2023年05月30日
やっと読み終えた。 「街と不確かな壁」 村上春樹
全ての作品を読んだ作家というのは
そんなに多くない。
太宰、梶井、吉行、そして彼ぐらいだ。
村上春樹の小説はいつもどこかへ
連れてってくれる。
日常を離れ、観たことのない土地の
心地よい風を、切ない夕暮れを、
哀しい街角を見せてくれる。
上質な音楽に包まれているような
文体も好きだった。
でも、2017年に発表された
「騎士団長殺し」はいつものように
ふわりと僕を違う世界に連れてって
くれず、読み終えるまでにずいぶんと
時間がかかった。
本作はもっとだった。
16歳の少女と17歳の少年の恋を描いた
第1部は、素敵で心地よかったけれど。
なぜこんなに時間がかかったのか
その理由はこれから考えるつもりですが、
多分だけど、年を重ね、よりリアルなものを
抱えすぎて、僕は著者の世界で遊べなく
なったのかもしれません。
僕が今求めているのは、もっと正味な
腹の足しになる物語のような気がします。
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