観的に見れば 全く劣等感を持つ必要のない 能力を持ってたり 社会的に高い立場にあっても 劣等感は存在することがあり その劣等感が その立場なり能力を維持していることは よくある。 その維持は本人にとっては 実は辛い。 多くは たくさんの「怒り」を 溜め込んでいるからだ。 その 怒りは 重いものを持ち続けているのと同じで 持ち続けるのは とても辛い。 どこか吐き出せる場所があれば 吐き出したい。 些細なことでも 怒る大義名分が成り立つ場があれば 一気に怒りを吐き出す。 周りは そんなことでなんでそんなに怒るのか わからず唖然とするか 異常な人だと感じるか どちらかで 豊田さんの場合は 後者だった。 詳しくはこちらも参照願いたい 極端に爽やかな人の中には サイコパスがいると言われるが 極端に真面目な人 極端に頑張る人 極端に我慢する人 には ちょっと 注意してみよう。 その注意はできれば 思いやりから出て来る 注意であって欲しい。 排除するだけでは 世の中にとって よいことはない。
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2017年10月29日

あなたは『嫌われる勇気』を誤解している

PRESIDENT Online より

あなたは『嫌われる勇気』を誤解している

「アドラー心理学」を解説し、世界中で350万部を越えるベストセラーになった『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)。その内容を「身勝手な振る舞いを勧めるもの」と解釈している人もいるようだが、著者の岸見一郎氏は「それは誤解です」と断言する。新著『アドラーをじっくり読む』(中公新書ラクレ)の内容を踏まえつつ、徹底解説してもらった――。

ベストセラーゆえ生まれた「誤解」

『嫌われる勇気』が 世の中の多くの人に読まれていることは、 とてもうれしいことです。 しかしながら、 一方で、気がかりなこともあります。 それは、 アドラー心理学に対する 誤解が広まっているのではないか―― ということです。 なかでも特に気になるのが、 「共同体への貢献」 という考えへの誤解です。 そもそも アドラー心理学は 非常にシンプルなので、 かえって誤解されやすい心理学です。 正しく理解するには、 3つの方法があると私は考えています。 それはすなわち、 対話形式でまとめられた本を読むこと、 質疑応答の形になった本を読むこと、 そして、 アドラーの原著にあたることです。 『嫌われる勇気』 『幸せになる勇気』 (いずれもダイヤモンド社) は、対話篇としてまとめたものです。 質疑応答については、 私は講演会でも長い時間を とることがあります。 SNSでのやりとりもしてきました。 しかし、 最後の原著にあたることは、 なかなか難しいものです。

原著がそもそも誤解されやすい

アドラー心理学が 誤解を受けやすい理由の一つが、 この原著の作り方にあります。 アドラーには多数の著書がありますが、 アドラーは書くことに あまり執着がなかったため、 その多くが「聞き書き」であり、 講演録を編集者がまとめたものが多いのです。 それゆえ、 原著といえども、 各章の問題のつながりが はっきりしなかったり、 重複していたりして、 必ずしも整合性がない箇所があります。 これではなかなか 正確な読み解きはできません。 ですので、 新著『アドラーをじっくり読む』では、 代表作をいくつか選んで、 概要を紹介しました。 実は、本書のタイトルを当初 『アドラーを正しく読む」 にしようという案もありました。 それくらい、 これまでアドラーの著作が 「正しく」読まれていない、 と痛感していたからなのですが、 まずは「じっくり」 読むことが必要だと思います。 もとより、 私の解釈なので、 私とはまったく 異なった読み方をする人は おられるでしょうが、 今後、原著を読む時の 「羅針盤」のような役割を 果たせたらと思います。

リーダーこそ間違いやすい

さて、冒頭に述べた 「共同体への貢献」 という観点で話を進めましょう。 アドラーのいう 「共同体」 とは、 どこかの会社、 学校やチームなど、 ただ一つの具体的な共同体に 限定されるものではありません。 これはアドラー理解のための 重要なポイントです。 さしあたって、 自分が属する 家族、学校、職場、社会、国家、人類であり、 過去・現在・未来のすべての人類、 さらには生きているものも 生きていないものも含めた この宇宙の全体を指しています。 しかしながら、 現在、経営者をはじめ 組織のリーダーが説明する 「貢献感」は以下のようなものに なってはいないでしょうか。 自身の経営する会社、 運営する組織といった固有の 「共同体」へ「貢献」する気持ちを 持つことが、 従業員や部下を幸せへと導く――。 貢献感を持つことは大切ですが、 リーダーがこのように 考えることは危険なことがあります。 なぜこのようなことを言うか、 説明しましょう。 アドラー心理学は 「使用の心理学」 といわれることがあるのですが、 その意味を誤解している人がいます。 この「使用」とは、 「アドラー心理学を使う」 という意味ではありません。 アドラー心理学の 教えはシンプルですが、 それが教える技法を使うと、 他者がみるみる変わることを知った人が、 アドラー心理学が 「使える」ことに驚くのです。 しかし、 「使用の心理学」 というのは そういう意味ではありません。 大切なことは 何が与えられたかではなく、 与えられたものをどう 「使う」かだということであり、 人は誰でも自分の生を 選びうるという意味なのです。 そもそも 人を操作するために、 アドラー心理学を使えると 考えることは、 正しい理解とは とても言えないのです。 ですから、 リーダーが共同体への貢献を語る時、 従業員や部下を貢献させようとしていないかに注意しなければなりません。

共同体とは「理想」のもの

「共同体」、 そして「共同体感覚」こそ、 自分が環境をどう捉えるかで 幸福になれるかどうかが決まるという、 アドラー心理学の 大切な概念です。 先述しましたが、 共同体とは、 具体的なある一つの共同体ではないのです。 あらゆる意味で垣根を越えた 「理想」の共同体であり、 一つの組織ではなく、 もっと大きな共同体に 所属していると感じていることが、 「共同体感覚」 ということです。 したがって、 共同体への貢献は 特定のある共同体への貢献にとどまりません。 理想主義者であるアドラーは、 それほど理想的な 「共同体感覚」 を求めていたのです。 共同体に所属する人の観点で言えば、 特定の組織や 誰かから承認されればいい というわけではなく、 常により大きな共同体の 利害を念頭に置いて 行動しなければなりませんし、 嫌われようと 何をしてもいい というようなことにも もちろんなりません。 共同体への貢献と言う時、 その貢献によって得られる 「貢献感」は、 決して他人から 押し付けられたものであってはいけません。 貢献感も、 共同体と同じくアドラー心理学の キーワードの一つです。 貢献感を持てば 自分に価値が感じられ、 自分に価値を感じられれば、 課題に取り組む勇気を持つことできる。 この貢献感は 自らの内側から得られるように ならなければ意味がありません。 つまり、 働くことでも、勉強でも、 老いた親への介護であっても、 自分が「貢献している」 という実感を持つことが大切なので、 貢献感は決して 他者から強いられたものであっては いけないのです。

会社という共同体をどう考えるか

アドラーが使う共同体という言葉は ドイツ語ではゲマインシャフトです。 これは ゲゼルシャフト と対比して使われます。 簡単に言うと、 ゲマインシャフトとは 家族や地縁といった共同体組織です。 ゲゼルシャフトとは、 会社をはじめとする 産業や文明での営みを前提とした、 人為的目的をもって 作られた機能的な共同体です。 この区別に従えば、会社組織は、 ゲゼルシャフトです。 しかしながら、 特に日本の企業は、組織への 「貢献」や「忠誠」や 家族的なつながりを求めた、 ゲマインシャフトのような ――あくまでも「のような」―― あり方を続けてきました。 ところで、先に見たように、 アドラーは、 共同体=ゲマインシャフトという言葉を 使っていますから、 会社組織という共同体も ゲマインシャフトになります。 これはどう解すればいいでしょうか。 私の父は 昭和ひと桁生まれの会社員でしたが、 父の会社では 元旦に社員一同が集まって 年頭の挨拶をする慣習がありました。 さすがに 今ではそんな会社はないでしょうが、 通勤電車でも 会社のバッジを付けていたり、 昼休みにも 社員証を下げていたりする人などは、 企業へ忠誠を誓い、 それによって 誇りを得ているのではないでしょうか。 過剰なまでの忠節を提供し、 人生を担保されているかのように見えます。

閉じられた組織は行き詰まる

新卒一括採用、 終身雇用の時代では、 会社へすべてをささげることが、 一つの人生のモデルだったのはたしかでしょう。 しかし、 会社という一つの共同体への貢献は、 それを失った途端に 人を空虚な存在にしてしまいます。 モーレツ社員だった サラリーマンが定年退職後に 行きどころを失ってしまうのも、 そのためです。 ところが、 アドラーがゲマインシャフト という言葉を使う時、 その意味は既存の共同体ではなく、 外へと広がっていく共同体です。 内部では一体感があるけれども、 外に対しては閉鎖的であるという 普通の意味での ゲマインシャフトではないのです。 生き方が多様化した今、 一つの共同体だけへの貢献は、 外部には 敵対的であることを助長し、 その意味でそのような貢献は 危険なものになります。 新卒採用でも、 会社に忠誠を誓う人材を選んでいては、 今後組織は 行き詰まってしまうのではないか と思います。 以前、 旅行代理店で 講演をしたことがありましたが、 その日は たまたま新入社員の 面接試験の日でした。 面接を待つ学生の中に、 アジアの民族衣装を着た人がいました。 その企業の社員と 講演後に話したところ、 「あの子はとらない」 と断言しました。 「奇をてらった人間はいらない」 ということです。 企業へどっぷりと 忠誠を誓う人間しか採用されない ――それでいいのでしょうか。

押し付けられた「貢献」にだまされてはいけない

共同体に貢献することは あくまでも自分の問題です。 組織のリーダーが 貢献感を 部下や従業員に持たせようとするのであれば 問題です。 残念なことに、 過重労働による自殺や、 病気についてのニュースが あとを絶ちません。 「死ぬくらいなら辞めればいい」 と言えば、 話はそんなに 簡単な問題でないと言われます。 特定の「共同体」へ貢献することが、 その人のすべてを作ってしまうという 日本人のキャリア形成の 構造的な問題が背景にあるからです。 リーダーが 恐怖に基づいて貢献を強いるのであれば、 それがおかしいことに 気づくことは 容易かもしれませんが、 話が厄介なのは、 部下に自発的に貢献するように 仕向けることがあるからです。 上司は言うのです。 「私はやれとは言ってない、 あくまでも部下が 自発的に貢献しようとしたのだ」と。 こうして、 自発的な貢献が押し付けられます。 職場で「貢献感」を強調することは、 「ブラック企業」 の論理に近づきます。 いわゆるブラック企業と呼ばれる会社が、 会社にとって都合のいい 「貢献感」を社員に押しつけている 現実があります。 新国立競技場の建設現場で 働いていた方が自殺した事件も とても痛ましいものです。 「東京オリンピック」へ ボランティアとして参加することを、 じつは巧みに 「上」から押し付けようとする働きが あることはとても正しいとは言えません。 巧みな貢献感の 強要に断固として、 自分の中から 湧き出る言葉で 反論できるようになってほしいと願っています。 そのために、 自分が所属する共同体を越えた、 もっと大きく普遍性のある 「共同体への貢献感」を見いだし、 一歩を踏み出すことが、 「幸せになる勇気」なのです。

「嫌われる勇気」を持とう

最後に、 「嫌われる勇気」 という言葉への誤解についても 触れておきましょう。 嫌われる勇気とは、 人のことを考えない嫌われ者が 「嫌われてもいい」 と身勝手に振る舞うことを 勧める言葉ではありませんし、 嫌われても言うべきことは 言わないといけないと、 他者に自分の考えを 押し付けることでもありません。 現実の人間関係への不安を抱え、 貢献感を持てないでいる人、 他人との関わりを恐れている人に 「嫌われることを恐れずに」、 幸せへと飛び出していくことを 後押しする言葉なのです。 その勇気はむしろ 部下の立場にある人こそ 持たなければなりません。 嫌われることを恐れ、 上司の間違いを指摘せず 反論しなくなれば、 組織は衰退していきます。
言い尽くされたことだが 「嫌われる勇気」 は確かに名著だ。 この本を 読めば読むほど 感じるが アドラーを説明して 解説して納得させることは 心理学者よりも 哲学者の方が適任だ。 それは アドラーの言葉の 誤解されやすさにある。 普通の人間が ドイツ語以外の言語で アドラーの本を読んでも 正確に解釈することは かなり 難しいのではないかと思う。 その意味で 哲学者で 心理学にも造詣の深い人物が 日本人にアドラーを紹介することは とても意義深い。 だから こういった 読者の反応に応じた 岸見さんの解説や補足は 非常に意味がある。
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2017年10月12日

アスペルガー 「男性のほとんどにその傾向ある」と心理学者

NEWSポストセブン  より

アスペルガー 「男性のほとんどにその傾向ある」と心理学者

発達障がいのある 児童生徒の人数は 全国で10万人に迫る勢いで、 増加傾向にあるという (平成28年度、文科省)。 別の調査では、 通常学級における自閉症 (アスペルガー含む)は1.1%、 ADHDは3.1%、 学習障がいは4.5%ともいわれる。 1クラス2〜3人の割合で在籍している計算だ。  心理学者の杉山崇さんは言う。 「子供時代は見過ごされ、 大人になって障がいに 気づく例も増えています。 一方で、 一昔前は“変わった人” と流されてきたような人に 診断名がついて、 増加しているように 見えている可能性もあります。 あくまで参考値として 見た方がいいかもしれません」  そもそも発達障がいとは、 部分的な併発もあるため、 線引きの難しい障がいだという。 「ADHDの人は 幼児期に発達する “新しい情報を吸収しよう” という脳分野が ずっと活動したままなので、 移り気な性質を持ちます。 一方アスペルガー障がいなど 自閉傾向の人は、 “課題を遂行しよう” という脳分野が過活動となって、 “周りの顔色をうかがう” という機能が 衰えている状態です。 実は男性のほとんどは アスペルガー障がいの傾向が あるといわれています」 寝食を忘れ、 何時間も集中。 エンジニア向きといわれるのは、 この特性のためだ。
無意味な怒りや憎しみを 回避できるという意味で 発達障害の知識は必要だ。 対人関係の苦労の中には 知識でかなり楽になれることがある。 この中で 面白いと思ったのは
実は男性のほとんどは アスペルガー障がいの傾向が あるといわれています」
というところ。 これは 男性社会では 当然のことで むしろ 仕事などの目的に集中して 目的達成を第一義とすることは 良いこととされる。 しかし 女性はそれを理解できない しかも 女性は理解できないことを 男性は知らない 知っていても 女性は理解できないことを 男性は理解できない。 そこから 色々なドラマが 始まることがある。 例えば 熟年離婚であれば 男性は “周りの顔色をうかがう” という機能が 衰えている状態だから 男性は女性の気持ちを 察しようとしない。 それは愛情のあるなしとは 全く関係ない。 だから 愛していれば 奥さんを幸せにしよう という目的には やたら従順で 高価なものをプレゼントしたり 積極的に旅行に行ったりする。 それを 相手の顔色を全く伺わずにする。 顔色と伺うというと 無理に迎合するような 少しネガティブなイメージがあるが 顔色を伺うという表現より 気持ちを察するという表現の方が 適切かもしれない。 自分の気持ちが 理解されることなしに 高価なプレゼントをもらっても 一緒に旅行に行っても 女性はそこに 愛情は感じない。 むしろ 自分が無視されている とか 認められていないと感じ 相手を独善的だと感じる。 そういう夫でも 仕事ができて それなりに いい父親でもあったりすれば それに耐えて 結婚とはこういうものだとか 周囲に言われて 我慢をして 数十年がすぎる。 ある時 子供も独立し 二人きりになって ふと我に帰る。 なぜ自分は 我慢し続けなければ ならないのかと 考える。 しかし 夫は 一生懸命 家族のこと 妻のこと を考えて生きて来たと思っている。 だから その時になって 離婚と言われても 何がなんだかわからない。 しかし子供達は 母親の気持ちを理解してたりする。 もちろん実際には たくさん 枝葉や尾ひれが つくわけだが 骨格の基礎部分は こんな感じ。 その観点で 男女の政権支持率の差を 見ると 安倍政権支持が 女性では男性より 10ポイントぐらい低いことも あまり不思議には思わない。 安倍首相の話し方や話す内容は 男社会では 評価されやすいが 女性には評価されにくい。 男性から見ると 真剣に課題に取り組み 目的に向かって一生懸命進み続けている。 しかし 女性からは 自分たちの気持ちや 様々な不安を察してくれない 一方通行の話として 受け取られやすい。 だから 「反安倍」 を唱える人を見ると 男性は 安倍晋三の能力や手腕と 張り合いたい人で 女性は 安倍晋三が感覚的に嫌いな人だ。 ちなみに 昭恵夫人は 夫を尊敬しているのだろうと思うが 男社会に合わせて適応しようと しているため 安倍首相にとって 本当に素晴らしい女性だと思うが 皮肉なことに 世の女性がどれだけ面倒臭いかを 安倍首相が実地に知る機会を 奪っているかもしれない。 また菅官房長官も 典型的な男社会型の人だ。 非常に物事を精密に捉え 私情を挟まず 的確な判断をする優れた人だが やはり 女性からは 理解され難いかもしれない。 会見の時 一回はニコッとすると イメージは かなり変わるかもしれない。 望月衣塑子が 手を上げた瞬間にニコッとしたら 天地が変わる。 安倍首相や菅官房長官が 少しだけ工夫することも 良いのだが もっと大切な 知るべきことは 女性が 「気持ちをわかってもらえた」 「気持ちが通じた」 と感じることは 女性の安心感や 健全なこころの状態にとって 良いことだが それは 問題解決とは ほぼ全く関係ない ということだ。 女性の集団は よく心を通じ合わせて 共に困難を乗り切ろう とするが その時 その困難という問題を 解決するということは 全く目指していない。 男性は心が通じることよりも 問題を解決することが 重要だ。 その心を察する力と 問題解決能力の両方を 兼ね備えているのが 小池百合子さんだろう。 その察する能力を感じさせるところ そして察することから生まれる発言は 多くの女性に安心感を与える。 しかし 小池さんの真価は 多角的な視座から生まれる 問題解決能力にある。
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2017年09月25日

"ながらスマホ"で子の芽を摘む気の毒な親

プレジデント Online  より

"ながらスマホ"で子の芽を摘む気の毒な親

東大に合格するような賢い子は、 親から「勉強しなさい」 と言われなくても自ら机に向かう。 なぜここまで違うのか。 今回、東大生179人にアンケートをした結果、 彼らの親の9割に 共通した習慣があることがわかった。 それこそが 自ら勉強する子に育てる秘訣だったのだ。 しかし、 一般の親はそれができない。 元凶のひとつは「スマートフォン」だ。 どういうことか。 詳しく解説しよう――。

「勉強しなさい」と言う代わりに親がした唯一の習慣とは?

「え、ウソ、そんな簡単なことだったのか!」 「たったそれだけ?  それで子供が賢くなるの?」 まさに目からウロコだった。 現在発売中の 『プレジデントFamily2017秋号』では 「東大生179人の小学生時代  『普通の子』が成績急上昇の秘密」 と題した特集のトップで 東京大学に通う学生に アンケートをしている。 編集・取材した自分たちが言うのは 誠におこがましいのだが、 今回だけは言わせてほしい。 この中身がめっぽう面白く、 驚きに満ちたものなのだ。 *発売中の『プレジデントFamily2017秋号』より。特集「東大生179人の小学生時代 『普通の子』が成績急上昇の秘密」で東京大学に通う学生にアンケート。その結果、彼らの親が子供の学力を伸ばすたった1つの共通した習慣を実践していることが判明。 東大生本人が どんな小学生時代を過ごしたかも 興味深いのだが、 それ以上に引き付けられるのは、 「彼らの親がどんな人物か」 がわかる部分だ。 今回のアンケートでは、 東大生の親には共通した 「1つの習慣」 があることが明らかになった。 それを親が実践すれば、 たちまち 「子供が自ら勉強する」という、 日本中の子供を持つ大人が 習得したいに違いない 魔法の習慣だ。 さて、どんな習慣か。 親が子に わかりやすく勉強を 教えてやることではない。 褒めてやることでもない。 教育費をかけて 良い学校や塾に通わせることでもない。 まったくお金もかからない。 「え、本当に?」と、 思わず疑いたくなるほど 誰にでもカンタンに できることだった。

▼脳科学者太鼓判「○○すると子供の学力は上がる」

多くの親は子供に手を焼く。 特に、勉強だ。 遊んでばかりで勉強しない。 本当は言いたくないが、 つい口に出てしまうのが 「勉強したの? 勉強しなさい!」。 子を持つ親として 自戒を込めて言わせていただくが、 気の毒である。 気持ちがわかりすぎて、つらい。 しかし、 これまで 東京大学に合格した学生の親たちに取材すると、 彼らはまるで 打ち合わせでもしかたのように 異口同音にこう語ったのだ。 「子供に『勉強しなさい』と 言ったことはありませんね」 「言わなくても、(ウチの子は) 勉強していました」 「読書に没頭して、 食事の時間にもやめないので困りました」 彼らは自慢しているわけではない。 それが「わが家では普通だった」 とありのままを述べているにすぎない。 「なぜ自ら勉強する子が育つのか?」 これは編集部の長年の疑問だった。 その疑問が今回の特集で解明された。 東北大学加齢医学研究所所長の 川島隆太教授に 東大生アンケートの監修を依頼し、 その結果を見てもらうと、 すぐさまこう太鼓判を押したのだ。 「東大生アンケートの結果には、 学力の源泉となる 親の行動がはっきりと示されています。 学力の高い子に育てるために、 何をすればいいか明らかです」 東大生の親が子供にしていた習慣は、 たった1つだった。 それが学力向上の源泉になった。 そう川島教授は断言するのだ。

「子供の話をしっかり聞く」たったそれだけができない親

学力の源泉となる、 たった1つの親の習慣。 それは 「子供の話をしっかり聞くこと」だ。 東大生に 小学生時代を振り返ってもらったアンケートでは、 「家の人にしっかり話を聞いてもらっていましたか?」 という項目がある。 これに対して、 実に東大生の90%がYESと答えた。 自由記述で答えてもらった、 「親子の会話のエピソード」 にはこんな実例が記されていた。 ●「母親と好きなパン屋さんの話をずっとしていた」(文科3類 女性) ●「いつも何気なくした聞いた質問を受け流さず答えてくれた」(理科2類 男性) ●「くだらない僕の空想の話を邪険に扱わず何度でも聞いてくれた」(理科1類 男性) ●「学校で何かあると、母親がいつも話を聞いてくれた。その話をよく覚えていてくれて、学校から帰ると『○○ちゃん、どうだった?』と気にかけてくれた」(教育学部 女性) ●「塾や学校で教わった新しい知識を披露すると、快く聞いてくれた」(理科1類 男性) ●「共通の趣味だったゲームの話をよくしたのを覚えています」(理学部 男性) ●「読書や料理、手芸が大好きだったのですが、私が黙々と作業している間は話しかけず、私が面白かった点やこだわった点について話すときは『すごいすごい』と聞いてくれました」(理科2類 女性) 川島隆太教授は、説明する。 「私の研究室が仙台市とともに行っている 『学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト』では、 仙台市に住む合計7万人の小中高生を 2010年から7年にわたって 追跡調査しています。 この解析から明らかになったのは 『家の人にしっかり話を聞いてもらった』 と答えた子は、 学力が上がるという真実。 膨大なデータが 強い因果関係を示しています。 東大生の親も、 子供の話をしっかり聞いてあげていた。 これが学力を上げる秘密なんです」

▼親に話を聞いてもらえた子供は「心が安定して“大化け”する」

なぜ、話を聞いてもらうと、 子供の学力が上がるのか?  そこには、 心の安定が大きく影響を与えているという。 川島教授は続ける。 「『話をしっかり聞いてもらえている』と 子供が答えたということは、 家族のコミュニケーションが きちんと取れているということです。 私は別の研究で コミュニケーションが 親子関係に どんな変化をもたらすのかも調べました。 すると、 当然のことですが、 親子の愛着関係が高まり、 子供の精神状態が安定しました。 こうした親子関係にある子供は、 家で安心して暮らしているから、 落ち着いて 勉強に取り組めるのです」 *川島教授によれば 「話を聞く」といった 家族のコミュニケーションが多いと、 子供の自主的な学習習慣などが形成され、 それによって 高い学力を備えられるという 因果関係がわかった。 親子の会話のエピソードを読むと、 東大生の親は 子供の話を しっかりと受け止めているのがわかる。 子供の言うことと聞き流したりせず、 おもしろがっているのが伝わってくる。 これは多くの親が 意外と実践できていないことかもしれない。 まず、 「家族のコミュニケーション」が 心の安定をもたらす。 これがスタートだ。 仙台市のデータでは、 「話をしっかり聞いてもらった」子供は、 「学習意欲」が 力強く育っていくことがわかっている。 学習意欲は、やがて 「自主的な学習習慣」につながり、 「高い学力」として結実する。 私たち編集部の東大生アンケートでも、 「勉強をして、新しいことを知るのが嬉しかった」が84%、 「知りたいことがあると、 じっとしていられないタイプだった」が73% など、 学習意欲に関する項目は 軒並み高い割合を示した。 だから、 東大生は子供の頃に 親から言われなくても 自ら勉強していたのだ。 今回の東大生アンケートでは、 子供の頃、 親が勉強を見たかどうかも聞いている。 結果は、 東大生の親の6割が勉強を見ていなかった。 「親のやるべきことは明らかです。 子供の話をしっかり聞いて、 安心させてやること。 それがもっとも 大切な親の仕事なのです」 (川島教授) 勉強に関わるのではなく、 日常のたわいない話・雑談に付き合う。 たったそれだけのことが 子供の心と頭を育てていたのだ。

"ながらスマホ"の親はどのように子供の芽を摘んでいるか?

編集担当者として川島教授の話を聞きながら、私はあることを思い出した。 学生時代に、心理療法の一つとしてカウンセリングを習った時のことだ。カウンセリングでは、悩みを抱える話し手に対して聞き手はアドバイスをしたりせず、途中、相手の言ったことを繰り返したり、相槌を打ったりしながら、ただひたすら話を聞く。それで果たして悩みが解決するのだろうか? と感じられるのだが実践してみると確かにしっかり聞くことができると、話し手が話す内容はどんどん前向きになっていった。 人は、話をしっかり聞いてもらえると、自分を受け入れてもらえたと安心する。すると、自ら悩みを解決できるようになっていく。人にはもともと自分で課題を解決したり、成長する力が備わったりするのだ。ただし、その力を発揮するには、誰かに全面的に受け入れてもらうことが必要だということなのだろう。 学力についても、きっと同じなのだと思う。 話をしっかり聞いてもらえた子は、学力が上がるという真実。これは子供には本来、高い学習意欲が備わっていることを示している。子供が小さかった時のことを思い出せば、納得できる。なんにでも目を輝かせ、失敗しても挑戦する。これが子供の本質だ。本来備わっている力が発揮されていないということは、受け止めてくれる存在がいなくて不安なのかもしれない。 おどかそうというわけではない。親は何も難しいことをしなくて大丈夫なのだ。ただ、話を聞いてあげればいい。あなたが楽しそうに話を聞いてあげるだけで、子供は満たされた気持ちになるのではないか。

▼忙しい忙しいと言いながら、スマホでゲームやLINEする親

さて 皆さんは 子供の話をしっかり聞いているだろうか? 私はこの取材のあと、 自分を振り返って反省した。 普段の子供との会話を思い出すと、 仕事から帰ってきて、 あわただしく料理しながら、 掃除しながら、 スマホでメールチェックしながら……という 「ながら聞き」が基本で、 適当に相槌してしまうことも多かった。 川島教授は 「スマホの登場が家族の時間を奪っています。 共働きが増えて、 お母さんは確かに忙しいのですが、 そのなかにスマホを眺めている時間が 組み込まれていたりします。 子供に向き合う時間にしてほしいです」 と話す。 本当に耳が痛かった。 そして、おそろしくなった。 スマホは大人にとって、 多忙な毎日の中でのオアシスだ。 リラックスできる 「ひとり時間」だ。 しかし、 「ながらスマホ」は わが子の人生をダメにしてしまうリスクもある。 そのことを肝に銘じたい。 今回の東大生アンケート記事では、 東大生の親が日常生活の忙しいなか、 「自宅のどんな場所で」 また「どんなタイミングで」 子供の話を聞いてあげたかなどについても 質問している。 また、 「最低限どのくらいの時間をかけて 会話をすべきか」を 川島教授にも伺っているいる。 さらに、 東大生のような 「高い学力」に 結び付けるための 大切な条件も紹介している。 どれも難しくない。 やろうと思えば、 誰でもすぐできる。 ぜひ、参考にしてほしい。 ▼東大生の親は「いつ」「どこで」子供の話に耳を傾けたのか? *東大生アンケートでは、 小学生時代、 自分の親がどのようにして 「子供の話を聞く工夫」を していたかも解析。 「いつ」「どこで」「どのように」 耳を傾けたのかといった 東大生の具体的な 証言は発売中の 『プレジデントFamily2017秋号』を お読みください。
子供に限らず 人を認めることは まさに「化ける」ほど 大きな可能性を 切り開く。 「承認欲求」という言葉があるが それは 人間のかなり深い本能的な部分に 結びついていて 認められることで 開かれる可能性は 計り知れないし 反対に 「自分は認められていない」 と「感じている」人の行動は 本人自身をも含め 多くを破壊する方向に力は向かう。 承認欲求については こちらも参照いただきたい。 その「人を認める」行為の もっともわかりやすいものが 相手の「話を聞く」ことだ。 これは 心理カウンセリングを 多少なりとも学べば (その専門の大学や専門機関で学ばなくても、ちょっとしたセミナーやワークショップであっても) 一定の理解はできる。 そして この「承認欲求」が 満たされたことによって、 次の段階である 「自己実現」の欲求に 繋がるのだから アンケート結果は なるほどと思わせる。 「聞く」ことは 難しいことではない。 しかし 習慣的にできない人は多い。 相手の会話を遮ってはいけないし、 あまり否定も肯定もしないで 相手の話そのものに耳を傾けることが望ましい。 そうすることで相手は 自分が受け入れられていると感じる。 認められたと感じる。 今まで 人の話を聞く習慣がなかった人は 多少こういったカウンセリングの 「基礎知識」を身につけた方が 良いかもしれない。 少しは「便利」だ。 しかし どちらにしても 実践の中での細かな試行錯誤が 必要なことには変わりはない。 人の話を聞く習慣のなかった人にとっては 聞くための一連の作業は 初めは多少面倒だと感じることが多いし また 相手を論破しようとする 義務感にかられる方も多いので 多少の忍耐力もプラスして 必要になるかもしれないが 様々な面白い気づきを与えてくれることも 覚えておいてほしい。 論破することよりも 共感することが たくさんの 新しい体験を与えてくれる。 記事の中からわかるもう一つのポイントは 東大に入ることも含めた 「自己実現」 と言えるような 「良い体験」をするとき、 その「良い体験」の元になるのは やはり「良い体験」だということ。 努力や頑張りなど「辛い体験」は 必要な時もあるし 必要ではない時もあるが どちらにしても それらは手段の一つであって ここでいう「元になる」体験ではない。 どうしても 世の中は 苦あれば楽あり 楽あれば苦あり という図式を作って 人をコントロールしようとする 傾向があるから 「良いこと」の元に 「良いこと」があるとはなかなか思えない。 しかし 本当に質の良い喜びや感動の体験は 必ずなんらかの形で 良いものや優れたものを 創造しようするエネルギーを作る。 そのことは かなり多くの人が 知っていることだが かなり多くの人が 日常生活では 忘れていることだ。 究極的なことを言えば 東大に入ることが その人の本質的な価値や 人格の高さを示す訳ではない。 単なる規準のクリアにすぎない。 しかし 東大生の中に 物質的なもの以上に 精神的に満たされた 幸せな子供時代を過ごすことができた人物が 多くいるということは確かなようだ。 それは 東大に入ること以上に 幸せなことだ。 Amazon 本 の 人気度ランキング より 過去24時間で最も売上が伸びた商品。 1. 141,353% 売れ筋ランキング: 124 (以前は 175,402) 悔しかったら、歳を取れ! ―わが反骨人生 (ゲーテビジネス新書) 野田 一夫 5つ星のうち 4.5 6 新書 ¥ 802 プライム 2. 58,913% 売れ筋ランキング: 245 (以前は 144,582) 乱流のホワイトハウス――トランプvs.オバマ 尾形 聡彦 5つ星のうち 4.8 4 単行本(ソフトカバー) ¥ 2,052 プライム 4. 21,999% 売れ筋ランキング: 163 (以前は 36,022) フランスの教育・子育てから学ぶ 人生に消しゴムを使わない生き方 岩本 麻奈 5つ星のうち 5.0 5 単行本(ソフトカバー) ¥ 1,728 プライム 6. 15,920% 売れ筋ランキング: 20 (以前は 3,204) 働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」 稲盛和夫 5つ星のうち 3.9 77 単行本 ¥ 1,512 プライム 8. 9,345% 売れ筋ランキング: 24 (以前は 2,267) 逆境の中で咲く花は美しい がん患者の救世主の生きる哲学 工藤 進英 単行本 ¥ 1,296 プライム 11. 8,360% 売れ筋ランキング: 131 (以前は 11,083) すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる 池内 紀 5つ星のうち 4.0 2 単行本 ¥ 1,080 プライム 12. 3,464% 売れ筋ランキング: 156 (以前は 5,560) 「1日1分」を続けなさい! 一生太らない神〞習慣 竹下 雄真 単行本 ¥ 1,512 プライム 13. 3,208% 売れ筋ランキング: 200 (以前は 6,616) プレヴェール詩集 (岩波文庫) ジャック・プレヴェール 5つ星のうち 5.0 1 文庫 ¥ 907 プライム 14. 2,257% 売れ筋ランキング: 7 (以前は 165) パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学 池谷 裕二 5つ星のうち 5.0 6 単行本 ¥ 1,728 プライム
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2017年08月26日

「独りの時間」を増やすべき7つの科学的根拠

	Forbes より

「独りの時間」を増やすべき7つの科学的根拠 私の心理療法所を訪れるクライアントは、 独りで過ごす時間を数分間持つよう提案されると 「忙し過ぎて自分の時間が持てない」 や 「じっとしていられない性分で。 充実していなきゃだめなんです」 などと返答することが多い。 だが、 詰め込み過ぎたスケジュールに 若干の独りの時間を挿入することは、 時間の無駄ではない。 忙しければ忙しいほど、 静かな時間を持つメリットは大きい。 独りの時間を持つメリットは、 多くの研究で示されている。 以下に、 その理由として 科学的に裏付けられている 事実のうちのほんの一部を紹介しよう。 1. 独りの時間は共感力を育てる 特定の友人や同僚の輪の中で過ごしていると、 人々を「仲間」と「他者」に分ける考え方が 身についてしまう。 独りで時間を過ごすことで、 「内輪」でない人に対して 共感の気持ちを持てるようになる。 2. 独りの時間は生産性を高める 米国では最近、 コミュニケーションが取りやすいようにと オープンオフィスが多く採用されるようになったが、 人に囲まれていると生産性が失われるという 研究結果が出ている。 少しプライバシーがある方が、 人はより高い生産性を発揮する。 3. 独りの時間は創造性を開花させる 作家や芸術家の多くが 森の中の小屋や 個人用の仕事場での作業を好むのには理由がある。 独りで考えをめぐらせると、 脳がさまざまなに方向に動き、 結果として創造力が増すのだ。 4. 独りの時間で精神を強化できる 社会的な生き物である人間にとっては、 他の人たちと強いつながりを 持つことは重要だ。 しかし、 孤独も同じくらい重要かもしれない。 研究によると、 孤独な時間に耐える能力は、 幸福感の増幅、生活満足度の向上、 ストレス管理の改善に結びついている。 独りの時間を楽しむ人は、 憂鬱な気分になることが比較的少ない。 5. 独りで過ごすと子供の問題行動が減ることも 親が独りで過ごす時間を作れば、 子供に対して独りで過ごすことは 健全なのだと示せる。 研究では、 独りで過ごすことを学んだ子供は、 他の子供よりも 行儀良く振る舞えることが示されている。 親が手本となって、 早いうちから子供に 独りで過ごすスキルを教えよう。 6. 独りの時間で自分の人生設計ができる 大半の人は、 結婚式や休暇の計画を立てることに 多くの時間を費やすが、 人生を最大限に活用するための計画には 時間を費やさない。 独りの時間を持つことで、 日々せわしなく頑張っている目的を 確かめる機会となる。 静かな空間は、 自分の目標、進捗、 遂げたい変化について 考える機会を与えてくれる。 7. 独りで過ごすと自分自身を知れる 独りで過ごす時間を持つことで、 ありのままの自分を受け入れやすくなる。 独りの時は、 周りの影響なしに物事を判断できる。 それにより、 自分がどのような人間であるのか がより見えるようになる。 積極的に独りの時間を作ろう 先週、 私にこう言った人がいた。 「自分は独りで過ごしても全く問題ない。 むしろ、 独りの時間がすごく欲しい。 よく、無人島で過ごせたらいいのにと夢見ている」 もしあなたも無人島生活を夢見ているなら、 おそらく独りの時間を 十分日常に取り込めてないのだろう。 毎日、 独りで自分の思いにふける時間を作ろう。 1日10分でも効果がある。 電子機器の音を切り、 しばらくの間、思いを巡らせよう。 独りになることに慣れていない場合、 最初は苦痛かもしれない。 だが、 自分のための静かな時を持つことは、 最高の自分になるための鍵かもしれない。
語るほど簡単に作れないのが 1人の時間だ。 家族がいてもいなくても 案外難しい。 また さらに難しいのは 物理的には1人でいても 心の中まで1人には なりにくいことだ。 単純に 物事を客観的に 冷静に 眺めることも、 一つの問題に集中して 解決策を 数種のシュミレーションから 比較するときも 1人でいることは 大きな役割を果たす。 また、それだけではなく、 特に男性は 1人で精神を内向きにしている状態が 疲れからの回復を促す。 女性が ストレスを解消するには 暖かい雰囲気で親しい人との会話が 必要だが、 男性は正反対で 1人で内向化する必要がある。 これは男性であれば誰でも 経験的にわかっていることだが 女性にはなかなか理解できない。 だから、男性は家を新築するとき 書斎を作りたがる。 女性は反対したがる。 上の文に述べられた「効用」も 事実だが、 まず、 時々はしっかり自分自身に向き合うという意味でも 1人の時間は良いものだ。


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2017年08月22日

「エリート」も多いアスペルガー

アスペルガーはまず知識で理解することが
お互いにとってプラスだ。


夫婦関係と発達障害(中)「エリート」も多いアスペルガー

――最近、 大人になってから アスペルガー症候群であることに気付いた 「大人の発達障害」 が注目されるようになりました。 増えているのでしょうか?  「絶対数が増えているというよりも、 日本の家族や社会のあり方が変化し、 見えやすくなってきたのだと思います。 昔のようにお父さんは仕事ばかりして、 遊ぶのも外で、 ろくに家にいないし、 家族のことは妻に任せきり。 妻は妻で女同士で過ごしていて、 男女7歳にして席を同じくせずという環境であれば、 アスペルガー症候群の人は目立ちません。 しかし、 コミュニケーション能力が ずっと問われるようになった今は、 空気が読めない人は「KY」と言われ、 仕事ばかりではなく、 『お父さんも育児を』 となれば様々な役割を演じなくてはならず、 アスペルガーの人の問題が 様々なところで見えてきます。 今日、私の診療に来た女性は、 アスペルガーと診断されたのが20歳です。 同窓会で同級生の非言語のメッセージが読めずに、 学生時代に好きだった人の自宅に連れて行かれて、 望まない性行為をさせられてしまい、 統合失調症のような状態を発症してしまいました。 その女性の母親に話を聞くと、 『夫は自分や娘の気持ちを全くわかってくれない。 自分勝手』 という話をしていました。 昔ながらの厳格な家庭を守っている人って、 たいていエリートですから、 そういう中にたくさんアスペルガーの人が隠れていますよ」  ――パートナーが対処する方法はありますか?  「距離を持たないといけませんね。 ある人のだんなさんは予備校の人気講師で、 年収が数千万円ということでしたが、 やはりアスペルガーでした。 その奧さんは、 『私はうちの夫に、 息子をどういう風に遊ばせればいいかを伝える場合、 すべてストーリー仕立てで書く。 夫がその通りにしてくれたときには、 彼が好きなコーヒーをいれてあげると、 嬉うれしそうに飲むんです』 と工夫を話してくれました。 してほしいことを具体的に伝えて、 ご褒美を上手に与える ということでうまく回しているのですね」  ――アスペルガーの多くは男性ということですが、 男性本人はどのようにしてパートナーシップを築けばいいのでしょうか?  「まず、 お母さんの育て方が大事になってきますね。 例えば、思春期になって、 いいと思う女の子ができる頃から、 女性はどういう生き物で、 こういう風に男性に接してもらえると 嬉しいのよということを パターン的に教え込むことです。 こういう付き合い方をしなさい、 こういうことはしてはいけませんと教え込めば、 それを覚えて、実行するようになります」  ――それ以外はできないのですかね? 応用力は身に着けられませんか?  「でも、 1人の人間がそれだけできれば十分でしょう?」  ――確かに。一般の男性だって、 「女心がわからない」 と言っている人多いですものね。  「それとお母さんが、 いずれ、あなたはこの家族から離れていくのよ ということを息子に教え込まなくてはいけません。 お母さんと息子という世界が、 結婚しても続くと考えてはいけない。 これは一般の男性でも言えることですけれどもね」  ――いわゆるマザコン的な感じでしょうか?  「そうそう。 マザコンの中にもかなりそういう人がいます。 健康な子どもは外で友達と遊んだり、 スポーツに専念したりして 自分から距離を取って行きます。 そうならない子どもの場合、 母親は、 だんだん自分から距離を取っていくのがいいです。 具体的には、 12歳になったら、 あんたは男で、お母さんは女なんだから、 前腕の長さ以上の距離を置く ということを伝える。 12歳までは一緒にお風呂に入ろうが、 一緒に寝ようがOK。 でも12歳過ぎたら、 お母さんとの距離を保つ。 お風呂に入るのも一緒に寝るのもだめ。 男の子にとって、 お母さんは 昔おっぱいを吸っているわけですから、 アスペルガーの人は、 高校生になっても お母さんのおっぱいを 吸っていることを おかしいと感じないんです」 ――それは困りましたね。  「もう一つ問題なのは、 お母さんは 急に自分の息子が 男になったのに気付いて、 遠ざけることがあります。 すると、 昨日まで 僕のことを抱っこしてくれていたお母さんが 急に僕を避けるということで、 アスペルガーの男の子は 理由がわからなくて混乱するわけです。 一般的な子どもは、 ほかの子どもとグループを作って、 お母さんと徐々に距離ができていく。 そして今度は彼女ができるわけでしょう。 彼女ができない男だと うちにいるしかありません。 アスペルガーの家庭だと、 たいていお父さんは家にいませんから、 お母さん自身も寂しくて、 息子とくっついてしまいます」  ――共に依存してしまうわけですね。  「そうです。 その息子とくっついている時に、 ある日男になっていることに気づき、 遠ざける。 すると、 子どもはお母さんに 暴力を振るうこともあります。 また、お母さんは、 生理的なことを性的なことと勘違いして、 自分が何とかしてあげなくてはと 処理してあげてしまうこともあるのです。 夫は家庭に不在で コミュニケーションも取れませんから、 だんなに どうにか教えてあげてね ということもできないのです。 アスペルガーの男性は、 自分がこっそりやっていることを 人に見られるのを嫌います。 私が診ていた患者さんもそうですが、 おしっこをするところをお父さんが 人に見られるのがいやだからと、 お母さんが立って教えてあげたそうです」  「もう一つの問題は、 男の子にとって、 父親と母親は いつまでも父親と母親なんです。 女の子にとっては、 父母は未来の夫婦像なんです。 男の子の方は、 結婚して自分が夫として 生活を作っていくということを考えない。 未来を想像できないのです。 どういう家庭を作るのか、 自分の家族で学んでいないのです。 だからこそですが、 母親と娘の関係はややこしいこともあります」  ――女の子のアスペルガーの場合は、どのように対処ができますか?  「極端なことを言えば、 戦前の女性教育です。 男女7歳にして席を同じくせずですよ。 セックスは結婚するまでいけません。 何か男性に性的なことを言われたら、 家に電話して相談しなさいと教え込む。 私が診ていたある女の子は、 好きであることとセックスすることの違いが まったくわかりませんでした。 13歳の女の子が、 付き合っていた同じ年の子どもと 性的な関係を持ってしまいました。 相手が裏で 悪いことを考えているということが 想像できないのです。 町を歩いていたアスペルガーのある子が、 『お嬢さん、 すごく汗をかいていますね。 それじゃ体に悪いから、 シャワーを浴びた方が いいのではないですか?』 と言われて、 ついていってしまった ということもありました。 ですから、 そういうことを 親は一つ一つ教えなくちゃいけないのです。 男女の関係は ほとんど 非言語のコミュニケーションで成り立っています。 理解するのが アスペルガーの人は苦手なのです。 一般の人のように、 裏にある意図を読めて、 逃れるコツを知っているなら大丈夫ですが、 デートをして 『あなた今日は疲れているでしょう。 何もしないから今晩泊まりなさい』 と言われて信じてしまうのが アスペルガーの女性です。 だから、 親が必ず報告しなさいと 戦前の厳格な親のように 振る舞う必要があるのです」  ――親は早期発見して、 早めに対処した方が、 本人も生きやすくなるのでしょうけれども、 アスペルガー症候群を 早めに気付くポイントは あるのでしょうか?  「女性の場合は、 思春期に身体不調が 強く出やすいですね。 女性の場合、 思春期に女性ホルモンが出て、 体形が変わり、生理が始まるわけですが、 その変化が余計強く起きます。 眠くてつらい。 学校に行けないという人に多いです。 また、 感情と身体の間に 結びつきがないのも特徴です。 ある男のところに行くと、 心臓がドキドキするので、 私は心臓が悪いのだと思います なんて言います。 ある人は、 おじいちゃんが死んだら、 目から水が出る。 お母さんも目から水が出ている。 なぜ?と聞きます。 それが悲しいという気持ちで、 その水は涙なんですよと説明して 初めて結びつきます。 また、ガールズトークができない。 それが一番発見しやすいかな」  「それから 結婚前に男性に 性的に望まぬことをされたという人に多いです。 女性の場合は、 基本的にほかの人の目を気にしないから、 スカートが極端に短い人が多いのです。 これが10代前半ならおかしくないですが、 18、19歳だとおかしいでしょう?  私の診ていた人で水商売に行った人がいますが、 『私は水商売に入って初めて、 働く喜びを得ました』 と言うのです。 おじさんたちが あなたはよく笑って かわいいねとちやほやしてくれる。 それはもちろん、 距離感がないからです。 ベターとくっつくから、男が喜ぶんです。 でも、 話すと面白くないから、 その人気は長く続かないですね」  ――男性の場合は、何が早期発見の決め手ですか?  「男の子の場合はやはり、 こだわりですね。 電車ばかりに没頭するとかですね。 男女両方とも、 感覚過敏はありますね。 触覚のほかに音や匂いにも敏感ですね。 わりと、特徴的なのは、 しいたけが嫌いということですね。 キノコが嫌いですね。 キノコってかむとかみ切れるのだか、 そうでないのかわからない。 その感触がのみ込みづらくて、 その経験を1度やると食べられなくなる。 キノコをきらいな人は多いですね」 (続く) ◆ 【宮尾益知 みやお・ますとも】どんぐり発達クリニック院長 1975年、徳島大医学部卒業。国立成育医療研究センターこころの診療部医長などを経て、2014年4月、どんぐり発達クリニック開院。専門は、小児の発達障害で、日本小児科学会専門医、日本小児神経学会専門医などの資格を持つ。『アスペルガー症候群』(日東書院)、『大人のアスペルガー症候群』(同)など著書多数。監修した漫画『旦那さんはアスペルガー』シリーズ(野波ツナ、コスミック出版)では、カサンドラ症候群についても詳しく解説している。
アスペルガーがは90〜100人に1人いるという。 また、グレーゾーンまで入れると20人に1人とも言われる。 無視できる人数ではない。 理解しなければ 互いに コミュニケーションなどの困難を感じ 理解すれば 互いに建設的な結果をもたらす。 数年前に 高機能自閉症とアスペルガーの 研修会を受けたことがある。 研修後、数人の知り合いが異口同音に語ったのは 「自分もアスペルガーかもしれない」 というものだった。 確かに一つ一つの症状は かなり多くの人に当てはまるものが多い。 しかし、普通の人は せいぜい20パーセントか30パーセント ぐらいが 「当てはまるようにも感じる」程度だが、 それでも本人にしてみれば かなり多いと感じてしまう。 しかし、本当にアスペルガーと診断される方は 60パーセントから80パーセントが 当てはまる。 レベルが違う。 そういった方々が 「生きづらさ」 を 常に感じていることには ある種のいたたまれなさを感じる。 それが知識で理解するだけでも コミュニケーションが改善されるのであれば 知識が広く知られることは必要だ。


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2017年08月12日

増加する「多忙中毒」 忙しさ自慢をやめるべき理由

Forbes より


増加する「多忙中毒」  忙しさ自慢をやめるべき理由 忙しいことは良いことだという場合もある。 生産的に物事をこなしているのかもしれない。 しかし、 あまりに多くのことに手を出し過ぎて 息つく暇もないのであれば問題だ。 私がキャリア指導を行うクライアントの トムはある時、 約束の時間を30分過ぎて到着した。 私は顔をあげ、 片方の眉をつり上げた。 すると彼は 「何ですか?  とても重要なプロジェクトに取り組んでいて、 抜けられなかったんですよ」 と言った。 トムはそれまでも 予約の変更や遅刻を繰り返していた。 毎回謝罪の言葉はなく、 自分がいかに多忙で、 仕事のプロジェクトに どんなに多くの時間を費やしているかについて、 得意げに話すだけだった。 「眠る時間だって十分にはないのに、 キャリア開発に集中する時間なんて皆無です」 とトム。 「キャリア戦略作成の指導をお願いしましたが、 今はそれどころじゃないんです。忙し過ぎて」 この言葉に、私は両眉をつり上げた。 トムは 「会社には私が必要です。 昨年は1日も休みませんでした。 現状を見ても、 休暇はしばらく 取れないと思います」 と続けた。 トムにとって慢性的な多忙さは、 自分が重要な存在で、 職場で必要とされていると 感じさせてくれる 勲章になってしまった。 さらに健康にも影響が出ていた。 長時間労働、ストレス、 リラックスする時間の不足により、 不眠や頭痛、疲労が生じていた。 私は過去10年間、 慢性的な忙しさに依存する クライアントの数が 劇的に増加するのを見てきた。 複数の調査によると、 米国人が1年間に取得する 休暇日数の減少には、 この 「多忙中毒」 が影響している。 旅行業界の出資で設立された 「プロジェクト・タイム・オフ (Project: Time Off)」 によると、 2015年に 付与された休暇を 使い切らなかった米国人は 55%に上る。 また、 旅行業界ニュースサイト 「スキフト(Skift)」 による調査では、 米国人の41%が2015年の間に 1日も休暇を取得しなかったと回答している。 自分が慢性的な多忙中毒かを見分けるため、 次の質問に答えてみよう。 自分の日々の生活をどう形容する? とても忙しくばたばたしていて、 物事をこなすだけで終わってしまう、 と言いたくならないか。 忙しいと、どういう気持ちになる? 1日中、 次から次へと物事をこなすことに 喜びを感じるか。 1年間に取得する休暇の平均日数は? 付与される休暇を使い切っていない、 あるいはトムのように 全く使わないということはないか。 プライベートな時間の典型的な過ごし方は? 他の予定や作業を詰め込まず、 ゆっくり腰を下ろしてリラックスし、 本や雑誌を読む時間があるか。 友人や家族が、 あなたの「多忙自慢」を聞くのにうんざりしている? 自分が取り組んでいる活動について 次々とソーシャルメディアに投稿していないか。 友人や家族に、 自分の活動について話すことはあるか。 自分がいかに忙しいかを話したら、 相手にあきれた表情をされたことはあるか。 「調子はどう?」 と聞かれたときの返事は? 「忙しい!」 と答えることが多くないか。 慢性的な多忙中毒になると、 さまざまな活動からストレスを感じて アドレナリンが放出されて 快感が得られる場合もあるが、 健康を害する可能性もある。 米医療機関メイヨー・クリニック (Mayo Clinic)によると、 ストレス反応システムを 長期間活性化させると コルチゾールなどの ストレスホルモンが過剰放出され、 「ほぼ全ての身体プロセスが阻害される恐れがある」 という。 こうしたストレスホルモンにより、 不安や鬱(うつ)、頭痛、心臓病、睡眠障害、 さらには記憶障害、 集中力低下といった健康問題が生じる可能性が高まる。 忙しさを美化したり、 誰が一番忙しいかを 競ったりすることは やめるべきだ。 慢性的な忙しさは 名誉なことでもなければ ステータスでもなく、 変化が必要だという警鐘だ。 今からでも遅くないので、 すぐに夏休みを確保しよう。
楽しいことを 思う存分行って それが 相応の収入につながれば 一番幸せだ。 自信を持って ポジティブな気持ちで 心身ともに健康的に 生活できる。 そういう人は 疲れれば休むし 回復すれば また、仕事に勤しむ。 非常に自然な サイクルの中で 健康的な生活する。 高度な技術を身につけた 職人さんには こういった人が 比較的多くいる。 しかし 嫌なことを 丁寧にこなさなければいけない仕事も 数多くある。 嫌な仕事をする時間は できるだけ短くして 仕事以外の時間を できるだけ多く保てれば まだ心身の健康は保てる。 面倒なのは 仕事は苦労が多く ストレスが多いが 「承認欲求」 は満たされる という場合だ。 この「承認欲求」というやつは (『松本人志 「暇なんじゃないのかと思う。」松居一代 暴露動画』参照) 満たされると エンドルフィンという 脳内物質がたくさん出て 快感が強くなるので 際限なく追い求めてしまいやすい。 特に コンプレックスが強かったり 自分は十全ではなく何かが足りない とか 何かが欠けている と感じていたりする人にとって なにものにも替え難いもの と感じてしまい、 「承認欲求」のためなら 自分を破壊することも含め なんでもしてしまう。 つまり 「忙しさ自慢」とは 「依存」の一種なのだ。 この状態になった時に 気をつけなくてはいけないことは 「気づかないこと」が たくさんあるということ。 上の文章にあるように トムは 非常に失礼な態度を とっている。 しかし トムは全く自覚がない。 意識は 自分が「承認」される快感に 向かうことによって つもりに積もった 肉体的精神的疲労を 感じないようにしている 状態なので、 他人の感情を 「察する」 余裕は全くない。 だから 家族や友人や それまで 近しい関係にあった人々が 離れていってることに 気づくことができない。 そして これは 文中のトムのような人物に 限ったことではないが 「休む」 ということの意味と創造性は 意外なほど気づかれていない。 筋肉の発達で喩えるが、 筋肉を鍛えて発達させる時 トレーニングなどで 筋肉を使うことを 繰り返すわけだが 使えば使うほど 筋肉が増えて 強くなっていくわけではなく、 筋肉は使えば使うほど 破壊されていくもので 使えば使うほど 失われていく。 これがいわゆる 筋肉痛の状態だったりする。 それが、 休んでいる間に 修復される。 その修復が行われる時、 破壊される前より 強く修復される。 それが筋肉の「発達」の プロセスだ。 筋肉のような物理的なものだけではなく 他の精神的なものも含む 様々な能力の発達や進歩も そのプロセスに 非常に似ているところがある。 なにかに向かって努力する時 最初のうちは順調に伸びるが あるところから 伸び方が鈍り やがて停滞する。 本人は焦って もっと頑張ろうとする。 本人は疲れ切っているが さらに頑張ろうとする。 結果は伸びるどころか 次第に パフォーマンスは低下していく。 本番直前の受験生などに よく見られる傾向だ。 本番前に 一日とか 二日休むことは 大いに勇気のいることだし、 肉体は使っていないから 気力で頑張れるような気がしてしまう。 しかしこの状態で 休みを取らないことが 燃え尽き症候群や 抑鬱状態に繋がることが 多い。 なんとか受験に成功しても 大学入学後に とてつもない無気力感に襲われて 学校にいけなくなったり 退廃的な気分になり 荒んだ生活をしたり 辛い状態になる。 そのようになる前に 一日であっても二日であっても 勇気を持って「休み」をとると そのような辛い状態を回避できるだけではなく そのあと びっくりするほど 高いパフォーマンスを 示すことが珍しくない。 その「休み」をとることは 自信がある人ほど取りやすく 悲しいことに 自信がない人ほど取りづらい。


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2017年08月02日

面接で候補者に冷や汗をかかせれば


フォーブス から

面接で候補者に冷や汗をかかせれば本性が分かる、
という根拠のない考え方は、昔から存在してきた。

候補者同士を激しく競わせるグループ面接を受けた、
面接室に30分放置された、
複数の面接官から矢継ぎ早に質問された──
こうした話を人から聞いたり、
自身が経験したりしたことは、誰にでもあるだろう。

私は過去に、
営業志望者の反応を観察するという目的だけのために、
面接で怒鳴りながら机の物を蹴り落とした
営業マネジャーを見たことがある。

残念だが、
候補者を不安にさせれば面接で本当の姿を見ることができるという考えは危険だし、
完全にばかげている。理由は2つある。

1. 候補者から情報を引き出せない

強い不安を感じている候補者は口をつぐんでしまうので、
学べる情報は増えるどころか減ってしまう。

候補者に
「個人としてリーダーシップを発揮した経験を教えてください」
という質問をしたとしよう。
幅が広く深い質問なので、簡潔な答えではなく、
しっかりと肉付けした答えが欲しいはずだ。

しかし、
候補者がとても緊張していて尋問を受けているように感じていると、
「私は一歩前に出て自分のチームを支援できる機会をできるかぎり探すようにしています」
などというありがちな回答が返ってくる可能性が高い。

間違った答えではないためすぐ不合格にはならないが、
これでは個性が全く感じられず、
面接官は何の情報も得られない。

候補者を緊張させ過ぎると、
残念ながらこうした答えしか期待できない。
候補者を安心させて心地よく開放的な気分にしていれば、
型にはまった回答だけでなく、
具体例についても話し続けてくれるだろう。

リーダーシップに関するトレーニング・
調査を提供する国際企業リーダーシップIQ(Leadership IQ)が
3年にわたり実施した調査によると、
新入社員の採用が失敗する原因はスキルよりも勤務態度であることが多い。
そのため、
面接では候補者の仕事に対する姿勢を見極めるのが大切だ。

2. 候補者に悪い印象を与えてしまう

優秀な人材は、
複数の企業を志望していたり、
既に内定をもらっていたりすることが多い。
スター級の候補に圧迫面接をすると、
非常に悪い印象を与えてしまう。

成績優秀な従業員は、求める企業の基準も高く、
ただの仕事ではなく自分に合った仕事を探している。
面接で自分の希望がかなわないと感じてしまえば、
入社を辞退してしまうかもしれない。
その場合、
多額の給与を提示してもすぐに断られる可能性が高い。



面接で良い印象を残すためには、
相手の候補者について
詳しく知れる機会が持ててうれしい気持ちを伝えることだ。
例えば
「履歴書を読んで、
あなたの今までの職歴と経験について
詳しく伺うことをとても楽しみにしていました」
と言えば良いだろう。

私はここで、
面接が簡単に進みますよと言っているわけではなく、
候補者についていろいろ知りたいと言っているだけだ。
そうすることで「話をたくさん聞かせてほしい」
という期待を伝えることができる。
温かくフレンドリーな言い方でこちらの期待を伝え、
信頼関係を構築することで、候補者はよりリラックスし、
開放的な気持ちになる。

人というものは、
話し相手が本心から興味を持ってくれていると感じると、
いくらでも自分のことについて話してしまうものだ。
人は誰かが何かをしてくれると、
心理的にその親切に報いる義務を感じる。
古代ローマの雄弁家キケロの格言のように
「親切心に報いることほど無視できない義務はない」
のだ。


物理的であれ

精神的なものであれ

人が自分の身に

危険があると思った時にする行動は

本性ではない。


普段の日常生活では

見せないものが見えると

それが本性だと

思いがちだが

そんなことはない。

それと同じに

物心共に恵まれている時

安堵しきってる時も

本性ではない。

「金持喧嘩せず」

は真実だが

金持ちになるまでの間に

かなり喧嘩した金持ちは多い。



どちらも

その人の

一部ではあるが全体ではない。


面接で必要なのは

どんな性格を「一部」として

持っているかではなくて

管理する側が

相手の良い部分を

引き出し

仕事に結びつけられるかを

見ること。


1人の人間が良い部分だけ持ってるわけもないし

悪いところしか持ってないということもない。


それをどう引き出せるか

または、どう引き出さないようにするか。

そしてこの人物は

その意味で管理者が管理できる

状態にあるかということ。


圧迫面接(圧迫法)は

良い面もあるが

問題が多すぎる。









タグ:面接
posted by sachi at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 心理
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