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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2023年05月18日

いやー、惚れた。 「酒場學校の日々」 金井真紀

文は人なり、というが、この方の

文章はまさしく人柄が見えてくる。

まっすぐで可愛くて、優しくて

人を面白がる能力に長けている。

日色ともえさんのエッセイを読んだ

ときと同じように、心がときめき、

著者に会いたい、と胸がキュンとなった。



このエッセイは、詩人の草野心平さんが

やっていた酒場「學校」にひょんなことから

店を手伝うことになった著者が、

カウンターの内側から見た酔客それぞれの

ありようを描いたものだ。

このひとりひとりの描写が素敵なんだ。

あったかいんだなぁ。

愛に満ちてるんだ。

とくに第一章、「一年生の見聞録」というページは

酒場を住処にしている僕としては、愛すべき酔客の

姿に、「わかるなぁ」と何度もうなずき、

ニヤニヤしながら読ませてもらった。

見出しだけ少し紹介します。



酔うほどに禮子(れいこ)さんの声はやわらかい



純子さんの剛気、栄子さんの自在



酒は景気よくたっぷりと注げ、という教え



清水さんの太い指がゆで卵をむく



もじゃもじゃは今夜ももじゃもじゃ語で歌う



阿部さんは陰気な風を連れてくる



黒縁眼鏡の奥にいつも、及川さんの安寧



……どうですか、いいでしょ。

とにかくみんなに彼女の文章、読んで欲しいです。

飲める人は、なじみの酒場でいっぱい

やりたくなりますよ。



酒場學校の日々 フムフム・グビグビ・たまに文學 (ちくま文庫 かー83-2) [ 金井 真紀 ]

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