2019年07月01日
心理学統計の検定を用いてハンリッヒ・ベルの「旅人よ、汝スパ…にいたりなば」を考える6
1 最初は記憶の範囲に差がないと予測する。しかし、二人の平均値を取ると、主人公 1.8、医者1.6になる。同様の方法で他の登場人物についても調べる。例えば、管理人ビルゲラー2.0になる。この差は誤差の可能性がある。
2 具体度の1、2は独立変数であり、それにともなう記憶の度合いは弱強で従属変数になる。
3 独立変数そのものの1、2、3が要因で、独立変数が実際にとる値、記憶の度合いが水準になる。
4 ここでは、どちらの水準も同じ標本からデータを集めているため、記憶の範囲という要因は、参加者内要因になる。
5 得られた有意確率(p値)を有意水準と比較する。危険率は通常5%未満のため、ここではt検定を採用する。
6 t検定では、二つの平均の差を表す統計量(t値)、データの規模を表す自由度(df)、p値(p-value)を報告する。
[記憶範囲のt検定]
主人公の平均1.8 医者の平均1.6、よってt値=0.2。
自由度は、独立した標本の個数から1引いたものである。よってdf=8。
p値は、0.2にする。ここでは5%未満のため、対立仮説の差があるを採択する。
花村嘉英(2019)「心理学統計の検定を用いてハンリッヒ・ベルの「旅人よ、汝スパ…にいたりなば」を考える」より
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