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2017年11月07日

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」第43回放送「恩賞の彼方に」

 




 長篠の戦いの後、井伊万千代(のちの井伊直政)は家康の小姓になり、出世の階段を登ってゆく。
 一方、本編の主人公である直虎は、井伊谷の領主としての井伊氏が滅んでからは井伊谷の民として農民たちとともに大地を耕して暮らしていたが、やはり井伊家再興を唱えることなく、民とともに暮らしていた。
 徳川家康にとりたてられ、小姓となった万千代に対しては、先輩の小姓たちから冷ややかな視線を浴びせられる。新しい小姓として先輩たちに紹介され、「諸事、教えてやってくれ」と言われても先輩たちは万千代に何か教えるでもなく無視を続ける。
 これは現代でもよくあることですね。少し毛色の違う新人が入りました。組織のトップや幹部から目を掛けられているもよう。それを先輩たちが妬む。いやがらせをする。無視する。わざと何も教えず困らせる。露骨に嫌味を言う、等。いろいろな会社組織でありそうな話です。
 しかしここで挫けたり途方に暮れるような万千代ではなく、先輩たちの動きをよく観察し、誰が何をしているか、どんな動きをしているか、などと見つめ、自分にできる仕事はないかを考えて行動します。役に立たぬ無用な動きなどしません。さすがに徳川四天王の一人となり異例の出世をとげて彦根藩の藩祖となる井伊直政の若き日の姿です。
 このへんは、現代の会社組織や地域の自治会等において、また、学校の部活動や委員会などにおいて、先輩から嫌がらせを受けたり冷淡な態度をとられた新人がどう行動すべきか、いい模範になるかもしれません。
 もっとも、この放送の終わりの方で、万千代は先輩たちの反感に対する逆襲として、「おれは殿さまから特別な寵愛をうけているのだぞ」という意味のことを言い放って先輩たちを黙らせることになるのですが。
 
 さて、一方、井伊谷では、長篠の合戦の為にたくさんの木材を山から切り出したために、山崩れを起こる危険性が高くなりました。直虎は植林することを提案します。ところが井伊谷の民たちは、「武士たちが切り出したことのために何で俺たちが汗を流して木を植えなければならねえんだ」と反発します。そのとき村の長老が広い視点で発言し、村人たちを黙らせます。自然の恐ろしさと、自分たちが何をすべきかを説いたのです。
 この長老のことばや、直虎たちが山の斜面に松を植えていく姿が美しい。そして少しずつ松が育ってゆく姿は感動的でもありました。


 







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