ムームーサーバー
ポンド/ドルのチャートを見ると、6月から7月にかけての大きな変動が特に注目されますね。
6月26日には年間最高値の1.30210を付けましたが、その後急落し、7月10日には1.26605まで下がりました。この大幅な下落の背景には、以下のような要因が考えられます。
まず、英国の政治情勢の不確実性が高まったことが大きな影響を及ぼしています。当時、ボリス・ジョンソン首相の辞任表明を受けて、保守党の新首相選挙が行われる予定で、次期政権の政策方針への不透明感が高まっていました。
加えて、英国経済の先行き不安も重荷となっていました。インフレ高進や生活コスト上昇などを背景に、景気後退リスクが高まっているとの懸念から、投資家がポンド売りに動いたと考えられます。
一方、この時期はFRBが利上げを加速させており、ドル高圧力もポンド安要因となっていました。6月の利上げに続き、7月にも大幅な利上げが行われたことで、ドル高が進行したのです。
その後7月も後半にかけて、ポンド/ドルは1.27669まで戻しています。これは、英国の政治不透明感が和らぎ、また、FRBの利上げペースにも一服感が出てきたことが背景にあると考えられます。
一方、ユーロ/ドルのチャートを見ると、5月下旬から6月末にかけて1.08250付近で上下動を繰り返しており、その後7月に入り再び下落に転じ、7月31日には1.09556まで落ちています。
ここでのドル高の要因としては、FRBの利上げ加速に加え、欧州経済の先行き不透明感も指摘できます。欧州中銀は慎重な姿勢を崩さず、一方でFRBはより積極的な利上げを続けていることから、ドル高・ユーロ安が進行したと考えられます。
このように、ポンドとユーロの対ドルレートの変動には、政治・経済の不確実性やそれに伴う金融政策の違いが大きな影響を及ぼしていることがわかります。短期的な変動が激しい中で、市場の先行きを注視し、適切なタイミングでのポジション調整が重要だと言えるでしょう。
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