老朽化した20年位前から空き家の分譲マンション(築47年の鉄骨3階建)の壁が崩落してアスベストの飛散など危険な状態となっている問題について、山仲善彰野洲市長(滋賀県)は平成31年2月18日、早ければ11月に行政代執行による解体に着手する考えを明らかにした。
野洲市では、4月に空き家対策特別措置法に基づき取り壊しの命令を行う予定で、約2カ月間で所有者9人の合意による自主解体が行われない場合、議会に予算要求し、最短で11月に着手する方針。解体費用は約5千万〜6千万円程度かかるという。
野洲市が代執行により廃墟マンションを解体した場合、解体費用の全額を区分所有者から回収することとなります。
分譲マンション解体には区分所有者全員の同意が必要ですが、1名は実態がなく連絡が取れない法人名義の所有者、あと1名は呼び掛けに応じない個人の所有者とのことであり、自主解体の議論が進まないのです。
なお、「マンション建て替え円滑化法」のマンション敷地売却決議により区分所有者9人の「5分の4」(8人)の同意でマンション取壊し・敷地売却できるか検討しましょう。
区分有者の男性によると、このマンションには管理組合や管理会社などはなく、定期的に維持管理も行ってこなかったとのことです。
マンションは、基本構造が鉄筋コンクリートであり、その寿命はまだ明解にはされていないが、もって100年、適切なメンテナンスをすれば200年に延ばせる可能性も指摘されています。だが、人が住まなくなった築47年のマンションで既に危険な状態になったのです。
マンションが廃墟とならないように、マンションの将来予想を行いマンションの建物設備の維持管理に努めるとともに、マンション解体費用の積み立ても検討しましょう。また、区分所有者名簿の管理も重要です。
(出典)京都新聞 2019/2/18 「廃墟マンション解体へ市が方針変更 アスベスト露出、行政代執行」
(関連)京都新聞 2019/2/17 「廃墟マンション「いつ大惨事起きても」 専門家「早急に解体を」
(関連) J-CASTテレビウォッチ 2019/2/21 「倒壊寸前なのに壊すに壊せない廃墟マンション―近隣住民は「いつまで放っとくのか!怖い」
(参考)NEWSポストセブン 2019/2/22 「滋賀県野洲市に崩壊寸前の"廃墟マンション" すべてのマンションは廃墟になる可能性」