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2016年06月19日

あなたの奴隷

新作ができたが、まだ出版元が見つからない。今市場で求められているのは、どうやら

Mな女性が主人公

らしい。やはりこの小説が大ヒットした影響なのだろう。

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でも、私には無理だ。だって私自身がMじゃないんだもん。縛られて叩かれて ・・・ 楽しくなるって気持ちがわかんないの。

でもそういう願望がある人が、世の中にはたくさんいるのかな。
最近、パーティーの余興をしてくれる人をネットで探していて、こんなのを見つけてしまった。↓

Slaven Tommy (スウェーデン語です)
最初にContent Warningのページが出てきますが、「Jag förstår och vill fortsätta (OKしてブログを見る)」のオレンジ色のボタンをクリックしてください。SlavenTommy(奴隷のトミー)のブログです。プライべートのパーティが多いこちらでは余興にプロの手品師やミュージシャン、ダンサーを呼ぶというのはよくありますが、真正Mな彼は、女子会の余興に呼ばれて奴隷になるというサービスを展開しているらしいです・・・。

彼にどの程度の需要があるのかわかりません。ブログの更新はだいたい一年に一度ぐらいだから。でも私が今度女子会の幹事に選ばれたら、呼んでしまうかもしれない。
トミーは30代の男性みたいですが、他のサイトで50代ぐらいの小太りのおじさんも見つけました。彼はトミーの上をいくMみたいで、他の男性に輪○されてもいいなんて書いてます。そこまでいくと私はちょっと怖いです。
世の中にはいろんな趣味の人がいて、だからこそ面白いのだとも言えますが。

元々遅筆ということもあり、私はこれからも自分が書きたいものを書いていきます。
トミーも小太りのおじさんも、自分の趣味を窮めて頑張ってください!

タグ:奴隷 
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2016年05月25日

シャネルとストラビンスキー

先日、この映画を見たんです!

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この映画が作られた年はシャネルの生誕125周年とかで、彼女にちなんだ映画が他にも2作作られていたのですが、あのアメリさんがシャネル役を演じた映画が、私にはちっとも面白くなくて。

彼女の人生を追った他の映画と違い、この映画は、既に有名になったシャネルが作曲家ストラビンスキーを応援する、という部分に焦点が置かれています。
見る人によってはとてもつまんないらしいこの映画が、私にとってはすごくツボだったんだから、人の好みは色々ですね。

まず第一に、この映画の舞台になった1900年代初頭、日本でいうと大正から昭和初期の雰囲気が、私は好きなんです。
シャネルの田舎の邸宅で、作曲活動に没頭するストラビンスキー。彼の病弱な妻と三人の子供たちも一緒です。場面一つ一つが絵のように美しいのも素敵

シャネル役の女性がいつも怖い顔をしていて可愛げがないといえば、確かにその通りだけど、実際シャネルのモデルも務めている彼女は、やっぱり何を着てもすごくきまってる。

ストラビンスキーは実際どんな人だったかは知りませんが、映画の中の彼はかなりダメ男で情けないです。でもその作曲家としての才能にシャネルは惚れ込んでいる。

映画の始まりのシーンは、パリの大劇場で初演される「春の祭典」。作曲もバレエ振り付けも新しすぎて、観客に受け入れられずに、大騒動になるところから。ヨーロッパのオペラハウスは1800年代ごろに建てられたのが今もよく現役で使われているが、100年前にはあんな風に山高帽を被った紳士やイブニングドレスの淑女が集まるところだったんだなあ、というのが垣間見れたことも面白かった。

当時は蓄音機の時代で、ラジオも産声を上げたばかりということを考えると、劇場に足を運ぶということが文化に興味ある人々にとって、いかに大事な楽しみだったかということだ。
しかしそれからたった百年で、ポケットに入る大きさのケータイでインターネットができ、音楽を聴くことも録音することも、ビデオ撮影さえ可能になった。技術の発展ってすごいやあ。

その「春の祭典」上演のシーンでは、振り付けをしたニジンスキー(役の人)も出ている。ニジンスキーについては自伝を読んでいるところ。でも英語なので遅々として進まず。そのうちこのブログにも、読んだ本について書かせていただきますね。

2016年05月19日

一応書き上げた

もう2年ぐらい前から書きかけては止めていた作品を、やっと最後まで書き上げたよ。それってどんな長編? と思われるかもしれないけど、いや、けっこう短いんです(*゚ー゚)ゞ

舞台はローマです。
もう2年半位前にローマに旅行して、とても素敵だったので、ここを舞台にした物語を絶対書くぞ! と意気込んだのはいいけれど、引っ越しや病気で手がつけられない日々が続き、結局こんなに長引いてしまいましたね。その頃はブログすら書いていませんでした。

一応最後まで書けたものの、これから読み返しをして推敲、そして担当者に見ていただきます。きっとすごいダメ出しを受けるでしょうけども。ひょっとして、「こんなん、全然あかん! (なんで関西弁?)」と言われるかも。まだまだ道は遠い。

いつもの私のことですが、遅筆なくせに、書きたいことだけはたくさんあって、もう次の作品について構想を練っています。

話は変わって、我が家の鉢植えが、春らしい陽光の下でこんなに大きく花を咲かせました。
青い小さな花は忘れな草です。 多年草で強く、庶民的で可愛い、私はこの花が大好きです!

P1000740.JPG

2016年05月14日

ブラック・スワン

先週末、スウェーデンのテレビでやっていたので見たこの映画。ナタリー・ポートマン主演の「ブラック・スワン」。

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彼女が演じる主人公のニーナは、プリマバレリーナを目指して、元バレリーナの母親に厳しく躾けられていた。
しかし所属するバレエ団で「白鳥の湖」主演の座を掴んだ、と思ったら次第に禁じられていた性の幻想に悩まされるようになる ・・・ 演出家には枕営業を求められ、ライバルのバレリーナには同性愛を仕掛けられ ・・・ というお話。
良い子症候群?の娘が教育ママに、極限まで束縛されるとここまで狂乱してしまうのか。
なんだか見ていて気の毒だった。

残念なのは、結末。
私はニーナが今までの束縛を解いて、強く生まれ変わることを期待していたが、結局彼女は自分のパーフェクトな幻想の中で死んでしまう。
彼女は黒鳥を見事に踊っても、最後まで無垢な白鳥から脱皮できなかった。なんだかそれが残念で、私にとってはちょっと不足感が残る終わり方だった。



うちの母は変なことに口うるさかったけど、教育ママではなかったな。それはきっと彼女が自分の仕事で忙しかったからだと思う。私も同じように、自分のことで忙しかったので、子はかなり放任、ゆる〜い子育てで申し訳ない。

アマゾンの評を見ていると、この映画の肝は実は母娘関係ではなく、「凡人が努力することのはかなさ」だとする意見があった。ニーナは確かに抜群のテクニックを持つ努力家、でも天才的なダンサーではなかった。しかし持前の気質から、母の期待に応えよう、自分を変えようと、どこまでもどこまでも努力して、ついに精神を病んでしまう。ああ、辛い。そこまでする必要あるの?

バレエのような芸事はやはり、親がかなりがんばらないと一定のレベルには到達しないのかもしれない。そうやって一流になった人はいるのだろうが、ほとんどの子は途中で止めてしまう。だったら最初から楽しさを第一にし、才能がありぐんぐん上達するようなら指導法を変えればいい ・・・ と思うのはなんだかすごくスウェーデン的かしら。

ちなみに女優のナタリーはこの映画に出演したおかげで、相手役のダンサー(映画では影が薄かったが)と実際に結婚してしまったそうだ。あ、それといつまでも美少女かと思っていたウィノナ・ライダーが、般若のような中年女を演じていたのに驚いた。( ̄□ ̄;)!!

2016年05月13日

日本女性の性

ネットで興味深い記事を見つけた。
海外に詳しい日本人女性が、日本女性の性の乱れについてその原因を彼女なりに考えていた。
それが私にも納得できることだったので、ここにも書いてみたい。

「乱れ」の原因の一つとして、「日本では性が不潔なもの、秘密なもの」とされていることが上げられていた。風俗やAVがこれほどまでに色々な種類があり、氾濫しているのは、実はその反動なのだと。


私の子供が小さい頃、一緒に日本に帰国した。
いつもスウェーデンでしているように、子供を抱き上げてチューをしていると、私の母がいつも
「まあ、気持ち悪い親子!」
と言っていた。スウェーデンでは普通のことなのに。

大学時代の同級生は、もう成人男子なのに、クラスメートの女性が家に電話をかけてきたら(当時携帯はなかった)お母さんが気も狂わんばかりに怒り狂うのだそうだった。サークルの用事を伝えるために電話しただけだったのに ・・・ そのため、クラスでは彼の家には女性は絶対電話してはいけないことになっていた。「性は不潔なもの」という意識は、現代によく問題になっているセックスレスにも関係があると思う。


もう一つは、日本女性があまり「自己肯定」を受けずに育っていること。
あくまで私の場合だが、この二つの原因はまさに、「あるある」だった。

母によると ・・・ というか、私が受けた教育もそうだったのだが、「女の子はなるべく謙虚に」が信条で、「この子はブスだから、赤やピンクは似合わんわ」が口癖だった。


高校生の頃、知り合いの家に空き巣が入り、留守番をしていた娘がレイプ被害に遭った、という話を聞いても、母は、
「おまえがそんな目に遭っても、警察には絶対行かんで!」
と言っていた。親は子供のために行動を起こすのではなく、子供は自分に面倒をかけて欲しくないと思っているのだ。

もしこれが一般的な日本の女子の育てられ方だったら、結果として皆「自分の価値を低く見積もる」ようになるのではなかろうか。それが、親の世代には都合がいいことだったのかもしれない。娘が自分の価値が低いと思い込んでいたら、どんな相手にでも嫁にいく。同じように、自己評価が低ければ、スカウトマンの上手な口車にも簡単に乗せられて、あられもない姿を晒すようになるのではなかろうか。



スウェーデン人は昔から、性に開放的で、結婚せずに子供を作ることも珍しくない。一方、スウェーデンに住んでいても、ムスリムの女性は今も、結婚前の男女交際は厳禁とされている人が多いようだ。
じゃ、日本人女性は ・・・ というとどちらでもない。婚前交渉は普通に行われているが、結婚となるととたんに経済問題とかしきたりとかが大きなハードルになる。好きだから一緒になりました、とかいう簡単な問題じゃない。
(今はできちゃった結婚も普通なので、私の若い頃からはだいぶ変わっていると思いますが)そりゃ皆晩婚になるのも無理はないのでは?

昔読んだこの本にもそんなことが書いてあったような。

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私が20代の頃好きだった、また付き合った男も、今となればなんであの人と・・ と思う相手が多い。(あ、それは私が自分のことを棚に上げて言うんですけど) 絶対私と意見が合わない保守的なタイプだったり、親の反対に屈したり、またそれほど好きでもないのに相手に流されて付き合ったり。
ああ、若さを勿体無いことに使ったなあ。

もっと若いうちからスウェーデンに住んでいれば、自由に恋愛を謳歌できたような気がする。そして、私が地球の反対側で何をしていようと、母は構わなかっただろう。彼女が一番気にしていたのは、周囲の目だったから。

2016年04月29日

Bel Ami

自分はあまり腐女子ではないと思っていたが、たまたま見つけたこのサイトに心が釘付けになってしまった。

ただ、ここではそのサイトにリンクはできない。
開けたとたんにいきなり、かなりきっつい画像が出てくるので。

それはスロヴァキアに本社をおく、知る人ぞ知るゲイAV配信会社 Bel Ami のサイトである。
ゲイ向けのその手の写真やビデオを配信している会社は、日本にもアメリカにもあるのだけれど、どれも私の好みには合わない。アメリカには数社あるが、モデルがたいてい筋肉質のマッチョ系。まさしく男の世界 ・・・ ゲイの世界ならそれはもちろんなのだが ・・・ なんか私はおよびじゃない? 失礼しました、なのだが、BelAmiは違う。

登録モデルがすごい美少年ばかり。体は隅々まで理想的。画像が上品で美しく、すごくえげつないことをしているのに、いやらしくなく、多くの男女のそれみたいに、女性には直視に耐えない、なんてことはない。ついついまじまじと見惚れてしまう。まさに芸術的。そのあたり春画に似ているかもしれない。

アメリカのサイトのような筋肉隆々なモデルは、ここでは歓迎されないらしい。かといって彼らはオカマっぽいわけでもない。サイトを読むと、登録モデルになるにはかなり厳しい審査があるみたいで、いいカラダでもあんまり筋肉質じゃだめとか、タトゥーも大きいものはだめ、他のモデルと上手くやっていくための人間性も大事 ・・・ ふうむ。
その上、モデル並みに超イケメンでナイスバディ、なおかつ人前で男とああいうことができる若い男を集めるのは、さぞかし大変だったんじゃないかと思う。

そのうちの一人 ↓
adrianBecker.jpg

イマジネーションを掻き立てられるなあ。

彼らのサイトへのリンクはできないので Bel Ami Boys で検索してみてね。きっと腐女子ファンもけっこう多いんじゃないかな。

2016年04月28日

碧の瞳のエリク

(前回からの続き)

光文社主催のVコレクション「女性が描く女性のための官能小説」公募の第二回に、「柱廊は終わらない」(エキゾチックな魅力に華を、に改題)で入選した私でしたが、約束されていた出版の目途は立たず ・・・ 仕方がないので、私は第三回の公募に向けて新作を書き始めました。

私はストーリーに夢中になると、官能シーンはおろそかになってしまいがちなのですが、
「もっと官能的なシーンを多くすべき」
と編集者に言われて、次回作はもっと官能シーン中心にすることに決めました。

それでできたのが、これです ↓

碧の瞳のエリク ヨーロッパエロス (秘蜜の本棚)




ちなみにエリクにはモデルとなる人物がいました。
その人は私の夫でもボーイフレンドでもなく、ただの知り合いなのですが。外見は小説に出てくる通り、長身で細面、栗色の髪に、目がすごく緑色。特に目の色が印象的で、エメラルドのような碧色でした。
外見だけでいえば、正直私の人生で彼ほど惹かれる男性に会ったことがありません。
ただし、性格はシャイで学究的なので、スウェーデン人女性にはあまりウケるタイプではなかったと思います。

残念ながらその人には長い間連れ添ったガールフレンドがいたので、私とどうこうということはありませんでしたが、ちゃんと小説のモデルにさせていただきました(笑)

ただ、この「官能シーンを中心とした小説」は読者にはあまり受け入れられなかったようで、

女の子が何の恥じらいもなくイケイケなのが怖い

とか

主人公がスポーツのようにセックスをする感覚についていけない

とか感想を書かれてしまいましたね・・・。

喫茶店

女性向けの官能小説を書くときには、いわゆる「スポーツ新聞に載っているような」官能小説ではいけないのだそうです。
でもこの小説がオヤジ向けのスポーツ新聞に採用されるかというと、それはないと思います。なぜかというと

女目線すぎる
相手役の男が美男で、そのことに女性が魅了されている(男性の官能小説とかAVとかは、わりと親近感がある男性が使われているように思います)

ま、ともかく

私はやっぱり官能二の次、ストーリー重視?でいきたいと思いました。



2016年04月27日

エキゾチックな魅力に華を

光文社が主催する「女性が書く女性のための官能小説」コンテスト第二回に応募したのが、この小説です。

エキゾチックな魅力に華を (ヨーロッパエロス)




応募時には題名は違っていて、「柱廊は終わらない」という題名でした。
というのは、この小説の舞台がイタリアのボローニャで、ボローニャというと柱廊が有名だと聞いたからです。

どうして舞台をボローニャにしたかというとそれは単純に、その小説を書く前に旅行したのがそこだったから。ボローニャに知り合いを訪ねていったのですが、その歴史の古い町並みの独特な雰囲気がとても気に入り、ぜひ小説の舞台にしてみたいと思いました。柱廊は確かにありましたが、けっこう狭くて汚れていた記憶があります。雨のせいだったかも。

黒ハート

主人公の日本人女性は、現在の自分の状況に不満。でもそれをどう打開していけばわからない。それが、ボローニャへの旅行で新しい出会いがあり、今までの自分になかった世界が広がる、というお話です。(注意 ・・・ 官能っぽいシーンもあります)

実際は旅行に出たぐらいで自分の世界が変わる体験など、なかなかできないものなのですが、それは小説の世界ということで・・・。

ちなみに、題というのは売り上げを上げるためには大事みたいです。私はボローニャらしさを出して「柱廊は終わらない」という題にしましたが、何年か前、他の電子書籍販売会社の担当の方には「金色のタペストリー」と改題され、それから今回は現在の題にまた改題されました。(内容は同じです)


この小説はコンテストには入賞したものの、結局アンソロジーとして出版はされませんでした。
長い長い間待たされて、光文社のVコレクション担当さんから「出版取り止め」を聞いたときは本当にがっかりしました。が、この入選をいただいたことが、小説書きに自信を与えてくれました。
なぜなら、第一回のアンソロジーに収録されたコンテストの入賞作の作家は皆、ライターとかゲーム作家とかすでに「書くこと」を仕事にされている方ばかりで、上手なのもうなづける。そんな方々に混じっての入選は、私にとって大きな励みになりました。

第一回目の入選作アンソロジーとは ↓

瑠璃の課外授業 (光文社 Vコレクション)

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よーし、この路線でもっと書くぞ!
と思って、次に書いたのがこれです。これについてはまた次回に詳しく書きます。

碧の瞳のエリク (ヨーロッパエロス)



2016年04月23日

日本人男性にお薦めな仕事

インターネットのおかげで、世界どこでもあちこちにいながら出会いの機会がある昨今。
昔は日本人というと日本人女性とスウェーデン人男性のカップルがほとんどだったが、今は日本人男性とスウェーデン人女性というカップルも珍しくないらしい。

どちらの組み合わせにせよ、スウェーデンに住むとなったら困るのは仕事のこと。
いくらスウェーデンは男女平等が進んでいるといっても、統計によると女性の平均賃金は男性の平均賃金の85%でしかないらしい。
これは、利益が上がるタイプではない仕事に女性の従事者が多い(介護、教育など)という理由もあるだろうが、女性の細腕一本で家庭を支えるのはスウェーデンでも大変だ。

もし海外ですぐに使えるような技術を持たない日本人男性が、こちらの大学で長い再教育を受けることなく仕事を見つけるとしたら、どんなものがあるだろうか、私は考えてみた。

一番のお薦めは:
Hemtjänst (ホームヘルパー)である。
この仕事は、利用者は女性が多く、従事者にも女性が多い。
比較的いつも募集があると同時に、スウェーデンではいつも性の平等を謳っているため、女性の多い仕事には男性は採用されやすい。
また、女性が多い職場に男性がいると、とても大事にされるのである。なぜなら私の経験からすると、西洋人の女性は他の女性には厳しく意地悪だったりしても、男性が来るととたんに態度をころりと変える。人間表裏がないのが大事、と教えられて育った私は、見ていて恥ずかしくなることがある。
利用者のお婆さんたちにも、若くて優しい男性は人気がある。きっととても親切にしてもらえるだろう。

ただし、マッチョは駄目よ! 男性優位を全面に出して利用者や女性の同僚に説教するようになると、とたんに嫌われる。中近東のアツい男にはこのタイプが多いのだ。でも、日本人男性ならそんなことはないのでは? いうなれば「ゲイに好まれそうなアジア人の男性」なら、歓迎されるだろう。


では二番目のお薦めは:
タクシー運転手。
私がスウェーデン語を勉強していた頃の同級生には、イラク人がたくさんいたが、タクシー運転手になっている男性は多い。
健康で長時間労働に耐えられるなら、けっこうな稼ぎになるらしい。

ただ ・・・ こちらはタクシー強盗がすごく多いからちょっと怖い。
父親がタクシーの運転手をしているという男性は、
「今の車は、前後の席に仕切りがあって、後部座席だけロックすることができるから大丈夫!」
と言っていたが、それでも怖い。
だって、スウェーデンは人口が少なく、都市部からちょっと離れると広大な森や湖。そんなところで襲われたら・・・。

バスの運転手にはけっこう女性がいるのに、タクシーの運転手に女性がとても少ないのは、それが理由ではないかと思う。
知り合いの女性が個人タクシーの運転手だったが、登録している固定客しかとらないと言っていた。

どんな仕事を選ぶにせよ、毎月多くなくとも安定した収入が得られるというのが、精神安定上大事だ。それに、こちらでは基本的に住宅は買うにも借りるにも、定職がなくてはならない(保証人を見つけられたら別)

外国で一人前に暮らすというのは、何をするにせよやはり大変なものだ!



2016年04月08日

雨のストックホルム、私の近況

夏時間になり、外はすっかり明るくなったのに、今ひどく雨が降っている我が家周辺です。でもその雨がなんか春雨というかんじで、ああやっと冬が通り過ぎたんだなあと実感。それでも今月もお天気次第で雪はパラパラすると思いますけどね。

turpanbukett.jpg


昨年の秋ごろから頭痛と目まいに悩まされ、それが今年に入ってからどんどんひどくなり、ハウスドクターに診てもらったら、肩こりとかストレスとか言われていました。

でも私自身は、もっと他の何かがある!と感じていました。

すったもんだした挙句(このすったもんだが、たぶん日本にいたなら必要なかったであろう部分)やっとレントゲンを撮ってもらってわかりました。

私の頭の中には、なにかがあったこと! 

そう、私にもあったんです、脳みそが!

でもそれだけじゃなくて、他にもなにかが!

・・・・

幸い悪性のものではないそうですが、こんな時、きっと日本だとサクッと取っちゃいましょってことになるんでしょうが、それはやっぱりスウェーデン!

スウェーデンに住む日本人はこう思っていることでしょう。・・・ タダほど高いものはない、という諺の重さを、肌に感じさせるのはスウェーデンの医療を置いて他はない。・・・ ま、ここでもタダではありませんが、手術や入院にかかる費用は日本に比べると格段に安いと思います。ただし、延々と待たされる。命にかかわる病気でも緊急に手術の順番が来ない人には、お金さえ出せば手術してくれる私立病院があるらしいです。そうすると個人保険がないと日本より高くつくかもですが、生きるか死ぬかになればそれも仕方ないですね。

私の場合はそこまでことが重大というわけではありません。ただし本当にもう無理はできないことは肝に銘じ。
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プロフィール
くりはらさよこさんの画像
くりはらさよこ
現在スウェーデン在住。子供が生まれてから、十代の頃好きだった文筆を再開。 2000年 第72 回コスモス文学新人賞 長編部門新人賞受賞。 2002年 Vコレクション 女性が書く女性のための官能小説 第二回入選。 現在携帯小説配信のドワンゴにて、モモカタリのレーベルで小説を配信(2010年10月末書店閉鎖)。2008年8月からは(株)Voltageの「100シーンの恋」でも小説を携帯配信している。2012年6月、Apple App Storeより、国際恋愛指南エッセイ ヨーロピアン Love & Sex 発売。その後も「秘蜜の本棚」にて次々ケータイ・スマホ作品を発表中。 
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