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2024年09月06日

ありがとう

私は全神経を集中して気配を消している。
そう私は空気、世界の一部、ここには存在しないのだ!
超婆「あら、まりちゃん!お茶取りにきたの?」
次の獲物を見つけ、目を輝かせながら近づいてくる。その隙に先ほど話を聞かされていた人は、そそくさと立ち去って行った。

カレン「あっけなく見つかってしまいましたね」
違うぞ!これは、あえて見つかったのだ!さっきの人が困っていたからな、あえてだ!あ え て!
セラ「さっすがご主人様!!」

超婆「お茶取りに来たんでしょ。さ、どうぞ」
私「え、は、はい」
超婆「また部長に頼まれたんでしょう?まりちゃんも大変ねぇ」
私「い、いや、まあ、あはははは」
超婆「あ、そういえば、まりちゃんも聞いてちょうだいよ〜。実はね…」

そこからの記憶はない。あまりのくだらn、楽しいお話に思考を停止してしまったようだ。
部長の叫び声で我に返り、なんとか逃れることができたが、時すでにおすし。いや、遅し。
結局、昼時間はもうなく、せっかくの機会を逃してしまった。

気が付けばもう就業時刻。私は少し風にあたりたくなり、屋上にきた。
この時間の屋上はとても好きだ。仕事帰りの人たち、車のライト、街の灯りを見てるだけで少し心がやわらぐ。
カレン「風邪。引いてしまいますよ。帰りましょう」
私「そうだね。ありがとう」
渡せなかったプレゼントを手に帰ろうとした。

みっちゃん「あれ?まりあんぬさん?」
私「え?み…本田さん?!」
みっちゃん「どうしたんですか?こんなところで?」
私「い、いや、少し風にあたろうかと…。ほ、本田さんは?」
みっちゃん「私はさっき給湯室でここに行ってみたらって…あれ?それは?」
突然の出来事に私は手に持ったプレゼントを隠すのを忘れていた。想定外のことでどうしていいかわからない。気まずい空気だ。

だが、彼女はクスリと笑い
みっちゃん「まりあんぬさんも持ってきてくれたんですか?プレゼント!」
彼女の眩しい笑顔、私の思考は停止する。
私「そ…その…どうぞ…」
思考が停止し、真っ白になった頭で私はプレゼントを渡す。

それを受け取った彼女は満面の笑みで

「ありがとう!」


















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