2022年06月10日
時代は副業解禁へ。なぜ今「副業」なの?いまどきの副業事情
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時代は副業解禁へ。なぜ今「副業」なの?いまどきの副業事情を解説します
2018/02/15
厚生労働省は、2017年10月より「柔軟な働き方に関する検討会」を開催し、12月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン(案)」を提示しました。
これは、「モデル就業規則」(就業規則を作るときの参考となるもの)において、原則禁止とされている「副業・兼業」のメリットや留意点を示したものです。ここには幅広く副業・兼業を行える環境の整備が重要であるとしていることから、今後、副業を持つという働き方が広がっていく可能性があります。
そこで、そもそも副業とは何を指すのか、副業を認める企業のねらいや労働者側のメリットなど、副業にまつわる事情を解説します。
そもそも「副業」とは?
副業には、どのような内容のものがあり、どういった定義があるのでしょうか。
副業と聞いてまず頭に浮かぶのは、「本業」を持っている労働者(被雇用者)が行うものでしょう。その他にも、主婦のアルバイトやフリーランスの掛け持ち仕事、賃貸用アパート・マンション等のオーナーとしての不動産投資、余剰の資産を使った株式投資などが浮かびます。
「本業」に対する概念として「副業」がありますが、その意味は幅広く、明確な定義はありません。「複業」「サイドビジネス」「パラレルワーク」「内職」「アルバイト」など呼び方も様々です。税法上では、その収入の性格によって取り扱いが異なります。
ここでは、本業による給与収入で主たる生計を支えている方が、勤務時間以外に行うものを副業としてお話します。
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副業が注目される背景
では、なぜ今、副業が注目されているのでしょう?政府がその促進に動き出し、メディアでは企業の副業容認の取り組みが取り上げられることが増えています。副業に対する世の中の興味や関心が高まっている背景を、雇用者側と働き手側からみてみましょう。
雇用者側が副業を許可する背景
現時点では多くの企業で「原則禁止」である副業ですが、昨今、副業を容認する動きが一部の企業で見られます。その背景としては、
副業を認めることで、時間の有効活用や経済的余裕を持ちたいと考える従業員の満足度を上げたい
本業に相乗効果のある副業を許可することで、従業員のスキルアップや、マーケティングなどの営業活動につなげたい
終身雇用で従業員とその家族を企業が守り続けることが当たり前ではない時代であり、各自が次の道を拓けるようにしておきたい
というような経営側の考えがあります。
さらに、副業を認めることのメリットには次のようなものがあります。
会社のPR効果
働き方改革を進めている、多様な働き方を認めている先進的な企業としてのイメージが向上する
優秀な人材の獲得
自社で本業を行いながらも、副業も行えるようなスキルの高い人材を採用できることに加え、逆に副業先として、自社の活動に興味を持つ人材を他社から採用できるケースもある
経済活性化
副業により従業員が豊かになれば、その分消費が増え、景気の回復が見込め、ひいては自社製品・サービスの売上増加にもつながる
働き手が副業に興味をもつ背景
日本は今、働き方改革の掛け声のもと、長時間労働の風潮が是正され、残業禁止、仕事の持ち帰り禁止、テレワーク推進など、労働者がオフィスに滞在する時間が短くなり、自由になる時間が増える傾向にあります。
一方で、大幅な賃金上昇が見込めない上、残業代が減少しているため、副業で収入補てんを望む人も増えています。
また、「一億総活躍社会の実現」を背景に、女性やシニア層の活用を進める機運が高まっていること、ダイバーシティ経営で様々な働き方をする社員を受け入れるために仕事の見える化・棚卸を行った結果、仕事の一部を切り出して外注することが可能になったという企業側の事情があります。
これらの事情は、仕事を探す側にとってはチャンスです。
スマートフォンの普及により、個人が隙間時間で情報を得たり発信したりすることが簡単になりました。「得意な分野の仕事を自分の都合の良い時間帯に引き受けます」といった働き方を副業で実現できる世の中になってきたというわけです。
副業がもたらすメリット
働き方改革で浮いた時間を、自己啓発や健康増進、家族や友人との時間など、自分の人生を充実させることに充てる人も多いと思います。
同時に、その時間を、副業としてやってみたかったことをやる、今の仕事以外の才能を活かす、別の収入の柱を作ることに充てる選択肢もできるようになってきました。副業は今の時代に合った働き方といえます。
副業の働き手側のメリットをまとめてみると、
本業では得られない経験をする。人脈を築き、視野が広がる
現在の仕事に役立つ新しい気付きや情報を得たり、イノベーションを起こすことができる
転職することなく、業務外のキャリアを積める、やってみたかったことに挑戦できる
収入の柱を複数持つことで精神的にも経済的にも安定する
ライフイベントによって本業の仕事を辞めた後も、ある程度の収入を維持でき、かつ社会とのつながりを保つことができる
などがあります。
現在の仕事の延長線上で副業を行う人もいれば、全く逆の分野に挑戦する人もいます。自分の興味やスキルの引き出しを、あれこれ組み合わせて可能性を考えてみるのも楽しいでしょう。
副業ができない理由
副業には様々なメリットがあり、社会的に認知度が高まっているとはいえ、まだ広く浸透している働き方ではありません。
残念ながら、一切禁止、原則禁止という企業が6割超というのが現実です。(ランスタッド調査 2017年9月27日【ランスタッド・ワークインサイト】「副業」、「無期雇用派遣」に関する調査結果を発表)
その理由を見ていきましょう。
企業側の理由
上記調査によると、推奨の有無の違いはあれ、副業を認めている企業はわずか13%です。
その理由として、
本業と類似の業種だと、情報漏洩のリスクが高まる
副業に注力することで、体力・集中力などが割かれ、本業がおろそかになる可能性がある
副業が軌道に乗った結果、退職・独立につながり、せっかく育てた人材が流出するリスクがある
などが挙げられます。
働き手側の理由
副業を行わない、働き手側の理由として、会社で禁止されている以外に、
時間的余裕がない
体力がない
ほかの仕事に生かせそうなスキルがない
今の仕事にやりがいがある
正社員として、今の収入に満足している
などがあります。
雇用者側、働き手側、双方の「副業させない/しない理由」を見てきました。
どれも一理あり、「できない理由」「やらなくてもいい理由」が副業によるメリットを上回っていると、興味があっても実際やってみるには至らないようです。
また、許可制だと申請が面倒であったり、ロールモデルがいないので気が引けてしまったり、ということもあるようです。今後、企業の方針や体制が従業員の背中を後押しする状況になれば、副業の普及が一気に進むといえそうです。
副業を始める前に気をつけたいこと
いかがでしたか? 副業には様々なメリットがあり、余裕があればやってみたくなる気持ちも出てきそうです。実際に副業を始める前に、今の職場の就業規則をしっかり確認してください。
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事前許可制など、副業についてのルールがあるならば、申請・報告手続きをもれなく行いましょう。
そのうえで、
本業をおろそかにしない
服務規定に反しない範囲で、コンプライアンスに注意し、守秘義務を守る
目的意識を持つ
期間や請け負う仕事のボリュームを明確にする
健康を維持する
誰かの役に立つ、自分が生き生きと楽しめる副業を行う
ということが実現できるのであれあば、副業に挑戦してみるのもよいのではないでしょうか。
最後に「やってみたいけれど、何をやったらいいかわからない」という方へ。
副業は、今の本業と全力で向き合ったうえで、プラスアルファで行うものです。
副業することで毎日がつらくなったり、気もそぞろになったりしてはいけません。
余裕があれば行う、お声掛けいただいたら受けてみる、多少大変でもわくわくできるからやる、など、前向きな気持ちで取り組めるものに出会えた時が、副業の始め時と言えるでしょう。
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