さて、初めの1匹は、グーコという雌猫でした。

猫は、飼い主を決めてやってくるといいます。

1か月ほど、私の家の庭に毎日、やってきて家猫に成り上がりました。

猫の情熱に負けた私は、猫にグーコという名を付け、飼うことにしたのでした。

そのうち、猫に子供が出来たようですので私は毎日、

「グーコ、赤ちゃん猫が生まれたらここに連れて来てね！」と頼みました。

約束通り、赤ちゃん猫が生まれて、２週間ほどすると宅急便のように、

口に子猫をくわえて我が家に連れて来てくれたのでした。

子猫が5匹でしたので、いっきに6匹の大家族になりました。

そんな中で、私は貴重な猫たちのお食事風景を見る機会が出来たのです。

母猫グーコは、昼寝をした後、私に子猫用のえさを欲しがりました。

ソーセージを上げて、子猫の待つ外に出してあげると

母猫は、一番先に一番弱い猫に餌をあげるのです。

みんな同じように、お腹がすいていても絶対に横取りをしません。

えさを放さない限りじっと待ちます。えさを放すと、

次の猫がという具合にきちんと順番を守っていました。

もしも、ルールに違反すれば、母猫はその猫の耳を噛んで怒ります。

そのような目にに遭わされた猫は、絶対服従、

身体が母猫より大きくてもシュンとしてしまいます。

私は、よくライオンなどがえさを食べている風景とは

全く違う事におおきな驚きを覚え、猫の子育てがどんなにか

厳しいものであるかを教えてもらいました。

なんだか、人間の方がずっと猫に劣るような気がしてなりませんでした。