2018年02月06日
東山紀之主演「大岡越前4」第4話「万病治した孝行娘」
2月2日の午後8時から(再放送は4日の午後6時45分から)、NHKBSプレミアムで、東山紀之主演「大岡越前4」の第4話「万病治した孝行娘」が放送されました。
江戸の町では、「神命丸(しんめいがん)という薬が「万病に効く」と評判になっていた。
あるとき、盗みを働いた男の子がいたが、それは家族の為に「神命丸」を手に入れるためだった。あの子は孝行息子だ、と評判になってしまう始末だった。
そんなある時、お鈴(荒井萌さん演じる)という娘は、飲んだくれでどうしようもないといわれた父親・太吉(小倉久寛さん演じる)が病気になるや、「万病に効く」と言われるその薬を手に入れようと、「神命丸」を開発・販売している薬店へ行く。
が、万病に効くという効果が評判の「神命丸」は、貧しいお鈴にはとうてい払えないほどの高価。
父の為にどうしても欲しいお鈴は、月々の給金が出るたびに少しずつ払うからと、分割払いで売ってくれと言う。
しかし、その店「長命堂」の店主・弥兵衛(笹野高史さん演じる)は、一度にまとめて払わないとダメなんだ、少しずつなんていったらお客さんみんながそうしてしまう、と言い、邪けんにお鈴を追い払ってしまう。
この店主はむかし、人に騙されて借金が大きくなり、死を覚悟してまだ赤ん坊の娘を手放してしまった過去があった。「神命丸」で儲けが出ている今、金に糸目をつけず娘を探している最中だった。
弥兵衛の妻は物陰でお鈴を見て、もしや赤子の時に手放した娘では、と弥兵衛に言う。弥兵衛は「お前は年ごろの娘を見たらすぐそう言うが、そんなことはない」と言う。
ところがひょんなことから、お鈴こそが弥兵衛が探していた行方不明の娘本人だと知る。
弥兵衛は、太吉に大金を渡してお鈴を引き取ろうとするが、お鈴はそれを拒む。弥兵衛からの訴えを受けた大岡越前守忠相(東山紀之さん演じる)は裁きを下すことになる。
まだお鈴が弥兵衛の娘かどうか分からなかったとき、お鈴が高価な薬を手に入れるために吉原に身売りしようとしたことを知った忠相が、「あの娘は薬のために身売りしようとしたんだぞ。もしお前の生き別れとなった娘が同じ境遇だったらどうする?」という意味の言葉を弥兵衛に行った時、弥兵衛は「あの娘は自分の娘ではないし」と開き直って冷たく言い放ったものです。そして、お鈴が自分の娘だと分かったときも、金にものをいわせて本人の意思とは関係なく自分の手元に引き取ろうとしました。
弥兵衛が金の亡者になり、冷たい態度をとったのも、過去に悪人に騙され苦すぎる経験をしたからです。金のために足元救われ、苦労したから、金しか信じられない。貧乏人が困っていても助ける気はない。他人はしょせん他人。という考え方。だからこそ、そのために他人から反感を買ってしまう。実の娘さえも、太吉の辛さのほうを理解し、弥兵衛のもとへ行くことを拒否します。
結局、大岡越前の人情裁きで円満に解決するのですが、世の中、いつになっても、どこでも、弥兵衛タイプの人間が多くいるのではないでしょうか。
学校の部活動においても社会人となってからの職場においても、「おれが(わたしが)新人の頃は厳しい先輩にいびられた。だから先輩となった今、後輩をいじめても構わないのだ」とか、「私がヨメとして嫁いだとき、お姑さまからいびられた。だから今度は私がヨメを」とか、「私は前夫からDVの被害にあった。だから私から暴言はかれたなんて(今の)夫は言うけれど、そんなの私が過去に受けた苦しみに比べればたいしたことないわ」とか、「俺は女にふられつづけてきた。だから、俺に優しくするこの女も本心から優しくするのではなく、なにか下心があるのだろう?」とか、他人が信じられない、過去の恨みを「人間不信」の冷たい仕打ちでしか返せない人が多くいる、と思います。
そういう人々を風刺した話でもあると思いました。
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