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2020年08月28日

Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察4

2.2 内包論理(IL)

 モンタギューのILの基本的な特性は、高階の対象を扱うためにタイプ理論を導入し、これを様相論理と掛け合わせたものといえる。様相論理は、命題論理や述語論理に比べて、自然言語の表現に対する適用範囲が多少広げられた論理系で、必然性、可能性という話法の導入が見られる。

1.2.1 タイプと基本表現
 
 範疇とタイプの対応は、次のように規定される関数fによる。

1 f(e)=e
2 f(t)=t
3 f(e)t)=s]e]]t

 1は、e範疇がeタイプ(個体)に、2は、t範疇がtタイプ(真理値)に適応し、3は、「s(指標、可能世界wと時点zの対)からeへの関数の集合」から真理値への関数を表す。ILの基本表現とは、これらのタイプを含む定項と変項から構成されている。それぞれVar n,τ、Con n,τと記号化され、ILのτタイプのn番目の変項、定項を表している。

花村嘉英(2020)「Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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