アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2024年09月10日

フォーマットのシフト4ーモンターギュ文法のシュガーリング

 直感主義論理に基づいた簡単なドイツ語の文法を考察する。レキシコンは、基本表現に範疇を割り当てていく。範疇文法は、直感主義のタイ プ理論を形式化する規則である。そしてシュガーリングの規則は、形式化された表現がドイツ語として認知される語彙の連鎖を返す。
 Ranta の文法とMontague文法の違いは、前者がシュガーリングと意味の説明の基礎となる表現を形式化しているにすぎない点である。Montague文法は、 (i) 基本表現を分析榭に結合させ、(ii) 分析樹を単純な文にシュガーリン グするといった二重構造となっている。もちろん、Ranta の文法も意味と形式間のパラレルな関係を要求する。
 まず、多くのドイツ語の表現がタイプ理論の意味で直接レキシコンに導入される。範疇化が存在論の意味を持っているため、各表現に対してタイプ理論の意味合いを作ることができる。また、ドイツ語の量化表現(jederや不定冠詞)の範疇化は排除する。これらの語彙が狽ニΠによる表現を示すことができないため、レキシコンにjederを登録してから、“jeder Mann”を“x”と置換してシュガーリングを掛けていく。 しかし、jeder が強い意味を持つと、Πのシュガーリングに問題が生じる。 jederが弱い意味を持つと、一意な意味がでる。その場合、jederに対する形式表現はΠとなり、不定冠詞は狽ノなる。こうしたシュガーリングの規則の特徴は、擬似的な範疇化によって表現される。擬似的に範疇化された表現を持つと、パージングの規則は、一定の方法でそれを処理することができる。
 レキシコンを考察しよう。普通名詞、固有名詞、動詞および形容詞が範疇化される。語彙登録は、シュガーリングのパターンを示している。レキシコンを持つことによって、名詞の集合や動詞の関数が定義され、上述した煤AΠ、pair、λ、p、qおよびapとい った演算子もそこに含まれる。さらに、SとNという演算子が導入されます。これらは、タイプ理論の命題表現を変数として取り、文章と名詞を返す。
 シュガーリング規則のシステムを見ていこう。対象は、ドイツ語の断片である。[E/F]とは、表現Eを表現Fで置換することを意味する。{E, F,G} は、E、F、G が選択できることを示している。補助規則は、まず、単数の表現を再帰代名詞に戻し、主要な変数としてマークを付け、照応表現の範囲に設定する。次に、SとNの演算子を規定する際、規則(Q)、(C)、 (R) が重要になる。規則(Q)は、直感主義のタイプ理論の量化表現をドイツ語の文章にシュガーリングする規則である。規則(C)は、狽ニΠを限量詞というよりも連結詞と見なして、結合と条件 のシュガーリングを処理する。規則(R)は、表現が、関係代名詞によつ て修飾された名詞にシュガーリングが掛かることを説明している。最後 に形態操作の説明である。VF動詞(3人称単数現在)、名詞の目的格 ACCと所有格GEN、不定冠詞INDEF、人称代名詞PRON、関係代名詞 REL、再帰代名詞REFLが、シュガーリングの規則のための形態操作とし て導入される。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12699831
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
花村嘉英さんの画像
花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。