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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2023年06月06日

上岡龍太郎さんの思い出

「芸は一流、名は二流、

ギャラは三流、めぐまれない天才、

上岡龍太郎です」の名文句と

ともに思い出すのは、

2011年大阪の中村座だ。



幸運にも一枚だけ奇跡的にチケットが

取れ、わくわくして向かったことを

今でも覚えてる。



「夏祭浪花鑑」の勘九郎さんを堪能し帰ろうかと

思ったら、なんと夜のサプライズ公演とし、

立川談志師の落語もあるという。

これまたラッキーなことに夜の部も

チケットが買えた。



家元が選んだのは「中村仲蔵」。並み居る

歌舞伎役者が観ている前でのこの演目。

ちなみに僕の斜め後ろには橋之助さん。

さすがだと思い観てたら、結構トチり、

「あーやっぱりカッコつけるとろくなことないな」

と途中で止め、違う話に(笑)。



さらにゲストに来てた鶴瓶さんにも落語をやらせ、

しまいには客席にいた上岡龍太郎さんも呼び出し、

もちろん勘九郎さんも加わり豪華トークショー。

上岡さんはもう芸能界を引退した身だったが、

談志さんに言われて仕方なく。



どの方のトークももちろん素晴らしかったが、

見事だったのは上岡さん。

勘九郎さんに向かって「あんたの芝居には文句がある。

……チケットが取れにくい」。

お客さんこれには大拍手。

さらにトークの途中で「あ、そろそろ私失礼します」

家元「なんで」、「地下鉄が最終でんねん」と言い残し、

さらりと消えた。



めちゃくちゃかっこよかった。

享年81歳。



「弱みを見せず格好つけて口先三寸……。

運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな

人生だったと思います」と息子さんに

言わせる凄さも含め、

文字通り天才でした。



心よりご冥福をお祈りいたします。



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