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2024年04月14日

「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に5

【Lのストーリー】

◇縦に受容:言語文学(ゴーディマ)→言語の認知→空間と時間(無限)
◇横の共生:空間と時間→情報の認知→意欲と知能(リスク回避と適応能力)

 社会系や理系と同様に、文学の分析にもミクロとマクロの研究を想定している。ミクロは、対照言語の専門分野が研究の対象となり、マクロは、一つが地球規模、人文の場合、国地域の比較(東西南北)であり、また一つが研究のフォーマットのシフトが評価項目となる。フォーマットのシフトとは、Tの逆さの認知科学の定規を縦横に崩して、縦に言語の認知、横に情報の認知をとるLのフォーマットのことであり、購読脳(受容)と執筆脳の活動(共生)を考察の対象にする。(図1と図2を参照すること。)
 筆者はこれまで文学作品をランダムに比較研究し、その際に作家を一種のエキスパートと見なして、作品に見るリスク回避という内容で論文を作成している。三人とも20世紀前半という同時代に活躍した作家である。一般的に作家は、エキスパートとしてしばしば警鐘を鳴らすことがある。例えば、魯迅は、作家として中国人民を馬虎という精神的な病から救済するために小説を書き、鴎外は、明治天皇や乃木大将が亡くなってから、後世に普遍性を残すために歴史小説を書いた。また、トーマス・マンは、20世紀の最初の四半世紀に、ドイツの発展が止まることを危惧して論文や小説を書いている。 
 ミクロは、研究者個人の工夫が評価の対象となる。一方、マクロの場合は、誰が考えてもある作家が作品を執筆している時の脳の活動は〇〇である、というように結論づけたい。これをシナジーのメタファーと読んでいる。例えば、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、そして「鴎外と感情」がこれまでに考案したシナジーのメタファーである。 (花村 2005、花村 2015、花村 2017)

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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