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2024年09月12日

トーマス・マンとファジィ13

a) ファジィ化
 曖昧でない値をファジィ集合へ割り当てることが問題になる。その値のファジィ集合に対するメンバーシップ値は、メンバーシップ関数が決定する。実際、メンバーシップ関数は、一つ一つ線的な流れによって証明される。例えは、Hans Castorpのある症状(めまい)との触れ合いを期待する度合を7とする。(ここでは簡単のために、期待を指数で表すことにします。)メンバーシップ関数が与えられると、結果として彼のイロニーは、ファジィ集合 「中ぐらい」の中で0.2、ファジィ集合「高い」の中で0.8になる。
b) 推論
 推論は、変数の結合規則により実行され、加工規則または生産規則としても表記される。例として、Hans Castorpの幼年時代を考えてみよう。両親が亡くなってから、祖父がなくなるまでの1年半、Hans Castorpは、祖父の下で生活した。Hans Castorpが祖父を見ている場面がある。「特別で半分夢を見ているようなそし て半分不安な感情、それが交互にやってきてしばらく留まり再び元に戻っていく。一種のめまいである。幼いHans Castorpは、以前から知っている こうした感情に触れることを期待し、そしてまた希望しました」。Hans Castorp の期待が高まり、突然その願望が姿を現すと、彼のイロニーは強くなる。
 ここで、和結合には最小値の演算子が、また共通結合には最大値の演算子が割り当てられる。そして、これまで記述したすべての規則を利用することにより、出力変数のメンバーシップ関数の都度の値が算出される。最大/最小の方法は、出力変数のメンバーシップ関数の面が、その都度算出されたメンバーシップ値によって部分的に灰色で区切られている。最大/積の方法は、出力変数のメンバーシップ関数の面が、 その都度算出されたメンバーシップ値によって算出される。
c) 脱ファジィ化
 脱ファジイ化は、様々なファジイ集合に割り当てられる出力変数の正確な値を算出する。つまり、曖昧な事柄を具体的な数字や値に変換していく。最大/最小または最大/積の方法によって数字が統合され、重心が算出される。

花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?(2005)より 

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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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