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2019年11月16日
”マイホームを手にするということは資産を手にする”?
”マイホームを手にするということは資産を手にする”?
高度成長期に住宅を購入した際には、購入価格よりも売却価格が優ったため、ローン(借金)をチャラにすることができ、さらに有利な物件に買い換えることができました。
インフレだったために、郵貯の定額貯金で寝かせておくだけで最高7%の利子が増えました。
不動産に限って言えば、木造建築では築20年で建物の評価価格は0になります。
土地価格が上昇するエリアにあれば、資産を構築したことになります。
売らないにしても、遺産相続の際には、遺産総額が3600万円超える分には相続税がかかります。
不動産をいくらで買い、いくらの家賃が節約できて、いくらで売り抜くか、相続させるかを考えて、いくらのローンを設定するか、まで考えないと資産形成にはならないという現実を踏まえて判断して下さい。
ローンを組むということは借金するだけではなく、自由に使えるお金を減らすという現実を重く受け止めましょう!
>セミリタイアを目指す医師が教える投資術
マイホーム神話、医師が説く危険性
Dr.ウィルキンソン|勤務医
2019年10月3日
本連載「セミリタイアを目指す医師が教える投資術」は、都内の医療機関で働く医師が、自身が約20年の勤務医生活の間に培ってきた節税・倹約のノウハウを共有するための連載企画です。
今回は2回にわたり、住宅購入を避けるべき3つの理由をご紹介していきます。
洗脳と言えば「マイホーム神話」というものが戦後の高度成長期から根強く残っていました。
この連載の第1回目に紹介した「お金に悩む若手医師」の30代医師も、恐らく親御さんから「マイホーム神話」がまだ通用することを当然のように洗脳されたのだと思います。
今回は資産形成という立場から考えて、「住宅を買うのを勧めない理由」をいくつか挙げて解説していきたいと思います。
ただしここでも、既に住宅を買ってしまった先生には申し訳ないことですが、「必死に住宅ローンを繰り上げ返済して、改めて資産形成できるように頑張ってください」とエールを送るしかありません…ごめんなさい(涙)
住宅を買うのを勧めない理由その1「レバレッジは怖い」
住宅を購入するにあたって、即金で買える方は全く問題ありません。
日本のGDPをアップさせるためにご協力をお願いしますw その上で、倹約して資産を積み立てれば良いと思います。
でも、ほとんどの勤務医の先生にとって、「住宅を購入する」ということは「住宅ローンを抱える」のとほぼ同じことです。
そして、この「借金をして資産を購入する」という行為の怖さを意外にご存じない方が多いのです。
分かりやすい例でこの危険性を解説したいと思います。
今、仮に1000万円の頭金を用意して、5000万円の住宅を買ったとしましょう。
この時に、自己資本1000万円と借入金4000万円で5000万円の「居住用の住宅」という資産を手に入れたことになります。
本来は自己資本1000万円の5倍に相当する5000万円がないと手に入らなかった住宅が、借入金という補助によって手に入ったので、このことを…
「1000万円の自己資本に5倍のレバレッジを効かせた住宅投資」
と考えることができます。
レバレッジ(leverage)とは「梃子(てこ)」のことです。
自己資金の5倍の家を買ったのですから、1000万円という小さい力で「梃子を効かせて」5倍のものを動かしたことになります。
この例えから「レバレッジを効かせる」という表現を使います。
僕には、この状態で十分危険だと思えるのですが、
「それだけ頭金を積めば十分じゃないか。頭金なんて物件価格の2割積めば大丈夫だって聞いたぞ」
という反論が聞こえてきそうです。
それでは、この「1000万円の自己資本に5倍のレバレッジを効かせた投資」を次のように置き換えてみたらどう感じますか?
「1000万円の自己資本に、信用取引で5倍のレバレッジを効かせて5000万円分の海外株式ファンドを購入する」
途端に危険に思えてくるでしょう? 不思議ですね。借金をしてファンドを買うなんて行為、普通はかなりの投資上級者でない限りは手を出さないことですものね。
ところが、冷静に考えるとこの行為は住宅を買うのと全く変わりないことに気づきませんか?
「誰もが当たり前に住宅ローンを借りて住宅を購入している」という事実に騙されて、「信用取引で5倍のレバレッジを効かせて5000万円分の海外株式ファンドを購入する」のと本質的には全く変わりのない危険な行為に手を出しているのに。
さて、仮にこの住宅が、買った瞬間に2割値段を下げたとします。
5000万円の住宅価格は4000万円となりますが、借入金の4000万円は減りません。
結果として自己資本は一瞬でゼロになってしまいます。
せっかく貯めた頭金が一瞬で蒸発してしまうのです。
1日で世界中の株式の平均が2割下がることはほぼありませんが、実は新築住宅では、買った瞬間に2割価格が下がることは当たり前に起こる現象です。
というのも、日本の新築住宅には「新築プレミアム」と呼ばれる、「新築だから値段が高くついている」という不思議な現象があることが知られているからです。
このプレミアムは最大で住宅価格の3割に達すると言われています。
【参考URL】https://life.oricon.co.jp/rank_housingloan/news/2058032/?fbclid=IwAR1MZ0GdZmkf5ZrxCTL3ngoeymeV7smXcaXoMSyDez_qs3GQlc5tdS-Keeo
「こうした諸々の割り増し分(編注:「広告宣伝費」「営業費」「モデルルーム運営費」といった諸経費や、人気に応じた上乗せ分)は、総じて『新築プレミアム』などと称され、なかには販売価格全体の2〜3割を占めるケースもある」
1000万円の頭金が一瞬で溶けてなくなるという恐ろしい事態です。5倍のレバレッジをかけたため、20%の資産価格の下落が5倍の100%の自己資本の減少に跳ね返ってくるのです。
家を投資資産と考えると、頭金を入れることがとても大事だと分かりますね。
まとめ
・レバレッジを効かせて不動産を購入するのは、投資で考えれば危険のあること
・新築住宅には割り増し分があり、買ったとたんに頭金相当分が消えることもありうる
次回は、住宅を買うのを勧めない理由をさらに2点、投資の観点からご説明したいと思います。
Dr.ウィルキンソン
勤務医
都内の医療機関で働く勤務医。2000年頃に地方の国立大学を卒業。 市中病院でローテート研修を行いそのまま入職したため、大学病院では勤務した経験はなし。 高校生・中学生の子供あり。妻は専業主婦。 趣味は将棋。「将棋ウォーズ」というサイトで1日3局のネット将棋を指すのが無上の喜び。 アベノミクス効果で金融資産1億円を突破し、セミリタイア生活を夢見ている。
【出典】https://membersmedia.m3.com/articles/1228?portalId=mailmag&mmp=BM191115&mc.l=527606807&eml=66aecc8604f2a0b8603e4f0e5e85ee5e
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2019年11月07日
予防医学
がん中心の外科から、4年前内科に転職し、脳卒中こそが一番怖い病気だと知りました。
半身麻痺、言葉が出ない、トイレに間に合わない。
脳卒中の主原因は高血圧で、症状がなく“サイレントキラー”と呼ばれます。
最新栄養学が過去の常識が間違いだと科学的に明白にしました。
“サイレントキラー”『高血圧』で、糖質制限食を理解、実行し、高血圧にならず、糖尿病にならず、人生の最大の資本―健康を磐石なものにしてください。
下記アドレスから サイレントキラー『高血圧』を入手してください。
本当に怖い病気は高血圧です。
私は現役の医師として最初がんが一番怖い病気だと思っていました。
患者さんを直接治す医者として、外科医を29年やってきました。
視力障害や眼精疲労が強くなり、外科医から脳血管障害を主に診る病院に転職し4年間脳卒中になった人を目の当たりにしてきました。
脳卒中こそが一番怖い病気だと気付きました。
ある日突然、自分が自分でなくなってしまう病気が脳卒中です。
半身麻痺、言葉が出ない、うまくしゃべれない、出来ていたことができなくなる。
トイレに間に合わない。
その脳卒中の主の原因こそが高血圧なのです。
だから本当に怖い病気は『高血圧』になります。
高血圧には、症状がなく、英語で“サイレントキラー”と呼ばれています。
まるで、ボクシングのボディブローのようにじわじわと効いてきます。
病院で働いていては、本当に薬で治療しないといけない人しか、診られません。
高血圧は生活習慣からくるものです。
動脈硬化を予防し、健康寿命を延ばすために、主に糖質制限食についてまとめました。
半身麻痺、言葉が出ない、トイレに間に合わない。
脳卒中の主原因は高血圧で、症状がなく“サイレントキラー”と呼ばれます。
最新栄養学が過去の常識が間違いだと科学的に明白にしました。
“サイレントキラー”『高血圧』で、糖質制限食を理解、実行し、高血圧にならず、糖尿病にならず、人生の最大の資本―健康を磐石なものにしてください。
下記アドレスから サイレントキラー『高血圧』を入手してください。
本当に怖い病気は高血圧です。
私は現役の医師として最初がんが一番怖い病気だと思っていました。
患者さんを直接治す医者として、外科医を29年やってきました。
視力障害や眼精疲労が強くなり、外科医から脳血管障害を主に診る病院に転職し4年間脳卒中になった人を目の当たりにしてきました。
脳卒中こそが一番怖い病気だと気付きました。
ある日突然、自分が自分でなくなってしまう病気が脳卒中です。
半身麻痺、言葉が出ない、うまくしゃべれない、出来ていたことができなくなる。
トイレに間に合わない。
その脳卒中の主の原因こそが高血圧なのです。
だから本当に怖い病気は『高血圧』になります。
高血圧には、症状がなく、英語で“サイレントキラー”と呼ばれています。
まるで、ボクシングのボディブローのようにじわじわと効いてきます。
病院で働いていては、本当に薬で治療しないといけない人しか、診られません。
高血圧は生活習慣からくるものです。
動脈硬化を予防し、健康寿命を延ばすために、主に糖質制限食についてまとめました。
2019年09月27日
人間の報酬系を活性化させる3つのタイプ
私たちを影で操る脳内の「報酬系」とは?
報酬系(ほうしゅうけい)とは、
何か心地よいことが起きた時に活性化し、
人間や動物に「快感」を感じさせる脳内システムのこと。
例えば、何かを達成した時、
誰かに褒められた時、
大好きなチョコレートを食べた時、
私たちは「嬉しい」とか「心地よい」と感じます。
その時、脳内では快楽物質であるドーパミンが分泌されていて、
それが人に快楽を感じさせているのだと言われています。
そのシステムのことを「報酬系」といいます。
人間も動物もこの報酬系の快感が、
とても大きな行動の動機となります。
ハッキリ言って、この報酬系のシステムが私たちを動かしている
と言っても過言ではないのです。
報酬系が働くとき
では、この報酬系が働くときはどんなときでしょうか?
もともと報酬系は、
生きていくために必要なものを得たとき、
種の保存に繋がるとき、
に活性化するようにプログラムされています。
簡単にいうと、「食べること」と「セックスすること」です。
そこに「快感」を感じるように脳にプログラムされていて、
その快楽を求めて行動している。
そのプログラムのおかげで、
人間も動物も地球上で何万年もこうして生き残って来たわけです。
ただし、人間だけは他の動物と少し違っています。
人間だけは、
「誰かに褒められたとき」
「美しい景色を見たとき」
「自分の成長を実感したとき」
「ボランティアで貢献できたとき」など、
より高次な出来事に対しても報酬系が活性化します。
人間の報酬系を活性化させる3つのタイプ
人間の報酬系が活性化するパターンを
いくつかに分類すると次のように、
大きく「動物的報酬」「人間的報酬」「短期的報酬」の3つに分けられます。
1)動物的報酬
・肉体的報酬 … 食べる、セックスするなど。より本能的なものに近い。
2)人間的報酬
・物理的報酬 … お金や物など何かを獲得した時に感じるもの。
・達成報酬 … 仕事やミッションを達成した時に感じるもの。
・感覚的報酬 … 美的感動・知的好奇心などが刺激された時に感じるもの。
・社会的報酬 … 人に褒められたり、自分が特別な存在だと感じた時などに感じるもの。
・ビジョン報酬 … 夢や理想を思い描いた時などに感じるもの。
実際に手にしていなくても、
それを思い描くだけで報酬系を働かせることができる。
3)短期的報酬
・摂取報酬 … アルコール、タバコ、薬物などの摂取によるもの。
・バーチャル的報酬 … ゲーム、スマホ、ギャンブルなど。
注意が必要なのは最後の短期的報酬。
簡単に快感を味わえ、依存的になりやすいからです。
また、極端にこの短期的で簡単に得られる報酬ばかり得ていると、
それが癖になってしまい、
脳内の報酬系システムもそれに合わせて変化してしまうといいます。
つまり、将来の夢や長期的な計画に向かって
コツコツ努力するといった
長期的な報酬を待つことができなくなり、
ゲームやギャンブルなど報酬系を激しく刺激するものと比べ
低刺激な報酬では満足できなくなるわけです。
そうなると、すぐに得られる快感ばかり求めるようになり、
真面目にコツコツやるのがバカらしくなってしまいます。
しかし、現実は得てして地味なことの積み重ねですから、
そうなると現実の生活にも支障が出てきてしまいます。
ゲームやギャンブル、アルコールや薬物などにのめり込んで
生活を壊してしまう人がいるのは、
そんな脳内報酬系の異常が原因というわけです。
報酬系を活用した動機付けの方法
少し極端な例も紹介しましたが、
甘いものがやめられないのも、
タバコがやめられないのも、
スマホが手放せないのも、
全てはそこに報酬系のシステムが働いているからです。
その行為に何かしらの快感を感じているから行動してしまうわけです。
ただし、この報酬系の仕組みを理解して、
うまく活用できるようになると、
自分や他人を望ましい方向に
動機付けることができるようになります。
「子供は褒めて伸ばそう」などというのは、
まさにこの報酬系の仕組みを利用したものです。
子供をうまく褒めてあげることができれば、
子供はそれを「快」と感じて
「よし、もっとやってみよう」
と意欲が湧くわけです。
もちろん、それは大人でも同じこと。
誰も褒めてくれないというのなら、
自分でやるしかありません。
自分に小さな報酬を与えるようにするのです。
例えば、何かしらの仕事のタスクを終えた時に甘いものを食べる。
あるいは、小さくガッツポーズをつくって
「やるね〜自分」などと褒めてあげる。
それだけでも十分効果的です。
1日の仕事を終えた後の1杯のビールも
まさにこれと同じ効果があるでしょう。
(もちろん、飲み過ぎたり、自分の中で仕事とビールとの関係性が崩れたら、
その効果もなくなってしまいます)
報酬系の仕組みを知らずにそれに踊らされるか、
それをうまく活用して自分や他人を好ましい方向に動機づけるか、
それは紙一重ですがとても大きな違いを生み出すことになるでしょう。
このサイトは、生き方・働き方を模索する人のためのWEBマガジンです。
運営者は原宿に住むコーチ&カウンセラー兼ライター。
月間300万pv。ほぼ1日1記事更新してます。
https://www.motivation-up.com/motivation/reward.html
報酬系(ほうしゅうけい)とは、
何か心地よいことが起きた時に活性化し、
人間や動物に「快感」を感じさせる脳内システムのこと。
例えば、何かを達成した時、
誰かに褒められた時、
大好きなチョコレートを食べた時、
私たちは「嬉しい」とか「心地よい」と感じます。
その時、脳内では快楽物質であるドーパミンが分泌されていて、
それが人に快楽を感じさせているのだと言われています。
そのシステムのことを「報酬系」といいます。
人間も動物もこの報酬系の快感が、
とても大きな行動の動機となります。
ハッキリ言って、この報酬系のシステムが私たちを動かしている
と言っても過言ではないのです。
報酬系が働くとき
では、この報酬系が働くときはどんなときでしょうか?
もともと報酬系は、
生きていくために必要なものを得たとき、
種の保存に繋がるとき、
に活性化するようにプログラムされています。
簡単にいうと、「食べること」と「セックスすること」です。
そこに「快感」を感じるように脳にプログラムされていて、
その快楽を求めて行動している。
そのプログラムのおかげで、
人間も動物も地球上で何万年もこうして生き残って来たわけです。
ただし、人間だけは他の動物と少し違っています。
人間だけは、
「誰かに褒められたとき」
「美しい景色を見たとき」
「自分の成長を実感したとき」
「ボランティアで貢献できたとき」など、
より高次な出来事に対しても報酬系が活性化します。
人間の報酬系を活性化させる3つのタイプ
人間の報酬系が活性化するパターンを
いくつかに分類すると次のように、
大きく「動物的報酬」「人間的報酬」「短期的報酬」の3つに分けられます。
1)動物的報酬
・肉体的報酬 … 食べる、セックスするなど。より本能的なものに近い。
2)人間的報酬
・物理的報酬 … お金や物など何かを獲得した時に感じるもの。
・達成報酬 … 仕事やミッションを達成した時に感じるもの。
・感覚的報酬 … 美的感動・知的好奇心などが刺激された時に感じるもの。
・社会的報酬 … 人に褒められたり、自分が特別な存在だと感じた時などに感じるもの。
・ビジョン報酬 … 夢や理想を思い描いた時などに感じるもの。
実際に手にしていなくても、
それを思い描くだけで報酬系を働かせることができる。
3)短期的報酬
・摂取報酬 … アルコール、タバコ、薬物などの摂取によるもの。
・バーチャル的報酬 … ゲーム、スマホ、ギャンブルなど。
注意が必要なのは最後の短期的報酬。
簡単に快感を味わえ、依存的になりやすいからです。
また、極端にこの短期的で簡単に得られる報酬ばかり得ていると、
それが癖になってしまい、
脳内の報酬系システムもそれに合わせて変化してしまうといいます。
つまり、将来の夢や長期的な計画に向かって
コツコツ努力するといった
長期的な報酬を待つことができなくなり、
ゲームやギャンブルなど報酬系を激しく刺激するものと比べ
低刺激な報酬では満足できなくなるわけです。
そうなると、すぐに得られる快感ばかり求めるようになり、
真面目にコツコツやるのがバカらしくなってしまいます。
しかし、現実は得てして地味なことの積み重ねですから、
そうなると現実の生活にも支障が出てきてしまいます。
ゲームやギャンブル、アルコールや薬物などにのめり込んで
生活を壊してしまう人がいるのは、
そんな脳内報酬系の異常が原因というわけです。
報酬系を活用した動機付けの方法
少し極端な例も紹介しましたが、
甘いものがやめられないのも、
タバコがやめられないのも、
スマホが手放せないのも、
全てはそこに報酬系のシステムが働いているからです。
その行為に何かしらの快感を感じているから行動してしまうわけです。
ただし、この報酬系の仕組みを理解して、
うまく活用できるようになると、
自分や他人を望ましい方向に
動機付けることができるようになります。
「子供は褒めて伸ばそう」などというのは、
まさにこの報酬系の仕組みを利用したものです。
子供をうまく褒めてあげることができれば、
子供はそれを「快」と感じて
「よし、もっとやってみよう」
と意欲が湧くわけです。
もちろん、それは大人でも同じこと。
誰も褒めてくれないというのなら、
自分でやるしかありません。
自分に小さな報酬を与えるようにするのです。
例えば、何かしらの仕事のタスクを終えた時に甘いものを食べる。
あるいは、小さくガッツポーズをつくって
「やるね〜自分」などと褒めてあげる。
それだけでも十分効果的です。
1日の仕事を終えた後の1杯のビールも
まさにこれと同じ効果があるでしょう。
(もちろん、飲み過ぎたり、自分の中で仕事とビールとの関係性が崩れたら、
その効果もなくなってしまいます)
報酬系の仕組みを知らずにそれに踊らされるか、
それをうまく活用して自分や他人を好ましい方向に動機づけるか、
それは紙一重ですがとても大きな違いを生み出すことになるでしょう。
このサイトは、生き方・働き方を模索する人のためのWEBマガジンです。
運営者は原宿に住むコーチ&カウンセラー兼ライター。
月間300万pv。ほぼ1日1記事更新してます。
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2019年08月26日
2019年08月25日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道H
120歳時代ー健康寿命を延ばす道H
老化細胞を狙う
抗老化薬隣そうな薬の候補はすでにいくつもある。
例えばアカルボース(グルコバイ)は糖尿病治療薬は雄マウスの寿命を有意に延ばす。
α-エラストラジオール(女性ホルモン剤)も、ラパマイシンの老化防止効果が発見されたのと
同様の実験で好結果を出している。
より新しくもっと有望とみられる
抗老化薬候補は、
代謝経路に作用するのではなく、
いわゆる「老化細胞」を除去するものだ。
老化細胞は分裂を停止しているものの
死んでないゾンビのような細胞で、
その場に居座り、
サイトカインという低分子タンパク質を
分泌して周囲の細胞を傷つける。
老化細胞の本当の役割は
がんに対する防御機構で、
悪性とみられる近隣の細胞を殺すためにあると
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)は考えている。
老化細胞は分泌したサイトカインが免疫系
を誘導することを通じて創傷治癒にも関与している。
サイトカインの毒性は近隣組織のはるか先まで及び、
老化した体の特徴である
軽度の炎症をもたらす。
皮肉なことに周辺組織のがん化のリスクをむしろ高める。
カークランドらは老化細胞を重要な老化促進因子とみている。
さらに年をとればとるほど体内の老化細胞は増える。
これを取り除いたらどうなるか?
カークランドとメイヨークリニックにいる分子生物学者
ヴァン・デュールセン(Jan van Deursen)らは、
遺伝子組み替えでマウスの老化細胞を排除すると
健康寿命が延びることを示した。
問題は、老化細胞が健康な細胞の間に点在していて
分離が非常に難しく、
殺すのはもっと難しい点だ。
メイヨークリニックとスクリプス研究所など
からなる研究チームは
老化細胞にアポトーシス(細胞の自殺)を誘導して
殺す薬を探した。
そして2015年の論文で3つの物質を報告した。
ダサチニブとナビトクラックスという2つの抗がん剤と
天然に存在するフラボノイドのケルセチンだ。
ケルセチンは抗酸化作用のある色素成分で、
リンゴの皮やケッパーに含まれている
(他の多くの食品にもある)。
研究チームはマウスの片脚に放射線を照射し、
加齢に伴って生じるのに似た筋萎縮を起こさせた。
放射線照射で筋肉に大量の老化細胞も生じ、
がん患者が放射線治療や化学療法を受けた後と
似た状態になった。
これを先に挙げた薬で短期間治療したところ、
マウスの足の機能はぼぼ完全に回復した。
この劇的な効果は、
薬によって老化細胞が他の細胞よりも
多く死んだからだとカークランドは考える。
「1回量を与えただけで運動量がかなり改善し、
その効果が7ヶ月続いた」
「これは実際に老化細胞が除去された証拠だと言える。
老化細胞も一度死んだらそれで終わりだ」。<了>
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
老化細胞を狙う
抗老化薬隣そうな薬の候補はすでにいくつもある。
例えばアカルボース(グルコバイ)は糖尿病治療薬は雄マウスの寿命を有意に延ばす。
α-エラストラジオール(女性ホルモン剤)も、ラパマイシンの老化防止効果が発見されたのと
同様の実験で好結果を出している。
より新しくもっと有望とみられる
抗老化薬候補は、
代謝経路に作用するのではなく、
いわゆる「老化細胞」を除去するものだ。
老化細胞は分裂を停止しているものの
死んでないゾンビのような細胞で、
その場に居座り、
サイトカインという低分子タンパク質を
分泌して周囲の細胞を傷つける。
老化細胞の本当の役割は
がんに対する防御機構で、
悪性とみられる近隣の細胞を殺すためにあると
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)は考えている。
老化細胞は分泌したサイトカインが免疫系
を誘導することを通じて創傷治癒にも関与している。
サイトカインの毒性は近隣組織のはるか先まで及び、
老化した体の特徴である
軽度の炎症をもたらす。
皮肉なことに周辺組織のがん化のリスクをむしろ高める。
カークランドらは老化細胞を重要な老化促進因子とみている。
さらに年をとればとるほど体内の老化細胞は増える。
これを取り除いたらどうなるか?
カークランドとメイヨークリニックにいる分子生物学者
ヴァン・デュールセン(Jan van Deursen)らは、
遺伝子組み替えでマウスの老化細胞を排除すると
健康寿命が延びることを示した。
問題は、老化細胞が健康な細胞の間に点在していて
分離が非常に難しく、
殺すのはもっと難しい点だ。
メイヨークリニックとスクリプス研究所など
からなる研究チームは
老化細胞にアポトーシス(細胞の自殺)を誘導して
殺す薬を探した。
そして2015年の論文で3つの物質を報告した。
ダサチニブとナビトクラックスという2つの抗がん剤と
天然に存在するフラボノイドのケルセチンだ。
ケルセチンは抗酸化作用のある色素成分で、
リンゴの皮やケッパーに含まれている
(他の多くの食品にもある)。
研究チームはマウスの片脚に放射線を照射し、
加齢に伴って生じるのに似た筋萎縮を起こさせた。
放射線照射で筋肉に大量の老化細胞も生じ、
がん患者が放射線治療や化学療法を受けた後と
似た状態になった。
これを先に挙げた薬で短期間治療したところ、
マウスの足の機能はぼぼ完全に回復した。
この劇的な効果は、
薬によって老化細胞が他の細胞よりも
多く死んだからだとカークランドは考える。
「1回量を与えただけで運動量がかなり改善し、
その効果が7ヶ月続いた」
「これは実際に老化細胞が除去された証拠だと言える。
老化細胞も一度死んだらそれで終わりだ」。<了>
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
追加プレゼント申請
2019年08月24日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道G
120歳時代ー健康寿命を延ばす道G
健康寿命を延ばすC
TAMEはTargeting Aging with Metforminー
メトホルミンにる老化抑制
メトホルミンを服用する健康な被験者と服用しない被験者
で単に寿命を比較するのではなく、
各被験者の加齢関連疾患の進行を調べるのだ。
老化の特徴の1つとして、
高齢者は高血圧や糖尿病、心疾患、認知障害といった
慢性症状がいくつも現れる傾向がある。
TAME研究では糖尿病や高血圧などの加齢関連症状がすでに1つ
現れている高齢者にメトホルミンを投与する計画だ。
これを5〜7年に渡って追跡し、
メトホルミンを服用しないとに同意した対照群と比較して、
他の加齢関連疾患の発症時期に早い遅いの差
が出るかどうかを調べる。
メトホルミンが本当に老化を遅らせるなら、
併存疾患の発症を食い止められるはずだ。
同様の手順は、心臓発作を起こしたことのない人に
高血圧治療薬を処方する可否を判断する際に取られた。
TAME研究が成功し、FDA(米食品医薬品局)が
新たな抗老化薬を評価する試験に門戸を開けば、
製薬会社もこの分野に進出してくる
と、メトホルミンの臨床試験の責任者で、
アルバート・アインシュタイン医科大学老化研究所所長
バージライ(Nir Barzilai)はみる。
従来の製薬会社だけでなく、
グーグル傘下のキャリコのようなベンチャーも動き出すだろう。
1993年、カリフォリニア大学サンフランシスコ校の
ケニヨン(Cynthia Kenyon)は、DAF-2というたった1つの遺伝子の変異が
線虫(寄生虫)の寿命を2倍に延ばすことを発見した。
この遺伝子は代謝(体が
食料をエネルギーに変換する過程)の速度にも関連している。
しかし、老化の遺伝学はまだあまりわかっていないため、
現在はmTOR(ラパマイシンの標的機構)経路や
メトホルミンのAMPK(AMP-activated protein kinase)経路
ー細胞の栄養が不足するとブドウ糖を細胞に届けるほか、
この輸送を助けるインスリンに対する感受性を高めたり、
脂肪の分解を促進して、より多くのエネルギーを作り出す。
さらに細胞のエネルギー生産機関であるミトコンドリアの生成を促す
に焦点をあてている。
キャリコの老化研究担当副社長は、
20年前に老化遺伝子DAF-2を発見した
ケニヨンその人だ。
キャリコは健康寿命を延ばす薬の探索に
10億ドル以上を投資しているようだと報道されている。
これは米国立老化研究所の全予算に相当する金額だ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
健康寿命を延ばすC
TAMEはTargeting Aging with Metforminー
メトホルミンにる老化抑制
メトホルミンを服用する健康な被験者と服用しない被験者
で単に寿命を比較するのではなく、
各被験者の加齢関連疾患の進行を調べるのだ。
老化の特徴の1つとして、
高齢者は高血圧や糖尿病、心疾患、認知障害といった
慢性症状がいくつも現れる傾向がある。
TAME研究では糖尿病や高血圧などの加齢関連症状がすでに1つ
現れている高齢者にメトホルミンを投与する計画だ。
これを5〜7年に渡って追跡し、
メトホルミンを服用しないとに同意した対照群と比較して、
他の加齢関連疾患の発症時期に早い遅いの差
が出るかどうかを調べる。
メトホルミンが本当に老化を遅らせるなら、
併存疾患の発症を食い止められるはずだ。
同様の手順は、心臓発作を起こしたことのない人に
高血圧治療薬を処方する可否を判断する際に取られた。
TAME研究が成功し、FDA(米食品医薬品局)が
新たな抗老化薬を評価する試験に門戸を開けば、
製薬会社もこの分野に進出してくる
と、メトホルミンの臨床試験の責任者で、
アルバート・アインシュタイン医科大学老化研究所所長
バージライ(Nir Barzilai)はみる。
従来の製薬会社だけでなく、
グーグル傘下のキャリコのようなベンチャーも動き出すだろう。
1993年、カリフォリニア大学サンフランシスコ校の
ケニヨン(Cynthia Kenyon)は、DAF-2というたった1つの遺伝子の変異が
線虫(寄生虫)の寿命を2倍に延ばすことを発見した。
この遺伝子は代謝(体が
食料をエネルギーに変換する過程)の速度にも関連している。
しかし、老化の遺伝学はまだあまりわかっていないため、
現在はmTOR(ラパマイシンの標的機構)経路や
メトホルミンのAMPK(AMP-activated protein kinase)経路
ー細胞の栄養が不足するとブドウ糖を細胞に届けるほか、
この輸送を助けるインスリンに対する感受性を高めたり、
脂肪の分解を促進して、より多くのエネルギーを作り出す。
さらに細胞のエネルギー生産機関であるミトコンドリアの生成を促す
に焦点をあてている。
キャリコの老化研究担当副社長は、
20年前に老化遺伝子DAF-2を発見した
ケニヨンその人だ。
キャリコは健康寿命を延ばす薬の探索に
10億ドル以上を投資しているようだと報道されている。
これは米国立老化研究所の全予算に相当する金額だ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
追加プレゼント申請
2019年08月23日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道F
120歳時代ー健康寿命を延ばす道F
健康寿命を延ばすB
メトホルミンが寿命を延ばす可能性はアルバート・アインシュタイン医科大学
老化研究所所長バージライ(Nir Barzilai)らの関心をつかんだ。
晴れはアシュケナージ系ユダヤ人の百寿者の大規模研究を率いた経験から、
これら長寿の人が高血糖や糖尿病を抱えている例が稀であることを知っていた。
超効率的な糖代謝は長寿の指標だ。
メトホルミンは私たちの代謝を変えて
百寿者の代謝に近づけるのかもしれない
とバージライはみている。
「糖尿病治療薬としての作用の多くは抗老化作用でもあり、
細胞機能とインスリン感受性を高める」
と言う。
実際、彼は両親が2人とも糖尿病だったので、
予防のため自分でもメトホルミンを服用している。
バージライは50歳を超えたら皆メトホルミンを
処方してもらうことを考えた方がよいとまでは言わないが
(彼自身は60歳)、
「メトホルミンはスーパードラッグに思える」と言う。
「老化関連の多くのことに関連しているようだ」。
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)も同意見だ。
「過去60年分のデータからメトホルミンが
実に様々な症状に作用することが示されており、
それらを総合すると、
メトホルミンが老化の基本プロセスに
作用していると考えて良いだろう」と言う。
だがヒトで抗老化薬候補を試す際には
もう一つ別の壁がある。
『時間』だ。
従来の寿命研究は完結までに数十年、
文字通り一生を要する。
これに対して2015年に承認された
『TAME』という臨床試験は別の方法を採用する。
TAMEはTargeting Aging with Metforminー
メトホルミンにる老化抑制
メトホルミンを服用する健康な被験者と服用しない被験者
で単に寿命を比較するのではなく、
各被験者の加齢関連疾患の進行を調べるのだ。
老化の特徴の1つとして、
高齢者は高血圧や糖尿病、心疾患、認知障害といった
慢性症状がいくつも現れる傾向がある。
これら複数の疾患が重なった
「併存症」
は高齢者を苦しめる主要因となっている
(医療費増大を招いていることは言うまでもない)。
TAME研究では糖尿病や高血圧などの加齢関連症状がすでに1つ
現れている高齢者にメトホルミンを投与する計画だ。
これを5〜7年に渡って追跡し、
メトホルミンを服用しないとに同意した対照群と比較して、
他の加齢関連疾患の発症時期に早い遅いの差
が出るかどうかを調べる。
メトホルミンが本当に老化を遅らせるなら、
併存疾患の発症を食い止められるはずだ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
健康寿命を延ばすB
メトホルミンが寿命を延ばす可能性はアルバート・アインシュタイン医科大学
老化研究所所長バージライ(Nir Barzilai)らの関心をつかんだ。
晴れはアシュケナージ系ユダヤ人の百寿者の大規模研究を率いた経験から、
これら長寿の人が高血糖や糖尿病を抱えている例が稀であることを知っていた。
超効率的な糖代謝は長寿の指標だ。
メトホルミンは私たちの代謝を変えて
百寿者の代謝に近づけるのかもしれない
とバージライはみている。
「糖尿病治療薬としての作用の多くは抗老化作用でもあり、
細胞機能とインスリン感受性を高める」
と言う。
実際、彼は両親が2人とも糖尿病だったので、
予防のため自分でもメトホルミンを服用している。
バージライは50歳を超えたら皆メトホルミンを
処方してもらうことを考えた方がよいとまでは言わないが
(彼自身は60歳)、
「メトホルミンはスーパードラッグに思える」と言う。
「老化関連の多くのことに関連しているようだ」。
メイヨークリニック加齢研究センターの所長で
メトホルミンの臨床試験に協力している
カークランド(James L. Kirkland)も同意見だ。
「過去60年分のデータからメトホルミンが
実に様々な症状に作用することが示されており、
それらを総合すると、
メトホルミンが老化の基本プロセスに
作用していると考えて良いだろう」と言う。
だがヒトで抗老化薬候補を試す際には
もう一つ別の壁がある。
『時間』だ。
従来の寿命研究は完結までに数十年、
文字通り一生を要する。
これに対して2015年に承認された
『TAME』という臨床試験は別の方法を採用する。
TAMEはTargeting Aging with Metforminー
メトホルミンにる老化抑制
メトホルミンを服用する健康な被験者と服用しない被験者
で単に寿命を比較するのではなく、
各被験者の加齢関連疾患の進行を調べるのだ。
老化の特徴の1つとして、
高齢者は高血圧や糖尿病、心疾患、認知障害といった
慢性症状がいくつも現れる傾向がある。
これら複数の疾患が重なった
「併存症」
は高齢者を苦しめる主要因となっている
(医療費増大を招いていることは言うまでもない)。
TAME研究では糖尿病や高血圧などの加齢関連症状がすでに1つ
現れている高齢者にメトホルミンを投与する計画だ。
これを5〜7年に渡って追跡し、
メトホルミンを服用しないとに同意した対照群と比較して、
他の加齢関連疾患の発症時期に早い遅いの差
が出るかどうかを調べる。
メトホルミンが本当に老化を遅らせるなら、
併存疾患の発症を食い止められるはずだ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
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2019年08月22日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道E
120歳時代ー健康寿命を延ばす道E
健康寿命を延ばすA
メトホルミンは1950年代に
英国で2型糖尿病(一般的な糖尿病)
の治療薬として承認され、
米国では1994年にFDAの審査を通過した。
以来、第一選択薬として
数百万人の患者に処方されてきた。
今では、安価なジェネリック薬もあり、
世界で広く処方され、
世界保健期間(WHO)は
「必須」の医薬品と位置付けている。
メトホルミンは
血液からのブドウ糖の取り込みを促す
ホルモンである『インスリン』
に対する細胞の感受性を高める。
非常に多くの人がメトホルミンを服用しているため、
研究者は患者に見られる興味深いパターンに気づいた。
例えば、
メトホルミンを服用している患者は
”がんの発生率が低い”
ことが疫学的研究でわかった。
別の研究では
心血管系に対する有益な効果が示唆されている。
さらに、糖尿病にかかると
一般的に寿命が数年短くなるのに、
英国人患者のデータに関する2014年の解析によると、
メトホルミンを服用していた年配の患者は
糖尿病でない同年代の対照群よりも
18%長生き
だった。
別の一般的な糖尿病治療薬である
スルホニル尿素剤を使っていた
患者よりも長生きであり、
長寿をもたらしたのは
糖尿病の管理ではなく、
『メトホルミン』そのもの
であることが示された。
メトホルミンが具体的にどう作用しているのか
は完全にはわかっていない。
ガレガソウという古来の生薬
に由来するこの薬の作用は
研究者の間で何十年も議論されてきた。
AMPK
AMPK(AMP-activated protein kinase)
という酵素がある。
細胞で燃料計のような働きをしており、
運動やカロリー制限などで
細胞の栄養が不足すると、
AMPKがただちに作動して、
エネルギーとなるブドウ糖(グルコース)
を細胞に届けるほか、
この輸送を助けるインスリンなどの
ホルモンに対する
感受性を高める。
また、脂肪の分解を促進して、
より多くのエネルギーを作り出す。
さらに、運動中には
AMPKが細胞のエネルギー生産機関である
ミトコンドリアの生成を促す。
これらはいずれも健康を増進する。
mTORもある程度阻害するようだ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
健康寿命を延ばすA
メトホルミンは1950年代に
英国で2型糖尿病(一般的な糖尿病)
の治療薬として承認され、
米国では1994年にFDAの審査を通過した。
以来、第一選択薬として
数百万人の患者に処方されてきた。
今では、安価なジェネリック薬もあり、
世界で広く処方され、
世界保健期間(WHO)は
「必須」の医薬品と位置付けている。
メトホルミンは
血液からのブドウ糖の取り込みを促す
ホルモンである『インスリン』
に対する細胞の感受性を高める。
非常に多くの人がメトホルミンを服用しているため、
研究者は患者に見られる興味深いパターンに気づいた。
例えば、
メトホルミンを服用している患者は
”がんの発生率が低い”
ことが疫学的研究でわかった。
別の研究では
心血管系に対する有益な効果が示唆されている。
さらに、糖尿病にかかると
一般的に寿命が数年短くなるのに、
英国人患者のデータに関する2014年の解析によると、
メトホルミンを服用していた年配の患者は
糖尿病でない同年代の対照群よりも
18%長生き
だった。
別の一般的な糖尿病治療薬である
スルホニル尿素剤を使っていた
患者よりも長生きであり、
長寿をもたらしたのは
糖尿病の管理ではなく、
『メトホルミン』そのもの
であることが示された。
メトホルミンが具体的にどう作用しているのか
は完全にはわかっていない。
ガレガソウという古来の生薬
に由来するこの薬の作用は
研究者の間で何十年も議論されてきた。
AMPK
AMPK(AMP-activated protein kinase)
という酵素がある。
細胞で燃料計のような働きをしており、
運動やカロリー制限などで
細胞の栄養が不足すると、
AMPKがただちに作動して、
エネルギーとなるブドウ糖(グルコース)
を細胞に届けるほか、
この輸送を助けるインスリンなどの
ホルモンに対する
感受性を高める。
また、脂肪の分解を促進して、
より多くのエネルギーを作り出す。
さらに、運動中には
AMPKが細胞のエネルギー生産機関である
ミトコンドリアの生成を促す。
これらはいずれも健康を増進する。
mTORもある程度阻害するようだ。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
追加プレゼント申請
2019年08月21日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道D
120歳時代ー健康寿命を延ばす道D
健康寿命を延ばす
重要なことは「より健康」に「長生き」することだ。
人の寿命は延びているが、
人生の後半は病気や障害に苦しむことが多い。
人口統計学者のファウペル(James W. Vaupel)と
エッペン(Jim Oeppen)が
2002年のScience誌で示したように、
長寿国の平均寿命は1840年代からほぼ直線的に延びてきた
(現在最も長寿なのは日本人女性)。
人間は人類史上買ってないほど長生きするようになった。
しかし、健康寿命(健康な生活を送れる期間)
は、それほど速くは延びていない。
つまり、晩年に病気や障害を抱えて、
衰えていく恐ろしい期間が実際には長くなっている。
ますます長生きするようにつれて変わったのは、
かかる病気の種類だけだ。
がんや心疾患による死亡率が下がり、
アルツハイマー病(日本ではまだ、アルツハイマー型認知症)
になる人が増えている。
65歳以上の米国人の9人に1人はアルツハイマー病などの
認知症を患い、そのリスクは80歳以降急激に高まる。
「アルツハイマー病が驚くほど増えているが、
この疾患が一般的になる70代後半から80代くらいまで
多くの人が生きられるようになった
のだから、当然だと言える」
とイリノイ大学シカゴ校の人口統計学者
オルシャンスキー(S. Jay Olshansky)は言う。
「このままでは事態はもっと悪くなると思う。
これに変わる道は、老化を遅らせて、
病気の期間と終末期を縮めることだ」。
先進国ではがんと心臓病、アルツハイマー病、糖尿病
を合わせて死因の約半数を占める。
100歳超えの人たちは
人生の最後に床に伏す期間が、
70代で亡くなる人よりもかなり短い
傾向が研究で示されている。
抗老化薬の成功には、
単に寿命を延ばすだけではなく、
健康で元気でいられる期間を
延ばすことが求めれると
オルシャンスキーは言う。
しかしごく最近まで、
そのような薬の開発には難しい”壁”があった。
米食品医薬品局(FDA)が老化を病気とみなしてこなかったからだ。
このため老化の過程そのものを
標的とした薬は承認されなかった。
老化を”測定”する客観的な方法はない。
当人の老化が速いか遅いかを知る血液検査はない。
これでは抗老化薬の効果を評価しようがない。
だが、2015年にFDAが
『メトホルミン』
の老化防止効果を評価する
臨床試験を承認したことで、
道が開けてきた。
メトホルミンは1950年代に
英国で2型糖尿病(一般的な糖尿病)
の治療薬として承認され、
米国では1994年にFDAの審査を通過した。
以来、第一選択薬として
数百万人の患者に処方されてきた。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
健康寿命を延ばす
重要なことは「より健康」に「長生き」することだ。
人の寿命は延びているが、
人生の後半は病気や障害に苦しむことが多い。
人口統計学者のファウペル(James W. Vaupel)と
エッペン(Jim Oeppen)が
2002年のScience誌で示したように、
長寿国の平均寿命は1840年代からほぼ直線的に延びてきた
(現在最も長寿なのは日本人女性)。
人間は人類史上買ってないほど長生きするようになった。
しかし、健康寿命(健康な生活を送れる期間)
は、それほど速くは延びていない。
つまり、晩年に病気や障害を抱えて、
衰えていく恐ろしい期間が実際には長くなっている。
ますます長生きするようにつれて変わったのは、
かかる病気の種類だけだ。
がんや心疾患による死亡率が下がり、
アルツハイマー病(日本ではまだ、アルツハイマー型認知症)
になる人が増えている。
65歳以上の米国人の9人に1人はアルツハイマー病などの
認知症を患い、そのリスクは80歳以降急激に高まる。
「アルツハイマー病が驚くほど増えているが、
この疾患が一般的になる70代後半から80代くらいまで
多くの人が生きられるようになった
のだから、当然だと言える」
とイリノイ大学シカゴ校の人口統計学者
オルシャンスキー(S. Jay Olshansky)は言う。
「このままでは事態はもっと悪くなると思う。
これに変わる道は、老化を遅らせて、
病気の期間と終末期を縮めることだ」。
先進国ではがんと心臓病、アルツハイマー病、糖尿病
を合わせて死因の約半数を占める。
100歳超えの人たちは
人生の最後に床に伏す期間が、
70代で亡くなる人よりもかなり短い
傾向が研究で示されている。
抗老化薬の成功には、
単に寿命を延ばすだけではなく、
健康で元気でいられる期間を
延ばすことが求めれると
オルシャンスキーは言う。
しかしごく最近まで、
そのような薬の開発には難しい”壁”があった。
米食品医薬品局(FDA)が老化を病気とみなしてこなかったからだ。
このため老化の過程そのものを
標的とした薬は承認されなかった。
老化を”測定”する客観的な方法はない。
当人の老化が速いか遅いかを知る血液検査はない。
これでは抗老化薬の効果を評価しようがない。
だが、2015年にFDAが
『メトホルミン』
の老化防止効果を評価する
臨床試験を承認したことで、
道が開けてきた。
メトホルミンは1950年代に
英国で2型糖尿病(一般的な糖尿病)
の治療薬として承認され、
米国では1994年にFDAの審査を通過した。
以来、第一選択薬として
数百万人の患者に処方されてきた。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
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2019年08月20日
120歳時代ー健康寿命を延ばす道C
120歳時代ー健康寿命を延ばす道C
老化を止めるスイッチC
1970年代、イースター島の土壌から
真菌の成長を止める物質が見つかり、
同島の現地名「ラパ・ヌイ」から
「ラパマイシン」と命名された。
成長や増殖などの細胞活動に
必要なある酵素を
ラパマイシンが阻害することが
後にわかった。
これらの細胞活動は最終的に
細胞の機能を劣化させるため、
細胞活動に必要な酵素を阻害すると
細胞が元気でいられる期間が長くなる。
この酵素は「ラパマイシンの標的機構
(mechanistic target of rapamycin)」
を略してmTORと呼ばれ、
老化スイッチのオン・オフを
切り替えることで
動物の寿命を延ばすと見られている。
この経路こそ
「ラパマイシンの標的機構(mTOR エムトア)」
で、細胞という小さな工場の電流遮断機となっている。
ラパマイシンの構造を少し変えた
「アフィニトール」
という薬を抗がん剤として
販売しているノバルティス
による小規模臨床試験では、
この薬を投与された高齢者は
インフルエンザワクチンに
対する
反応が実際に高まった。
これはラパマイシンが
免疫応答を促進する
場合があることを示している。
ほかにも興味深い証拠がある。
健康な90代の人は
mTORの活性が低い
ことがオランダの研究で示されている。
次のステップは、資金が許せば、
高齢のイヌで長期的な研究を行い、
老化の進行を追跡することだ。
マウスでの結果と同様に
イヌが健康に長生きすれば、
ヒトでの臨床試験も考えられる
ようになるだろう。
「あと5年もすれば、
実際にどれくらいの効果があるかわかるだろう」
とケバーラインは言う。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日
老化を止めるスイッチC
1970年代、イースター島の土壌から
真菌の成長を止める物質が見つかり、
同島の現地名「ラパ・ヌイ」から
「ラパマイシン」と命名された。
成長や増殖などの細胞活動に
必要なある酵素を
ラパマイシンが阻害することが
後にわかった。
これらの細胞活動は最終的に
細胞の機能を劣化させるため、
細胞活動に必要な酵素を阻害すると
細胞が元気でいられる期間が長くなる。
この酵素は「ラパマイシンの標的機構
(mechanistic target of rapamycin)」
を略してmTORと呼ばれ、
老化スイッチのオン・オフを
切り替えることで
動物の寿命を延ばすと見られている。
この経路こそ
「ラパマイシンの標的機構(mTOR エムトア)」
で、細胞という小さな工場の電流遮断機となっている。
ラパマイシンの構造を少し変えた
「アフィニトール」
という薬を抗がん剤として
販売しているノバルティス
による小規模臨床試験では、
この薬を投与された高齢者は
インフルエンザワクチンに
対する
反応が実際に高まった。
これはラパマイシンが
免疫応答を促進する
場合があることを示している。
ほかにも興味深い証拠がある。
健康な90代の人は
mTORの活性が低い
ことがオランダの研究で示されている。
次のステップは、資金が許せば、
高齢のイヌで長期的な研究を行い、
老化の進行を追跡することだ。
マウスでの結果と同様に
イヌが健康に長生きすれば、
ヒトでの臨床試験も考えられる
ようになるだろう。
「あと5年もすれば、
実際にどれくらいの効果があるかわかるだろう」
とケバーラインは言う。
【引用文献】
B. ギフォード(Bill Gifford)サイエンスライター
別冊日経サイエンス 人体の不思議
日経サイエンス編集部 日経サイエンス社 2018年2月17日