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NHKの「100分 de 名著」みてます?

NHKで「100分 de 名著」という番組が放映されています。

好きで毎回見ています。

先週からアランの「幸福論」が取り上げられています。




幸福論の中でアランは、不機嫌を解消する方法として体操やあくびをすることを進めています。


多くの人は「そんなの当たり前ジャン」と思うかもしれませんが、私にとっては、これは意外な話でした。


昔教会に通っていたこともあって、私にとって聖書は身近な存在でした。

聖書では「体」と「心」を明確に分けます。

例えばこういう言葉があります。

「肉の思いは死であり、御霊による思いはいのちと平安である」<ローマ人への手紙 第 8 章 4-12 節>

つまり「人間が生来求める欲求は神に逆らうものであって、これを克服して神と和解しなければ平安は訪れないのだ」というような考えです。

「不機嫌」というのは、「肉」の思いから出たものであり、神への感謝が足りない不信仰から出たものである。だから「肉」から出たものは「心」によって、治めなければならないと考えるのです。

それをキリスト教国であるフランスの高校の先生が、「肉」から出たものを「肉」によってカバーすることをオススメするというのですから、意外に思ったのです。

よく「共産主義の呪縛」という事が言われます。

「言論の自由を奪われた共産主義の社会で育った人間は、人間不信から脱せられず自分の本当の気持ちを言葉にして出すことができない」と、大学時代にブルガリアからきた留学生から聞いた事があります。



これと同じくらい「キリスト教」にも呪縛があるのだな、と感じます。

キリスト教のような一神教は基本的に二元論です。「善」か「悪」か。「闇」か「光」か。「神」か「悪魔」か。

自分がどちらの側にいるのかを明確にされてしまう宗教です。

この二元論を克服するために、西洋の人々は様々な理屈や論理を用いてこれに対処しようとしてきました。

西洋で哲学が発展したのも、この「キリスト教の呪縛からの脱出」という大きなテーマがあったからではないかと私は思います。

ところが、このキリスト教的二元論とは縁のない東洋人は、理屈などを用いなくても、いとも簡単にこの呪縛から脱している。

「体」と「心」は1つ。
「善」があるから「悪」がある。
「光」あるところには、かならず「闇」がある。

というように物事はすべて表裏一体だと捉えます。

これはキリスト教の二元論に慣れた西洋の人々にとっては「革新的」(人によっては危険、悪魔的とさえ思う)な思想です。「神から離反する恐怖」からなかなか逃れられない。彼らがこれを受け入れるにはまだまだ時間がかかるのではないかと思います。

ヤオロズの神の国、日本に生まれて、よかったです(^^)


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