2018年02月18日
加藤剛主演「大岡越前」第6部14話「父の死を願った息子」
2月16日の午後9時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、加藤剛主演「大岡越前」第6部14話「父の死を願った息子」が放送されました。
あるとき、江戸の町で、老人が死にました。その死について、「自分の父を殺しました」と実の息子が言って、牢に入ったのですから、江戸中おおさわぎとなりました。
現代でもそうですが、親殺しとなると、江戸時代では大罪中の大罪です。
息子の話を聞いているうちに、父親が「ぼけ」て「もうろく」して、という言葉が出てきます(放送当時はこういう言葉が平気で使われていた)。今でいう認知症です。老いた父が認知症になって家庭内が滅茶苦茶になり、近所の人にも迷惑をかけ、しかし身体だけはしっかりしているので外に出歩き、夜の盛り場を歩いてはケンカ沙汰を起こし、ほとほと困っていた、という。
それでたまりかねて殺した、というのですが、忠相(大岡越前)が調べていくうちに、いろいろなことが分かってきます。
父を殺したという息子の話(自供)は本当なのか?
息子の女房がある者たちに脅されていたが、それはどういうことなのか。その女房は「私が殺したようなもの」というが、どういうことなのか。
夫婦が苦しんだ、もっともっと深い事情が明らかになります。
そして、苦しんだ原因としての、死んだ父親の過去の姿までが明らかになります。
また、事件解決のヒントになったのが、大岡家の隠居の「老い」でした。
そうして視聴者に問いかける「人間の老い」と「介護」の問題。「法」の問題。
じつに深いテーマです。
そして、お白州で、自分自身を責め、苦しむ夫婦の姿をみて、真の悪人たちも「ほんとうにわるいのは自分」だと言うようになります。身につまされる思いがしたのです。
単純な勧善懲悪の話とか、徹頭徹尾悪人に徹した極悪人が成敗されてそれでおわり、という話ではない「深さ」を感じました。
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