2017年08月12日
増加する「多忙中毒」 忙しさ自慢をやめるべき理由
Forbes より増加する「多忙中毒」 忙しさ自慢をやめるべき理由 忙しいことは良いことだという場合もある。 生産的に物事をこなしているのかもしれない。 しかし、 あまりに多くのことに手を出し過ぎて 息つく暇もないのであれば問題だ。 私がキャリア指導を行うクライアントの トムはある時、 約束の時間を30分過ぎて到着した。 私は顔をあげ、 片方の眉をつり上げた。 すると彼は 「何ですか? とても重要なプロジェクトに取り組んでいて、 抜けられなかったんですよ」 と言った。 トムはそれまでも 予約の変更や遅刻を繰り返していた。 毎回謝罪の言葉はなく、 自分がいかに多忙で、 仕事のプロジェクトに どんなに多くの時間を費やしているかについて、 得意げに話すだけだった。 「眠る時間だって十分にはないのに、 キャリア開発に集中する時間なんて皆無です」 とトム。 「キャリア戦略作成の指導をお願いしましたが、 今はそれどころじゃないんです。忙し過ぎて」 この言葉に、私は両眉をつり上げた。 トムは 「会社には私が必要です。 昨年は1日も休みませんでした。 現状を見ても、 休暇はしばらく 取れないと思います」 と続けた。 トムにとって慢性的な多忙さは、 自分が重要な存在で、 職場で必要とされていると 感じさせてくれる 勲章になってしまった。 さらに健康にも影響が出ていた。 長時間労働、ストレス、 リラックスする時間の不足により、 不眠や頭痛、疲労が生じていた。 私は過去10年間、 慢性的な忙しさに依存する クライアントの数が 劇的に増加するのを見てきた。 複数の調査によると、 米国人が1年間に取得する 休暇日数の減少には、 この 「多忙中毒」 が影響している。 旅行業界の出資で設立された 「プロジェクト・タイム・オフ (Project: Time Off)」 によると、 2015年に 付与された休暇を 使い切らなかった米国人は 55%に上る。 また、 旅行業界ニュースサイト 「スキフト(Skift)」 による調査では、 米国人の41%が2015年の間に 1日も休暇を取得しなかったと回答している。 自分が慢性的な多忙中毒かを見分けるため、 次の質問に答えてみよう。 自分の日々の生活をどう形容する? とても忙しくばたばたしていて、 物事をこなすだけで終わってしまう、 と言いたくならないか。 忙しいと、どういう気持ちになる? 1日中、 次から次へと物事をこなすことに 喜びを感じるか。 1年間に取得する休暇の平均日数は? 付与される休暇を使い切っていない、 あるいはトムのように 全く使わないということはないか。 プライベートな時間の典型的な過ごし方は? 他の予定や作業を詰め込まず、 ゆっくり腰を下ろしてリラックスし、 本や雑誌を読む時間があるか。 友人や家族が、 あなたの「多忙自慢」を聞くのにうんざりしている? 自分が取り組んでいる活動について 次々とソーシャルメディアに投稿していないか。 友人や家族に、 自分の活動について話すことはあるか。 自分がいかに忙しいかを話したら、 相手にあきれた表情をされたことはあるか。 「調子はどう?」 と聞かれたときの返事は? 「忙しい!」 と答えることが多くないか。 慢性的な多忙中毒になると、 さまざまな活動からストレスを感じて アドレナリンが放出されて 快感が得られる場合もあるが、 健康を害する可能性もある。 米医療機関メイヨー・クリニック (Mayo Clinic)によると、 ストレス反応システムを 長期間活性化させると コルチゾールなどの ストレスホルモンが過剰放出され、 「ほぼ全ての身体プロセスが阻害される恐れがある」 という。 こうしたストレスホルモンにより、 不安や鬱(うつ)、頭痛、心臓病、睡眠障害、 さらには記憶障害、 集中力低下といった健康問題が生じる可能性が高まる。 忙しさを美化したり、 誰が一番忙しいかを 競ったりすることは やめるべきだ。 慢性的な忙しさは 名誉なことでもなければ ステータスでもなく、 変化が必要だという警鐘だ。 今からでも遅くないので、 すぐに夏休みを確保しよう。楽しいことを 思う存分行って それが 相応の収入につながれば 一番幸せだ。 自信を持って ポジティブな気持ちで 心身ともに健康的に 生活できる。 そういう人は 疲れれば休むし 回復すれば また、仕事に勤しむ。 非常に自然な サイクルの中で 健康的な生活する。 高度な技術を身につけた 職人さんには こういった人が 比較的多くいる。 しかし 嫌なことを 丁寧にこなさなければいけない仕事も 数多くある。 嫌な仕事をする時間は できるだけ短くして 仕事以外の時間を できるだけ多く保てれば まだ心身の健康は保てる。 面倒なのは 仕事は苦労が多く ストレスが多いが 「承認欲求」 は満たされる という場合だ。 この「承認欲求」というやつは (『松本人志 「暇なんじゃないのかと思う。」松居一代 暴露動画』参照) 満たされると エンドルフィンという 脳内物質がたくさん出て 快感が強くなるので 際限なく追い求めてしまいやすい。 特に コンプレックスが強かったり 自分は十全ではなく何かが足りない とか 何かが欠けている と感じていたりする人にとって なにものにも替え難いもの と感じてしまい、 「承認欲求」のためなら 自分を破壊することも含め なんでもしてしまう。 つまり 「忙しさ自慢」とは 「依存」の一種なのだ。 この状態になった時に 気をつけなくてはいけないことは 「気づかないこと」が たくさんあるということ。 上の文章にあるように トムは 非常に失礼な態度を とっている。 しかし トムは全く自覚がない。 意識は 自分が「承認」される快感に 向かうことによって つもりに積もった 肉体的精神的疲労を 感じないようにしている 状態なので、 他人の感情を 「察する」 余裕は全くない。 だから 家族や友人や それまで 近しい関係にあった人々が 離れていってることに 気づくことができない。 そして これは 文中のトムのような人物に 限ったことではないが 「休む」 ということの意味と創造性は 意外なほど気づかれていない。 筋肉の発達で喩えるが、 筋肉を鍛えて発達させる時 トレーニングなどで 筋肉を使うことを 繰り返すわけだが 使えば使うほど 筋肉が増えて 強くなっていくわけではなく、 筋肉は使えば使うほど 破壊されていくもので 使えば使うほど 失われていく。 これがいわゆる 筋肉痛の状態だったりする。 それが、 休んでいる間に 修復される。 その修復が行われる時、 破壊される前より 強く修復される。 それが筋肉の「発達」の プロセスだ。 筋肉のような物理的なものだけではなく 他の精神的なものも含む 様々な能力の発達や進歩も そのプロセスに 非常に似ているところがある。 なにかに向かって努力する時 最初のうちは順調に伸びるが あるところから 伸び方が鈍り やがて停滞する。 本人は焦って もっと頑張ろうとする。 本人は疲れ切っているが さらに頑張ろうとする。 結果は伸びるどころか 次第に パフォーマンスは低下していく。 本番直前の受験生などに よく見られる傾向だ。 本番前に 一日とか 二日休むことは 大いに勇気のいることだし、 肉体は使っていないから 気力で頑張れるような気がしてしまう。 しかしこの状態で 休みを取らないことが 燃え尽き症候群や 抑鬱状態に繋がることが 多い。 なんとか受験に成功しても 大学入学後に とてつもない無気力感に襲われて 学校にいけなくなったり 退廃的な気分になり 荒んだ生活をしたり 辛い状態になる。 そのようになる前に 一日であっても二日であっても 勇気を持って「休み」をとると そのような辛い状態を回避できるだけではなく そのあと びっくりするほど 高いパフォーマンスを 示すことが珍しくない。 その「休み」をとることは 自信がある人ほど取りやすく 悲しいことに 自信がない人ほど取りづらい。
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