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2023年10月24日

父と私

 中学校の2年生の時、再び あの病気のため入院するはめになった。なんで自分だけ こんな目に合うのだろうと これからずっとこの病気

を気にしながら 生きていかなくてはならないのかと いろいろと悩んだが 自分で体を鍛えていこうと考えた。

 たまたま 何かの本で『ブル−ワーカー』(1mくらいのバネのはいった金属の筒の両端にワイヤーの入ったビニルのひもが付いている)

の記事が目に止まった。写真の男性の太い腕が 羨ましくて こんな風になりたいと思った。裕福な家ではなかったので おこずかいというもの

なく、物理学の参考書がほしくて 床屋代としてもらったお金を使ったため 髪を伸ばしたままでいた。

 こんな風で 1万円以上もする『ブル−ワーカー』を買ってほしくて 母にたのんだが 父親に言えと言われ 大工をしていた父はつりが

好きで 夜な夜な釣りに行くときに ついて行った。

 港の岸壁に 橙色の夜光灯の下で 父と2人きりだった。私は見ているだけで 押し寄せては帰る小さな波を見ながら そのことを口にしよう

としたが 何も言えず そのまま家に帰っていった。

 母親に尋ねられたが 何も話さなかっとた伝えた。父はもともと 次男なのに 長男が戦争にとられ 高熱病で口がきけなくなった弟を

そういった学校へ通わしながら 自分も家具職人のところで働き技術を身につけて独立し 店を構えてきたのです。しかし 大量生産の

西洋家具に押され店を閉じ 大工に転向したのです。
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