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2022年05月06日

イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ3

 素性は、3種ある。部分木の親と語彙的主要部が等しい値を持つ主要部素性(N、V、PER、BAR、SLASH、INV、VFORM、SUBJなど)、部分木のどの子からも上昇可能な足素性(SLASH、WHなど)そして一つの接点に留まって他に伝わることのない素性(CASE、WHMOR、NULL)とである。CASE、WHMOR(Wh形態)、NULL(音韻的に空)など。*
 素性値には原始的な値とカテゴリー的な値がある。

(3)PLU+, −
PRE 1, 2, 3
CASE NOM, ACC, FEN, DAT
(4)S NP[[PER, 3], [PLU, −]]
VP[AGR NP[[PER, 3], [PLU, −]]]

 (3)は、数、人称、格素性がそれぞれ取ることのできる原始的な素性を示し、(4)は、主語と動詞との一致を示す際に用いられるカテゴリー(名詞句で3人称単数)が素性値となる素性AGRを示している。CAPの説明の際に、一致については再び取り上げる。

花村嘉英(2022)「イディオム−モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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