2020年04月30日
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アロマテラピー
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精油の瓶とディフューザー
アロマテラピー(仏: aromathérapie[※ 1])またはアロマセラピー(英: aromatherapy[※ 2])は、一般的には、精油(エッセンシャルオイル)、または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて、病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレスの解消などを目的とする療法である[1][2]。芳香療法、香料治療とも[3]。実際様々な方法で用いられている[4]。ムード作りのインテリアの一種としても使われている[4]。使用される精油は植物に由来する揮発性の油で、それぞれ特有の芳香を持ち、生物活性が科学的に認められるものもある。
精油を使った医療は、アラビアやヨーロッパで昔から行われている伝統医学・民間療法のひとつである[5]。1990年代以降世界的に普及した[4]。ストレス[6]、うつ病[7]、不安[8]、睡眠の質[9]、月経困難症[10]、女性の性欲の刺激[11]、疼痛に[12]に有効であるとシステマティック・レビューにより示され(がんの疼痛は緩和しないようである[13])、殺菌作用を持つ精油は、石鹸などに配合されたり、歯科などでも模索されている。現代では、自己管理の健康法としても用いられている[4]。先進国の産業社会に反対する対抗文化(カウンターカルチャー)であり、ニューエイジの一つのライフスタイルである[14]。
目次
1 概説
2 名称・分類
2.1 時代による定義の変遷
2.2 現在の欧米での分類
2.3 スピリチュアルな癒し
3 精油
3.1 精油の作用・研究
3.2 毒性
3.3 ペットの中毒事例
4 方法
5 医療用途
5.1 システマティック・レビュー
6 問題
6.1 精油の偽装とその危険
6.2 現代医療との併用
6.3 アロマセラピスト
6.4 非論理的・非科学的・神秘的な主張
6.5 精油原料の乱獲と自然破壊
6.6 火災の危険性
6.7 アロママッサージ店の摘発
7 歴史
7.1 概要
7.2 古代
7.3 アラビア錬金術と水蒸気蒸留法
7.4 ヨーロッパにおける精油療法の発展
7.5 医化学の発展と精油療法の衰退
7.6 「アロマテラピー」と精油療法の再評価
7.6.1 フランス
7.6.2 イギリス
7.6.3 ドイツ
7.6.4 中近東・西アジア
7.6.5 日本
8 アロマテラピーに使われる精油
9 脚注
9.1 注釈
9.2 出典
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
概説
精油を用いるアロマテラピーは、植物療法あるいはハーブ医学から派生したもので[15]、錬金術と深く関係して発展した[16]。アロマテラピーという言葉は、1930年頃にフランスの調香師・香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセが、アロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて作った造語である[17][5][18]。ガットフォセのアロマテラピーは、香料を使った療法であったが、その治療効果に香りは関係なかった[19]。また彼は、近代科学を疑う自然運動家ではなく、アロマテラピーを一つの新しい見込みのある療法として医者に推奨していた[20]。日本には、江戸時代に西洋医学が伝わった際に、精油を用いた医療が伝わり、蘭方で精油が薬として利用された[21]。「アロマテラピー」の呼称では、1980年代に「イギリスからの自然派美容マッサージ」という形で導入されたため[22]、現在の日本では医療という認識は薄い[22]。
日本語では芳香療法と訳されることが多いが、元々は精油を薬剤として用いる薬物療法を指しており[15][22]、フランスでは現在もこの意味で使われる。イギリスに伝わって精油を使った美容法などが「アロマセラピー」と呼ばれるようになり、のちに精油の香りを嗅いで体と心を癒す感覚療法(嗅覚療法)、リラクセーション法なども含まれるようになった。アロマテラピー(アロマセラピー)の定義はあいまいかつ多様である[15][23]。
現在日本では、広くはアロマコロジー(英語版)(芳香心理学)、美容を目的とする行為、ただ精油の香りを楽しむ行為なども含まれる[1]。日本では精油業者や美容業界の主導で広まり、趣味や美容法、リラクゼーション法の一種として、女性を中心に人気を得ている[24]。医療の分野では補完・代替医療のひとつとして知られる。病気の予防、通常の治療の補助的療法として利用され、介護や看護の場面で行われたり、病室の環境改善に用いられることもある[24]。発祥の地であるヨーロッパでも、治療の主な手段となることはほとんどない[24]。精油の医学的利用の研究者は少ないが[24]、2009年には臨床研究は徐々に増えてきているとも伝えられる[25]。
ティーツリー[26]などのいくつかの精油は抗微生物活性が認められているが、真菌、細菌、ウイルスに対する臨床研究は依然として十分ではない[27]。
一般書籍でいわれる精油の効能は、科学的に証明されていないものが多い[2]。
また、精神に関わる形而上学的な領域にも取り入れられたため、精油を植物の精髄である神聖な医薬品とみなしたり、他の伝統医学の理論を援用し、心身だけでなく魂の健康を目指すスピリチュアルな施術者もいる[28][29]。
名称・分類
アラビアやヨーロッパでは、伝統的に精油が医療に用いられていた。1930年頃にフランスの調香師・香料研究者ルネ=モーリス・ガットフォセが、精油を使った療法を「アロマテラピー」と名付け、1937年に精油の医療面での利用に関する本Aromathérapie – les huiles essentielles hormones végétales を刊行した。「アロマ」は「芳香」(ギリシャ語:ἄρωμα[※ 3][30], ラテン語:arôma)、「テラピー」は「療法」(ギリシャ語:θεραπεία, ラテン語:therapeia)で、「アロマテラピー」はこのふたつを組み合わせた造語である[31][32]。英語では「アロマセラピー」(英: aromatherapy[※ 2])となる[※ 4]。医学博士の鳥居鎮夫は、「精油という芳香物質を使った療法」を、「香りを嗅ぐことによって病気を治す療法」を意味するアロマテラピー(芳香療法)と呼ぶのはおかしいが、おそらく香料の専門家であったガットフォセは、薬用植物の中で特に芳香性植物から抽出した精油の効能を取り扱うことを強調したのであろう、と述べている[15]。「アロマ」は感覚をあらわすと同時に、実体ある芳香物質(芳香化合物)を意味している[15][※ 5]。「アロマテラピー」は感覚療法であると同時に植物療法(薬物療法)でもあり、非常にあいまいな用語である[15]。そのため香りの心理効果や芳香物質の薬理効果の研究の際に、アロマテラピーという用語を避け、アロマコロジー(芳香心理学)、アロマトロジー(芳香物質学)という言葉が使われることもある[15]。フランスのアロマテラピーでは、精油の薬理効果に重きを置き、香りは注目されない。精油の香りによる療法は、フランスではアロマテラピーと区別され、オルファクトテラピー(嗅覚療法)と呼ばれ、精神疾患や神経系疾患を治療するために利用される[33][34][35]。
時代による定義の変遷
鳥居鎮夫は、アロマテラピー(アロマセラピー)の定義は時代によって変遷があると指摘している。また、国によっても意味は異なる。
精油を使って病気を治す技術
精油を体内に取り込む技術
精油の香りを嗅いで体と心を癒す技術
フランス語の「アロマテラピー」は、「精油を使って病気を治す技術」を意味した[15]。フランスでは医療として医師が行ったが、伝播したイギリスでは主に美容目的で行われ、アロマセラピスト(香料治療師[3])は医者ではなかったため、「病気を治す」という表現を避け、「精油を体内に取り込む技術」とされた[15]。時代が下るとイギリスなどでは、これに「精油の香りを嗅いで体と心を癒す技術」といった意味が加わった。前の2つは精油の薬理作用を基礎とする定義であり、最後の1つは嗅覚刺激によるものである[15]。アロマテラピー(アロマセラピー)は、時代や国、業界によって、意味するところが異なる。日本では、自然の香りを楽しむ森林浴などもアロマテラピーに含むこともある。
現在では、美容を目的としエスティックサロンなどで行われる「エステティック・アロマセラピー」と、病気の治療や予防、症状の緩和を目的とし、医療、看護、介護で行われる「メディカル・アロマセラピー」の2つの領域に大別される[24]。日本では最初、「エステティック・アロマセラピー」はイギリス、「メディカル・アロマセラピー」はフランスの影響を受けたものが広まったといわれる。日本の医療では、民間の「アロマテラピー」との混同を避け、「アロマセラピー」と呼ぶことが多いが[36]、フランス系(大陸系、医療系[※ 6])が英語で、イギリス系(美容系)がフランス語でよばれていることになる。
現在の欧米での分類
生化学者のマリア・リサ・バルチンは、近年欧米では、アロマセラピー(芳香療法)、アロマトロジー(芳香物質学[15])、アロマコロジー(芳香心理学)の3種類に分類されていると述べている[2]。
アロマコロジー(芳香心理学)
芳香物質に関する技術と人間の心理作用、芳香物質の脳への影響と作用の仕組みの究明を主な目的とする。人間の感情・情動だけでなく、行動によい影響を与える香りの立証も目指す。名称は、1982年にSense of Smell Institute(SSI、嗅覚研究所)によって提案された[2]。
アロマセラピー(芳香療法)
「アロマテラピー」ではなく「アロマセラピー」と呼ばれる。SSIの定義では、心身の不調に対する植物芳香療法である。精神的な障害(慢性抗うつ病など)の軽減も目指す[2]。
アロマトロジー(芳香物質学、芳香物質療法)
精油(芳香物質)を体内に取り込むことを主眼とする療法で、イギリス以外のヨーロッパで従来一般的なアロマテラピーを指す[2]。日本でフランス系、医療系アロマテラピーと呼ばれるものに重複する部分が大きい。内服、坐薬、膣内への利用などもあり、医師や有資格のハーバリストが行う内科的方法だが、イギリスやオーストラリア、アメリカでは、ハーバリスト、民間資格者、無資格者による施術が安全面・法律面で問題となっている[2]。3〜4.5mlもの精油を原液で皮膚に塗布するような激しい療法もある[2]。
このように、補完・代替医療としての「アロマセラピー」と、アロマトロジー的な意味合いを含めたヨーロッパ大陸型の従来の「アロマテラピー」は、かなり趣が異なる。補完・代替医療としての「アロマセラピー」では、「治療」より「癒し」に重きが置かれる[2]。
スピリチュアルな癒し
精油の医療への利用は、第一次世界大戦時にフランスのガットフォセなどにより再評価され、精油の薬効の科学的研究が行われた。それと同時に、精神に関わる形而上学的な領域にも取り入れられた。アロマテラピーを世界的に流行させるきっかけになったロバート・ティスランドは、中国思想や西洋占星術の影響を受けており、その著作にはニューエイジ的な神秘思想が見られる[37]。ヨーロッパの錬金術では、蒸留により植物から精髄(クィンタ・エッセンチア[※ 7]、第五元素、エーテル)として精油の抽出を目指しており、現在でも精油を植物の力や波動を宿す神聖な医薬品と見なす考え方がある[28]。アロマセラピストには、花の「活気」(バイブレーション、振動という言葉も好まれる)は、化学的な方法では殺されてしまうが、錬金術師が第五元素(エーテル)を抽出するために用いた水蒸気蒸留法で精油を抽出すれば保つことができると信じる人もある[38]。
ヴェルナーは、中世ヨーロッパの錬金術への憧れは、近代医学に対する不満とニューエイジの神秘思想からきていると指摘している[38]。ヨーロッパ伝統医学における占星術的な身体観(獣帯人間)や植物の解釈、アーユルヴェーダ(インド伝統医学)のチャクラや中国医学の五行といった理論、宝石療法や波動理論などを取り入れた、スピリチュアルな癒し(心霊治療、波動療法、エネルギー療法)としてのアロマテラピーもある[28][39]。精油を使って心身だけでなく魂、サトルボディ(微細身[※ 8]、エネルギー体、霊体)の健康を目指すスピリチュアルな施術者もいる[28]。ただし、スピリチュアルな解釈を重視し科学的研究を軽視または無視する施術者も存在するため、精油による中毒や副作用などの問題が起こる可能性もある[2]。
ドイツの神秘思想家ルドルフ・シュタイナーの世界観を背景とし、西洋医学に基礎を置いた代替・補完療法である人智医療(アントロポゾフィー医学、シュタイナー医学)・看護は、1900年代初頭にスイス・ドイツを中心に発展したが、このケア技術の一つに精油を用いた療法がある。リズミカルマッサージ(ドイツ語版)を前身とするリズミカルアインライブング(独語:Rhythmishe Einreibung)と呼ばれる療法は、「アロマオイルや軟膏を定型フォルムに添ってリズミカルにケアリングタッチで皮膚に塗擦するケア」で、シュタイナーと協働していた医師イタ・ヴェーグマン(ドイツ語版)が創始した。その源流はスウェーデン式マッサージにあるとされているが、マッサージと異なり、筋肉を揉みほぐすのではなく主に軽擦法を用いてオイルや軟膏を皮膚に塗布しなじませることを主眼とする。加えてリズミカルな手技によって人間の自然治癒力の回復を促すケア技術であるといわれている。「四構成要素モデル」(人間を自然界の四つの基本存在の特質である物質(鉱物)・生命力(植物)・心(動物)に加えて精神を持つホリスティックな存在と考える)と、「三層構造モデル」(人間を「頭部:神経 - 感覚システム」「胸部:リズムシステム」「腹部:四肢 - 代謝システム」の三層の機能モデルで捉えて、健康とは「両極のバランス維持」であり、中間にあるリズムシステムが両極の調和を図ると考える)という人智医療の理論に基づいている。痛みの緩和や呼吸の改善、健康感上昇、信頼感・安心感の形成、集中力強化などの効果があるとされ、また「共に癒されるケア」「看護の質を耕すケア」「孤独を癒し愛を伝えるケア」としての可能性を持つケア技術でもあるという。[40]
精油
詳細は「精油」を参照
アロマテラピーで使われる精油は、花、茎、幹、根、樹脂、果皮などを水蒸気蒸留することで得られる揮発性の油である。油脂ではない。低温圧搾(柑橘類のみ)で抽出されたエッセンスや溶剤で抽出されたアブソリュートは、揮発しない成分を含み、厳密には精油ではないが、おおざっぱに分類すれば精油と呼ばれる[2]。主に食品業界で香料として利用され、香水や化粧品にも用いられる。ほとんどの種類の精油は食品添加物として認証を得ているため、動物実験で毒性が確認されている[2]。疎水性であり、ビタミンCなどの水溶性成分は含まれない。100-250種類程度の芳香化合物(芳香分子)からなるものが多いが、ローズウッド (クスノキ科)やクラリセージのように、数種類の芳香化合物で構成されるものもある[41][※ 9]。
抗菌、抗真菌、抗微生物作用などがみられる精油もある[2]。精油の薬理効果は、アルコールやエステルといった各成分の薬理効果が重複しており[41]、成分の相互作用について不明な点も多く[42]、その作用を特定することは容易ではない。原料植物の精油成分の含有量は、地域や生産年、抽出部位によって違いがあり、業者によって原料量・蒸留器具・蒸留時間も異なるため、同じ植物の精油でも、製品によって成分の含有量に違いが見られる。理学博士の荘司菊雄は、アロマテラピーに用いる精油には、「抽出植物名(学名)、抽出部位、産地、ロットごとの分析表」が不可欠であると述べている[41]。しかし、農家から精油の買い付けをするアロマセラピストの中村あづさアネルズは、商品として販売される精油は、ラベルの名称と中身、成分分析表が違うことがあり、明らかに香りがラベルと異なる場合もあると指摘している。そのため薬剤師・翻訳家の林真一郎は、成分分析表は重要なものだが、この有無だけでアロマテラピーに適しているか判断することはできないと述べている。なお、医療に使われるほど高品質な精油であるとして、「医療グレード」「セラピーグレード」と呼ばれる商品があるが、このような規格はなく、ただの造語にすぎない[43][44]。
精油の作用・研究
「嗅覚」および「精油#薬理効果・臨床研究」も参照
精油が心身に働きかける経路は、次の3つがあると言われる[5]。
気化したものを吸入し、嗅覚刺激として中枢神経系に働きかける経路(吸入した場合、肺から血液にも溶けこむ)
皮膚に精油を塗った場合に、皮膚を通過して血流に乗り体内に入る経路
経粘膜投与(経直腸、経膣投与、うがい液としての使用)、経口投与で、胃や腸などの粘膜から吸収されて血液に溶け込み、全身へ行きわたる経路
精油は数十から数百の揮発性化合物の混合物であり、ひとつひとつの成分がどのように人体へ影響するのかを追跡するのは容易ではなく、人体への影響の詳細は不明な部分が多い。同じ精油・同じ薬理成分でも、使用法の違い、精油が吸収される経路の違いによって薬理作用は異なり、人体に与える影響はかなり異なることが分かっている[22]。例えばサンダルウッドの精油は、吸引すると刺激作用が、マッサージに用いると鎮静作用が見られた[2]。内服を除いて、どの方法でも人体に吸収される精油はごく微量である[22]。
精油を吸入した場合、におい分子が嗅覚器で神経インパルスに変換されて脳に伝わり、心身に影響を与える[22]。嗅覚は感情に密接に結び付いた、基本的な感覚である。蒸散した精油の芳香成分は鼻で感知され、嗅覚刺激として視床下部から下垂体にかけた領域、いわゆる大脳辺縁系に到達する。大脳辺縁系は、脳の中でも原始的な部分であり、扁桃体と海馬が神経インパルスにより活性化するが、この2つは記憶、性欲、感情、想像力の中枢であることがわかっている[2]。(匂い情報の脳への伝達、脳への影響の詳細は解明されておらず、煩雑になるため省略する。)香りの吸入で、体内に変化が起こり、血圧の変化など複数の生理反応が誘発される可能性がある[2]。心理面への芳香の影響の研究は、1983年から嗅覚研究所(SSI)とエール大学の共同研究が行われた[2]。
アロマ・マッサージでは、精油はわずかに経皮吸収され、血液に溶け込むと言われる。ただし、生化学者のマリア・リサ・バルチンは、精油を植物油で希釈してマッサージを行った場合、ほとんどの精油成分は経皮吸収されずに、皮膚に残留する可能性が高いと述べている[2][45]。
アラビア・ヨーロッパでは、古くから精油が治療に用いられてきた。ヨーロッパで精油が効果を発揮するメカニズムの研究が進められているかというと、必ずしもそうではなく、かつての漢方薬同様、効果や適応は伝承や経験による部分が大きい[24]。用法や安全性に関する検証も、十分には行われていない[24]。
聖路加看護大学の鈴木彩加・大久保暢子は、医学中央雑誌におけるアロマテラピーに関する150の論文(1983年 - 2008年6月)の内、精油の種類が記載されていない又は詳細不明のものが20件あり、実験研究は6論文と少なくアロマテラピーの有用性を示すには十分といえないと指摘している[25]。アロマテラピーはランダム化比較試験の実施が極めて難しく(香りがすれば被験者にも分かってしまうため)、また主に医療の補助的手段として用いられるため、単体でははっきりした結果が得られないことも多い[1][2]。精油の偽装が広く行われているため、臨床研究で使用された精油が100%天然でない、または材料植物が表示と異なる可能性も否定できないなど[1][46]、評価が難しい面がある。不十分な研究や個人的な経験がエビデンスとして取り上げられることもあり[2][47]、質の高い臨床研究と、そのための研究デザインの作成、使用される精油の質・材料植物の品種の保証が必要とされている[1][25]。
医療では、看護師ががん患者や妊産婦に対して、睡眠促進、浮腫の軽減、筋肉の緊張の緩和などの目的で行っている。精油を用いたマッサージや足浴などが、浮腫や不眠等の症状緩和に有効なことは経験的に認められており、活用されていが、エビデンス確立には至っていない[25]。
アロマテラピーの書籍や民間資格でいわれる精油の効能は、ハーブや精油の民間療法の伝承がベースであるものも多く、広く知られた効能でも科学的根拠が存在しない「都市伝説」のようなものもある[48]。古いイギリスの本草書などにあるハーブ療法で、チンキ(水溶性・油溶性成分を含む)やティー(水溶性成分を含む)の形で使われた情報を引用している場合もあるが、精油には水溶性成分が含まれないため、ハーブの効能をそのまま利用することはできない[49]。また、生化学博士のマリア・リス・バルチンは、コモン・ラベンダー(Lavandula angustifolia)やテンジクアオイ属の通称ゼラニウム(Pelargonium graveolens)の精油[※ 10]は、別の植物の効能などが間違えて引用され、情報が混乱していると指摘している[2][50][51]。精油販売業者が無根拠な薬効を主張することもあり、世界中で精油の連鎖販売取引(マルチ商法)を行うヤングリヴィングとドテラは、医薬品として認証されていない自社精油を、エボラ出血熱などに治療効果があると主張して販売したとして、2014年にアメリカ合衆国の政府機関・アメリカ食品医薬品局(FDA)から警告を受けている[52][53][54][55]。
皆さん~~~ヾ(^∇^)おはよー♪
こんな世の中でも生きていればきっといいことあるかもね(^_-)-☆
皆さんにも明日への扉がきっと来ますよ!(^^)!
最後まで諦めづに頑張っていきましょう!!!
私自身も堀川早苗さんに映画バトルロワイアル3のプロデュースをやって頂けるように頑張っていきます!
またハコイリムスメのメンバーにもこれから頑張って頂きたいですね!(^^)!
皆さんも応援していきましょうね!(^^)!
ではまたね(@^^)/~~~
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精油の瓶とディフューザー
アロマテラピー(仏: aromathérapie[※ 1])またはアロマセラピー(英: aromatherapy[※ 2])は、一般的には、精油(エッセンシャルオイル)、または精油の芳香や植物に由来する芳香を用いて、病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレスの解消などを目的とする療法である[1][2]。芳香療法、香料治療とも[3]。実際様々な方法で用いられている[4]。ムード作りのインテリアの一種としても使われている[4]。使用される精油は植物に由来する揮発性の油で、それぞれ特有の芳香を持ち、生物活性が科学的に認められるものもある。
精油を使った医療は、アラビアやヨーロッパで昔から行われている伝統医学・民間療法のひとつである[5]。1990年代以降世界的に普及した[4]。ストレス[6]、うつ病[7]、不安[8]、睡眠の質[9]、月経困難症[10]、女性の性欲の刺激[11]、疼痛に[12]に有効であるとシステマティック・レビューにより示され(がんの疼痛は緩和しないようである[13])、殺菌作用を持つ精油は、石鹸などに配合されたり、歯科などでも模索されている。現代では、自己管理の健康法としても用いられている[4]。先進国の産業社会に反対する対抗文化(カウンターカルチャー)であり、ニューエイジの一つのライフスタイルである[14]。
目次
1 概説
2 名称・分類
2.1 時代による定義の変遷
2.2 現在の欧米での分類
2.3 スピリチュアルな癒し
3 精油
3.1 精油の作用・研究
3.2 毒性
3.3 ペットの中毒事例
4 方法
5 医療用途
5.1 システマティック・レビュー
6 問題
6.1 精油の偽装とその危険
6.2 現代医療との併用
6.3 アロマセラピスト
6.4 非論理的・非科学的・神秘的な主張
6.5 精油原料の乱獲と自然破壊
6.6 火災の危険性
6.7 アロママッサージ店の摘発
7 歴史
7.1 概要
7.2 古代
7.3 アラビア錬金術と水蒸気蒸留法
7.4 ヨーロッパにおける精油療法の発展
7.5 医化学の発展と精油療法の衰退
7.6 「アロマテラピー」と精油療法の再評価
7.6.1 フランス
7.6.2 イギリス
7.6.3 ドイツ
7.6.4 中近東・西アジア
7.6.5 日本
8 アロマテラピーに使われる精油
9 脚注
9.1 注釈
9.2 出典
10 参考文献
11 関連項目
12 外部リンク
概説
精油を用いるアロマテラピーは、植物療法あるいはハーブ医学から派生したもので[15]、錬金術と深く関係して発展した[16]。アロマテラピーという言葉は、1930年頃にフランスの調香師・香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセが、アロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて作った造語である[17][5][18]。ガットフォセのアロマテラピーは、香料を使った療法であったが、その治療効果に香りは関係なかった[19]。また彼は、近代科学を疑う自然運動家ではなく、アロマテラピーを一つの新しい見込みのある療法として医者に推奨していた[20]。日本には、江戸時代に西洋医学が伝わった際に、精油を用いた医療が伝わり、蘭方で精油が薬として利用された[21]。「アロマテラピー」の呼称では、1980年代に「イギリスからの自然派美容マッサージ」という形で導入されたため[22]、現在の日本では医療という認識は薄い[22]。
日本語では芳香療法と訳されることが多いが、元々は精油を薬剤として用いる薬物療法を指しており[15][22]、フランスでは現在もこの意味で使われる。イギリスに伝わって精油を使った美容法などが「アロマセラピー」と呼ばれるようになり、のちに精油の香りを嗅いで体と心を癒す感覚療法(嗅覚療法)、リラクセーション法なども含まれるようになった。アロマテラピー(アロマセラピー)の定義はあいまいかつ多様である[15][23]。
現在日本では、広くはアロマコロジー(英語版)(芳香心理学)、美容を目的とする行為、ただ精油の香りを楽しむ行為なども含まれる[1]。日本では精油業者や美容業界の主導で広まり、趣味や美容法、リラクゼーション法の一種として、女性を中心に人気を得ている[24]。医療の分野では補完・代替医療のひとつとして知られる。病気の予防、通常の治療の補助的療法として利用され、介護や看護の場面で行われたり、病室の環境改善に用いられることもある[24]。発祥の地であるヨーロッパでも、治療の主な手段となることはほとんどない[24]。精油の医学的利用の研究者は少ないが[24]、2009年には臨床研究は徐々に増えてきているとも伝えられる[25]。
ティーツリー[26]などのいくつかの精油は抗微生物活性が認められているが、真菌、細菌、ウイルスに対する臨床研究は依然として十分ではない[27]。
一般書籍でいわれる精油の効能は、科学的に証明されていないものが多い[2]。
また、精神に関わる形而上学的な領域にも取り入れられたため、精油を植物の精髄である神聖な医薬品とみなしたり、他の伝統医学の理論を援用し、心身だけでなく魂の健康を目指すスピリチュアルな施術者もいる[28][29]。
名称・分類
アラビアやヨーロッパでは、伝統的に精油が医療に用いられていた。1930年頃にフランスの調香師・香料研究者ルネ=モーリス・ガットフォセが、精油を使った療法を「アロマテラピー」と名付け、1937年に精油の医療面での利用に関する本Aromathérapie – les huiles essentielles hormones végétales を刊行した。「アロマ」は「芳香」(ギリシャ語:ἄρωμα[※ 3][30], ラテン語:arôma)、「テラピー」は「療法」(ギリシャ語:θεραπεία, ラテン語:therapeia)で、「アロマテラピー」はこのふたつを組み合わせた造語である[31][32]。英語では「アロマセラピー」(英: aromatherapy[※ 2])となる[※ 4]。医学博士の鳥居鎮夫は、「精油という芳香物質を使った療法」を、「香りを嗅ぐことによって病気を治す療法」を意味するアロマテラピー(芳香療法)と呼ぶのはおかしいが、おそらく香料の専門家であったガットフォセは、薬用植物の中で特に芳香性植物から抽出した精油の効能を取り扱うことを強調したのであろう、と述べている[15]。「アロマ」は感覚をあらわすと同時に、実体ある芳香物質(芳香化合物)を意味している[15][※ 5]。「アロマテラピー」は感覚療法であると同時に植物療法(薬物療法)でもあり、非常にあいまいな用語である[15]。そのため香りの心理効果や芳香物質の薬理効果の研究の際に、アロマテラピーという用語を避け、アロマコロジー(芳香心理学)、アロマトロジー(芳香物質学)という言葉が使われることもある[15]。フランスのアロマテラピーでは、精油の薬理効果に重きを置き、香りは注目されない。精油の香りによる療法は、フランスではアロマテラピーと区別され、オルファクトテラピー(嗅覚療法)と呼ばれ、精神疾患や神経系疾患を治療するために利用される[33][34][35]。
時代による定義の変遷
鳥居鎮夫は、アロマテラピー(アロマセラピー)の定義は時代によって変遷があると指摘している。また、国によっても意味は異なる。
精油を使って病気を治す技術
精油を体内に取り込む技術
精油の香りを嗅いで体と心を癒す技術
フランス語の「アロマテラピー」は、「精油を使って病気を治す技術」を意味した[15]。フランスでは医療として医師が行ったが、伝播したイギリスでは主に美容目的で行われ、アロマセラピスト(香料治療師[3])は医者ではなかったため、「病気を治す」という表現を避け、「精油を体内に取り込む技術」とされた[15]。時代が下るとイギリスなどでは、これに「精油の香りを嗅いで体と心を癒す技術」といった意味が加わった。前の2つは精油の薬理作用を基礎とする定義であり、最後の1つは嗅覚刺激によるものである[15]。アロマテラピー(アロマセラピー)は、時代や国、業界によって、意味するところが異なる。日本では、自然の香りを楽しむ森林浴などもアロマテラピーに含むこともある。
現在では、美容を目的としエスティックサロンなどで行われる「エステティック・アロマセラピー」と、病気の治療や予防、症状の緩和を目的とし、医療、看護、介護で行われる「メディカル・アロマセラピー」の2つの領域に大別される[24]。日本では最初、「エステティック・アロマセラピー」はイギリス、「メディカル・アロマセラピー」はフランスの影響を受けたものが広まったといわれる。日本の医療では、民間の「アロマテラピー」との混同を避け、「アロマセラピー」と呼ぶことが多いが[36]、フランス系(大陸系、医療系[※ 6])が英語で、イギリス系(美容系)がフランス語でよばれていることになる。
現在の欧米での分類
生化学者のマリア・リサ・バルチンは、近年欧米では、アロマセラピー(芳香療法)、アロマトロジー(芳香物質学[15])、アロマコロジー(芳香心理学)の3種類に分類されていると述べている[2]。
アロマコロジー(芳香心理学)
芳香物質に関する技術と人間の心理作用、芳香物質の脳への影響と作用の仕組みの究明を主な目的とする。人間の感情・情動だけでなく、行動によい影響を与える香りの立証も目指す。名称は、1982年にSense of Smell Institute(SSI、嗅覚研究所)によって提案された[2]。
アロマセラピー(芳香療法)
「アロマテラピー」ではなく「アロマセラピー」と呼ばれる。SSIの定義では、心身の不調に対する植物芳香療法である。精神的な障害(慢性抗うつ病など)の軽減も目指す[2]。
アロマトロジー(芳香物質学、芳香物質療法)
精油(芳香物質)を体内に取り込むことを主眼とする療法で、イギリス以外のヨーロッパで従来一般的なアロマテラピーを指す[2]。日本でフランス系、医療系アロマテラピーと呼ばれるものに重複する部分が大きい。内服、坐薬、膣内への利用などもあり、医師や有資格のハーバリストが行う内科的方法だが、イギリスやオーストラリア、アメリカでは、ハーバリスト、民間資格者、無資格者による施術が安全面・法律面で問題となっている[2]。3〜4.5mlもの精油を原液で皮膚に塗布するような激しい療法もある[2]。
このように、補完・代替医療としての「アロマセラピー」と、アロマトロジー的な意味合いを含めたヨーロッパ大陸型の従来の「アロマテラピー」は、かなり趣が異なる。補完・代替医療としての「アロマセラピー」では、「治療」より「癒し」に重きが置かれる[2]。
スピリチュアルな癒し
精油の医療への利用は、第一次世界大戦時にフランスのガットフォセなどにより再評価され、精油の薬効の科学的研究が行われた。それと同時に、精神に関わる形而上学的な領域にも取り入れられた。アロマテラピーを世界的に流行させるきっかけになったロバート・ティスランドは、中国思想や西洋占星術の影響を受けており、その著作にはニューエイジ的な神秘思想が見られる[37]。ヨーロッパの錬金術では、蒸留により植物から精髄(クィンタ・エッセンチア[※ 7]、第五元素、エーテル)として精油の抽出を目指しており、現在でも精油を植物の力や波動を宿す神聖な医薬品と見なす考え方がある[28]。アロマセラピストには、花の「活気」(バイブレーション、振動という言葉も好まれる)は、化学的な方法では殺されてしまうが、錬金術師が第五元素(エーテル)を抽出するために用いた水蒸気蒸留法で精油を抽出すれば保つことができると信じる人もある[38]。
ヴェルナーは、中世ヨーロッパの錬金術への憧れは、近代医学に対する不満とニューエイジの神秘思想からきていると指摘している[38]。ヨーロッパ伝統医学における占星術的な身体観(獣帯人間)や植物の解釈、アーユルヴェーダ(インド伝統医学)のチャクラや中国医学の五行といった理論、宝石療法や波動理論などを取り入れた、スピリチュアルな癒し(心霊治療、波動療法、エネルギー療法)としてのアロマテラピーもある[28][39]。精油を使って心身だけでなく魂、サトルボディ(微細身[※ 8]、エネルギー体、霊体)の健康を目指すスピリチュアルな施術者もいる[28]。ただし、スピリチュアルな解釈を重視し科学的研究を軽視または無視する施術者も存在するため、精油による中毒や副作用などの問題が起こる可能性もある[2]。
ドイツの神秘思想家ルドルフ・シュタイナーの世界観を背景とし、西洋医学に基礎を置いた代替・補完療法である人智医療(アントロポゾフィー医学、シュタイナー医学)・看護は、1900年代初頭にスイス・ドイツを中心に発展したが、このケア技術の一つに精油を用いた療法がある。リズミカルマッサージ(ドイツ語版)を前身とするリズミカルアインライブング(独語:Rhythmishe Einreibung)と呼ばれる療法は、「アロマオイルや軟膏を定型フォルムに添ってリズミカルにケアリングタッチで皮膚に塗擦するケア」で、シュタイナーと協働していた医師イタ・ヴェーグマン(ドイツ語版)が創始した。その源流はスウェーデン式マッサージにあるとされているが、マッサージと異なり、筋肉を揉みほぐすのではなく主に軽擦法を用いてオイルや軟膏を皮膚に塗布しなじませることを主眼とする。加えてリズミカルな手技によって人間の自然治癒力の回復を促すケア技術であるといわれている。「四構成要素モデル」(人間を自然界の四つの基本存在の特質である物質(鉱物)・生命力(植物)・心(動物)に加えて精神を持つホリスティックな存在と考える)と、「三層構造モデル」(人間を「頭部:神経 - 感覚システム」「胸部:リズムシステム」「腹部:四肢 - 代謝システム」の三層の機能モデルで捉えて、健康とは「両極のバランス維持」であり、中間にあるリズムシステムが両極の調和を図ると考える)という人智医療の理論に基づいている。痛みの緩和や呼吸の改善、健康感上昇、信頼感・安心感の形成、集中力強化などの効果があるとされ、また「共に癒されるケア」「看護の質を耕すケア」「孤独を癒し愛を伝えるケア」としての可能性を持つケア技術でもあるという。[40]
精油
詳細は「精油」を参照
アロマテラピーで使われる精油は、花、茎、幹、根、樹脂、果皮などを水蒸気蒸留することで得られる揮発性の油である。油脂ではない。低温圧搾(柑橘類のみ)で抽出されたエッセンスや溶剤で抽出されたアブソリュートは、揮発しない成分を含み、厳密には精油ではないが、おおざっぱに分類すれば精油と呼ばれる[2]。主に食品業界で香料として利用され、香水や化粧品にも用いられる。ほとんどの種類の精油は食品添加物として認証を得ているため、動物実験で毒性が確認されている[2]。疎水性であり、ビタミンCなどの水溶性成分は含まれない。100-250種類程度の芳香化合物(芳香分子)からなるものが多いが、ローズウッド (クスノキ科)やクラリセージのように、数種類の芳香化合物で構成されるものもある[41][※ 9]。
抗菌、抗真菌、抗微生物作用などがみられる精油もある[2]。精油の薬理効果は、アルコールやエステルといった各成分の薬理効果が重複しており[41]、成分の相互作用について不明な点も多く[42]、その作用を特定することは容易ではない。原料植物の精油成分の含有量は、地域や生産年、抽出部位によって違いがあり、業者によって原料量・蒸留器具・蒸留時間も異なるため、同じ植物の精油でも、製品によって成分の含有量に違いが見られる。理学博士の荘司菊雄は、アロマテラピーに用いる精油には、「抽出植物名(学名)、抽出部位、産地、ロットごとの分析表」が不可欠であると述べている[41]。しかし、農家から精油の買い付けをするアロマセラピストの中村あづさアネルズは、商品として販売される精油は、ラベルの名称と中身、成分分析表が違うことがあり、明らかに香りがラベルと異なる場合もあると指摘している。そのため薬剤師・翻訳家の林真一郎は、成分分析表は重要なものだが、この有無だけでアロマテラピーに適しているか判断することはできないと述べている。なお、医療に使われるほど高品質な精油であるとして、「医療グレード」「セラピーグレード」と呼ばれる商品があるが、このような規格はなく、ただの造語にすぎない[43][44]。
精油の作用・研究
「嗅覚」および「精油#薬理効果・臨床研究」も参照
精油が心身に働きかける経路は、次の3つがあると言われる[5]。
気化したものを吸入し、嗅覚刺激として中枢神経系に働きかける経路(吸入した場合、肺から血液にも溶けこむ)
皮膚に精油を塗った場合に、皮膚を通過して血流に乗り体内に入る経路
経粘膜投与(経直腸、経膣投与、うがい液としての使用)、経口投与で、胃や腸などの粘膜から吸収されて血液に溶け込み、全身へ行きわたる経路
精油は数十から数百の揮発性化合物の混合物であり、ひとつひとつの成分がどのように人体へ影響するのかを追跡するのは容易ではなく、人体への影響の詳細は不明な部分が多い。同じ精油・同じ薬理成分でも、使用法の違い、精油が吸収される経路の違いによって薬理作用は異なり、人体に与える影響はかなり異なることが分かっている[22]。例えばサンダルウッドの精油は、吸引すると刺激作用が、マッサージに用いると鎮静作用が見られた[2]。内服を除いて、どの方法でも人体に吸収される精油はごく微量である[22]。
精油を吸入した場合、におい分子が嗅覚器で神経インパルスに変換されて脳に伝わり、心身に影響を与える[22]。嗅覚は感情に密接に結び付いた、基本的な感覚である。蒸散した精油の芳香成分は鼻で感知され、嗅覚刺激として視床下部から下垂体にかけた領域、いわゆる大脳辺縁系に到達する。大脳辺縁系は、脳の中でも原始的な部分であり、扁桃体と海馬が神経インパルスにより活性化するが、この2つは記憶、性欲、感情、想像力の中枢であることがわかっている[2]。(匂い情報の脳への伝達、脳への影響の詳細は解明されておらず、煩雑になるため省略する。)香りの吸入で、体内に変化が起こり、血圧の変化など複数の生理反応が誘発される可能性がある[2]。心理面への芳香の影響の研究は、1983年から嗅覚研究所(SSI)とエール大学の共同研究が行われた[2]。
アロマ・マッサージでは、精油はわずかに経皮吸収され、血液に溶け込むと言われる。ただし、生化学者のマリア・リサ・バルチンは、精油を植物油で希釈してマッサージを行った場合、ほとんどの精油成分は経皮吸収されずに、皮膚に残留する可能性が高いと述べている[2][45]。
アラビア・ヨーロッパでは、古くから精油が治療に用いられてきた。ヨーロッパで精油が効果を発揮するメカニズムの研究が進められているかというと、必ずしもそうではなく、かつての漢方薬同様、効果や適応は伝承や経験による部分が大きい[24]。用法や安全性に関する検証も、十分には行われていない[24]。
聖路加看護大学の鈴木彩加・大久保暢子は、医学中央雑誌におけるアロマテラピーに関する150の論文(1983年 - 2008年6月)の内、精油の種類が記載されていない又は詳細不明のものが20件あり、実験研究は6論文と少なくアロマテラピーの有用性を示すには十分といえないと指摘している[25]。アロマテラピーはランダム化比較試験の実施が極めて難しく(香りがすれば被験者にも分かってしまうため)、また主に医療の補助的手段として用いられるため、単体でははっきりした結果が得られないことも多い[1][2]。精油の偽装が広く行われているため、臨床研究で使用された精油が100%天然でない、または材料植物が表示と異なる可能性も否定できないなど[1][46]、評価が難しい面がある。不十分な研究や個人的な経験がエビデンスとして取り上げられることもあり[2][47]、質の高い臨床研究と、そのための研究デザインの作成、使用される精油の質・材料植物の品種の保証が必要とされている[1][25]。
医療では、看護師ががん患者や妊産婦に対して、睡眠促進、浮腫の軽減、筋肉の緊張の緩和などの目的で行っている。精油を用いたマッサージや足浴などが、浮腫や不眠等の症状緩和に有効なことは経験的に認められており、活用されていが、エビデンス確立には至っていない[25]。
アロマテラピーの書籍や民間資格でいわれる精油の効能は、ハーブや精油の民間療法の伝承がベースであるものも多く、広く知られた効能でも科学的根拠が存在しない「都市伝説」のようなものもある[48]。古いイギリスの本草書などにあるハーブ療法で、チンキ(水溶性・油溶性成分を含む)やティー(水溶性成分を含む)の形で使われた情報を引用している場合もあるが、精油には水溶性成分が含まれないため、ハーブの効能をそのまま利用することはできない[49]。また、生化学博士のマリア・リス・バルチンは、コモン・ラベンダー(Lavandula angustifolia)やテンジクアオイ属の通称ゼラニウム(Pelargonium graveolens)の精油[※ 10]は、別の植物の効能などが間違えて引用され、情報が混乱していると指摘している[2][50][51]。精油販売業者が無根拠な薬効を主張することもあり、世界中で精油の連鎖販売取引(マルチ商法)を行うヤングリヴィングとドテラは、医薬品として認証されていない自社精油を、エボラ出血熱などに治療効果があると主張して販売したとして、2014年にアメリカ合衆国の政府機関・アメリカ食品医薬品局(FDA)から警告を受けている[52][53][54][55]。
皆さん~~~ヾ(^∇^)おはよー♪
こんな世の中でも生きていればきっといいことあるかもね(^_-)-☆
皆さんにも明日への扉がきっと来ますよ!(^^)!
最後まで諦めづに頑張っていきましょう!!!
私自身も堀川早苗さんに映画バトルロワイアル3のプロデュースをやって頂けるように頑張っていきます!
またハコイリムスメのメンバーにもこれから頑張って頂きたいですね!(^^)!
皆さんも応援していきましょうね!(^^)!
ではまたね(@^^)/~~~
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