2019年03月30日
小脳と直観A
最終的には、心の働きの脳内メカニズムについて述べていきます。
判断力・直観力
小脳と直観A
小脳も直観を生んでいるかもしれない
小脳での学習は、「意識しなくてもひとりでにできるようになる」、「繰り返し試みた後で起こる」という点で、直観と似ている。
このことから、伊藤博士は次のような『小脳仮説』を考えている。
普段私たちが経験したことは、一時的に脳内の『海馬』という場所に預けられて整理をされ、大脳皮質の前頭前野以外の場所に分散されて記憶されていく。
前頭前野は、これらの記憶を参考にしながら、外の世界の対象物を分析したり、判断したりといった思考を行う。
伊藤博士の小脳仮説によると、このような思考を大脳皮質の中で繰り返していると、やがて、小脳によって大脳皮質の記憶は、前頭前野が無意識下での判断・分析に使うような形(内部モデル)に変えられ、小脳内に保存されるようになる。
こうして前頭前野は、大脳皮質の記憶だけではなく、小脳に保存された内部モデルも使うことができるようになる。
大脳基底核と小脳の働きの違いはどこにあるのだろうか。
伊藤博士の仮説では、大脳基底核は大脳皮質に表現された多くの候補から最適の一手を選択するという働き方で直観的な思考に貢献するが、小脳は選ばれた候補のよりよく洗練された内部モデルを提供する可能性が考えられるという。
小脳に移しかえられた将棋の記憶を使って、「次の一手」は浮かんでくる?
前頭前野が、大脳皮質に保存されていた「将棋に関する記憶(知識・経験)」を使って、将棋の次の手を思考する作業を繰り返しているうちに、やがて小脳が、大脳皮質のこれらの記憶を、内部モデルという形に変えて、小脳内に保存する。
すると、前頭前野は、次の手を決めるときに、大脳皮質だけではなく、小脳に保存された内部モデルも使えるようになる。
小脳の内部モデルを使うと、無意識のうちに、素早く次の手を思い浮かべることができる。
これが直観になるのではないか、というのである。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2014年7月15日発行
判断力・直観力
小脳と直観A
小脳も直観を生んでいるかもしれない
小脳での学習は、「意識しなくてもひとりでにできるようになる」、「繰り返し試みた後で起こる」という点で、直観と似ている。
このことから、伊藤博士は次のような『小脳仮説』を考えている。
普段私たちが経験したことは、一時的に脳内の『海馬』という場所に預けられて整理をされ、大脳皮質の前頭前野以外の場所に分散されて記憶されていく。
前頭前野は、これらの記憶を参考にしながら、外の世界の対象物を分析したり、判断したりといった思考を行う。
伊藤博士の小脳仮説によると、このような思考を大脳皮質の中で繰り返していると、やがて、小脳によって大脳皮質の記憶は、前頭前野が無意識下での判断・分析に使うような形(内部モデル)に変えられ、小脳内に保存されるようになる。
こうして前頭前野は、大脳皮質の記憶だけではなく、小脳に保存された内部モデルも使うことができるようになる。
大脳基底核と小脳の働きの違いはどこにあるのだろうか。
伊藤博士の仮説では、大脳基底核は大脳皮質に表現された多くの候補から最適の一手を選択するという働き方で直観的な思考に貢献するが、小脳は選ばれた候補のよりよく洗練された内部モデルを提供する可能性が考えられるという。
小脳に移しかえられた将棋の記憶を使って、「次の一手」は浮かんでくる?
前頭前野が、大脳皮質に保存されていた「将棋に関する記憶(知識・経験)」を使って、将棋の次の手を思考する作業を繰り返しているうちに、やがて小脳が、大脳皮質のこれらの記憶を、内部モデルという形に変えて、小脳内に保存する。
すると、前頭前野は、次の手を決めるときに、大脳皮質だけではなく、小脳に保存された内部モデルも使えるようになる。
小脳の内部モデルを使うと、無意識のうちに、素早く次の手を思い浮かべることができる。
これが直観になるのではないか、というのである。
参考文献:ニュートン別冊 脳力のしくみ 2014年7月15日発行
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