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2017年12月09日

Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析2

2 フォーマットL

 上記の「計算文学入門」を書きながら、小説を読んで思うという分析は、縦に言語、文学の流れとなり、続けて横にイロニーに関する情報の分析があることに気がついた。つまり、文型と理系の間にTの逆さで認知科学を想定して、人文科学と縦に二本の柱を作るファーマットを崩して、縦に言語、文学を分析する認知と横に情報を分析する認知と区別することにより、研究のフォーマットをLにシフトした。
 研究のフォーマットのシフトは、また、文学をマクロに考察する場合に役に立つ。一般的に地球規模の研究、文学では、東西南北の国地域の比較を言葉を変えながら作品を分析することがマクロの評価項目の一つである。そこに、伝統的な人文、文化、社会の比較とかシステムとメディカルの比較のみならず、フォーマットLも考慮に入れる。
 フォーマットLを評価項目に加えることにより、通常、ボトムアップだけで実績を作るところに、トップダウンで主の専門以外の系列が零点にならないような調整が必要になってくる。また、技術文の翻訳作業による理系のアイデアの調節も生きてくる。小説に関するLのストーリーを使用してDBを作成する場合、エクセルデータの横のラインがリレーショナルになるように、文系と理系のカラムを設けるためである。理系のカラムを設定するには、何れかの理系の実績が必要になるためである。(花村2015、花村2017、花村2018、花村2022)

花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析」より

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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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